「Dr.Strangelove」さんのページ

総レビュー数: 365レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年01月07日

6点 学校

玉石混合。更に表題作「学校」の出来がずば抜けているため他の作品の印象が薄い。

で、その「学校」だが実に凄い。キューブリックを思わせるシンメトリックな画面構成、
8つの物語が絡み合うストーリー、テクニカルなことこの上ない。この作品だけでも読む価値はある。

ただ、全体的に技術的な部分に偏りすぎてちょっと内容が薄いような気がしないでもない。
まあ読んでる分には面白かったのでこの点数。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-04-27 14:23:34] [修正:2008-04-27 14:23:34] [このレビューのURL]

6点 骨の音

岩明均独自の視点が光る短編集。
随所に作者の知性を感じることが出来る。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-04-24 16:32:38] [修正:2008-04-24 16:32:38] [このレビューのURL]

地味な題材だが、実に面白い。2編とも上手くまとめられており、
冴えた演出にも作者の力量を感じる。
確かな知識と豊富な経験に裏打ちされたベテランのきめ細やかな仕事といえば、岩明均の作品。
私にはそう思われる。

岩明均の「佳作」だなんてとんでもない。これこそ真に評価されるべき岩明均の「傑作」だ。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-04-20 15:05:15] [修正:2008-04-20 15:05:15] [このレビューのURL]

実験作。
内容はエロ漫画だが一筋縄ではいかないものばかり。
とにかく奇妙奇天烈な手法がてんこもりでカオスだ。
ただ、それらが面白さに結びついているかは微妙なところ。
それでも山本直樹作品だけあってエロシーンはかなりの出来なので期待?は裏切らないだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-19 15:38:19] [修正:2008-04-19 15:38:19] [このレビューのURL]

考えうる限り最高のギャグ漫画の一つ。
アフタヌーンの漫画というのはとかく「濃い」漫画が多いが、本作なんてその最たるものだろう。

他の追随を許さない圧倒的な画力で、徹底して下らない話を描く。
「才能の無駄遣い」という言葉はトニーたけざき氏にこそふさわしい。
好き嫌いがはっきりと分かれる作品だと思うが私は大好きだ。
常に読者の予想の斜め上を行く、クレイジーな漫画。
このような作品を10巻以上連載させるアフタヌーン編集部の懐の深さに乾杯。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-04-13 15:29:28] [修正:2008-04-13 15:29:28] [このレビューのURL]

8点 壁男

諸星氏の作品は毎日読むと気が狂いそうになってくるが
たまに読む分にはとても刺激的で面白い。

本作の「遠い国から」「夢の木の下で」に見られるようなシュールさと荘厳さを
併せ持つ作風は唯一無二のものであり、漫画界にそびえる巨大な霊峰となっている。

ぜひとも読んでいただきたい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-04-13 15:05:41] [修正:2008-04-13 15:05:41] [このレビューのURL]

6点 BLUE

有害コミック論争の槍玉に挙げられた作品。確かにエロいが、そんなに
過激な作品とは思えない。山本直樹独特の浮遊感が味わえる短編集で、内容は次の通り。

「BLUE」 表題作。タイトルはドラッグの色と青春をかけたものである。
最も印象に残ったのは車の中で「このまま東京まで行こう」と言うシーン。7点。

「ヒポクリストマトリーファズ」この短編集で一番気に入った。
文字通り“引きずり込まれそう”になるシーンが秀逸。8点。

「なんだってんだ7days」ある大学生の一週間を描く。エロい。5点。

「197X」映画館での蜜月。やはりエロい。5点。

「激しい王様」中学校に通う王様に群がる女、女。シュールな短編。5点。

「希望の友」宗教勧誘のお姉さんがエロくて良い。5点。

「ずびずば」エログロナンセンス。医者とその助手とのやりとりが笑える。5点。

総じてエロい。山本直樹作品の中では観念的・哲学的な味が少ないので
読みやすいかもしれない。面白かったがもう一度読みたいと思うような
作品が少なかったのでこの点数に。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-13 14:55:08] [修正:2008-04-13 14:55:08] [このレビューのURL]

私は今読んでも鑑賞に堪えうる作品でないと評価いたしませんが、
この作品に関しては鹿太郎さんの言うとおりだと思います。
付け加える事が何も無いのでレビュー割愛。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-10 22:07:06] [修正:2008-04-10 22:07:06] [このレビューのURL]

9点 YOUNG&FINE

漫画界屈指のテクニシャン、山本直樹があえてその技巧を抑えて
真正面からの正攻法で描いた青春漫画の名作。

ストレートなだけに著者の作品では逆に異質である。
4月、美人の彼女がいる灰野という高校生のもとに、兄の同級生だった女教師、
伊沢学が下宿することになるところから物語は始まる。あらすじだけ見れば
なんてことはない話だがこの人にしか出せない作中の情緒(日本映画的、ともいえる)
が実に味わい深く、数年毎に読み返したくなる。

最も印象に残ったセリフはラスト、灰野の「自分が誰かに影響するなんて思いもしなかった」。
それまでの淡々とした日常描写の積み重ね(それこそ人によっては退屈と思えるほど)は、
このセリフのためだけにあったのではないだろうか?
私はまだ19歳なので自分が他人に影響を与えた事など、ない(少なくとも自覚の範囲内では)。
しかしよく考えてみれば自分が他人に影響するなんて当たり前のことだ。
今、この瞬間にもどこかで他人に影響を与えているかもしれない。
そういうことに気付かせてくれた漫画。

ひょっとすると山本直樹の作品で一番好きかもしれない。
本当に上手い作家は技巧に頼らなくても良い作品が書けるのだ。
改めて山本直樹は凄いと感じた。名作だと思う。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-04-06 15:32:32] [修正:2008-04-06 15:32:32] [このレビューのURL]

正統派SFの傑作。一話一話の完成度は見事だし、作者が伝えたいことを
しっかりと劇中でキャラにメッセージとして言わせており(ラストのハチマキの言葉)
他の方が仰るとおりとてもデビュー作とは思えない。

ただ、そのメッセージが青い。多分これは作者も自覚していたのではないか。
そのすぐ後にロックスミスが「気安く愛を口にするな」と呟く。
これが作者の照れ隠し以外の何だというのか。

「SFの新しいスタンダード」という売り文句に偽りなし。面白いといえる作品だった。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-03-31 20:20:09] [修正:2008-03-31 20:20:09] [このレビューのURL]