「まれら」さんのページ

総レビュー数: 112レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年02月12日

竹本泉の原点ともいうべき作品だが、ほとんど作風は完成されている。絵柄はきわめて柔らかなタッチのかわいらしい絵で、最近の萌え系とは異なり万人受けしそうな感じである。その一方、ストーリーはしっかりと練り込まれたSFであり、そのアンバランスさが味わい深い。
基本は学園ラブコメのような設定ではあるが、あまり深い人物描写はなく、どこかずれた変なシチュエーションを穏やかに楽しむ構成。氏の作品全般について言える事ながら全くといって良いほど毒がないので、刺激を求める向きにはお薦めできない。
「チャチャ=モチャノチャ=ヌートの1」「きぴきゃぴ」など、ぶっ飛んだ言語感覚が作品世界を彩っている。

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[投稿:2007-12-20 01:13:09] [修正:2007-12-20 01:13:09] [このレビューのURL]

キーキー叫びまくる謎の生物(?)を描いた4コマ漫画だが、ストーリーもなく主義主張もなく、極めてワンパターンな「あるあるネタ」が繰り返される。落書き寸前の強烈なタッチと「キー」「キシー」という心の叫びは何か癖になりそうで、決して嫌いではない。
好き嫌いが極端に分かれそうで、あまり他人には薦められないが。

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[投稿:2007-12-20 01:12:17] [修正:2007-12-20 01:12:17] [このレビューのURL]

6点 TOUGH

本作の存在意義は、現実の格闘技の世界のイメージとリアルタイムでリンクしながら、灘神影流という架空の流派をシミュレートしている(ように感じさせる)点であろう。前作の「高校鉄拳伝」ではまだしもスポ根めいた展開があったが、本作のドラマ部分は試合の煽りに過ぎず、どこかで見たようなファイターとキー坊との仮想試合が延々と繰り広げられる。
リアリズムの追求はそのまま地味さに繋がってしまうし、かといって派手な技の多用は非現実的になり過ぎるため、随分とさじ加減が難しそうではある。(とは言っても、鬼龍とのタッグ以降は随分と非現実化しているが。)
作者の格闘技への傾倒ぶりが窺える力作だが、格闘技ファン以外が読んで面白いと感じるとは思えない。

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[投稿:2007-12-19 01:25:32] [修正:2007-12-19 01:25:32] [このレビューのURL]

大橋ツヨシのギャグは、同一作品の中でも1本ごとに作風の差が大きい。「かいしゃいん」等でのナンセンス路線や「エレキング」等でのベタベタ路線、「びいだま君」あたりでのほのぼの路線など、一定の傾向はありながらも総体的には渾然一体となっており、ごった煮のような独自のワールドを形成している。
「けものへん」では、他では珍しい風刺ギャグや下ネタを軸として、やはりナンセンスありベタベタありの闇鍋のようなギャグの詰め合わせが読める。「かいしゃいん」ほど一般受けはしないだろうが、ファンなら一読しておきたい一冊。
ぐちょ大の肉山教授は秀逸。

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[投稿:2007-12-17 01:31:44] [修正:2007-12-17 01:31:44] [このレビューのURL]

甲子園の空の続編かと思われる。前作では甲子園を舞台としたことで些かのリアリティーを獲得していたように思うが、本作では潔いほどに非現実的な設定とし、おとぎ話的な世界になっている。同じ作者の「銀のロマンティック…わはは」などと並んで「スポーツメルヘン」とでも呼びたいような不思議なジャンルの漫画。
子供が無責任に夢を語るのを聞いているような、大らかな気持ちで読みたい。

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[投稿:2007-12-06 00:56:29] [修正:2007-12-06 00:56:29] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

普通の三国志パロディかと思って読んで驚いた。面白いかどうかは別にして、凄い漫画である。「三国志」で「萌え」という針の穴を通すようなコントロールで、ディープな世界を構築している。
しかし三国志演義へのオマージュとしての昇華具合は結構見事である。呂布と陳宮という、救いようのないコンビを主役に据えた構成も驚きだし、演義風のサブタイトルや曹操の偏頭痛ネタ、袁術のハチミツ(実際は末期の一言なのだが…)ネタなど、三国志演義ファンにとっては元ネタを探す楽しみもある。ちなみに夏侯惇が空気が読めないというギャグ(?)は「鶏肋」あたりからと考えるのは穿ちすぎだろうか?
「曹操の補佐は荀か郭嘉だろう」とか「なぜ袁紹が出なくて袁術が出る」といった疑問もあるが、何と言っても最大のツッコミは「蜀陣営が誰も出ない三国志ネタ初めて見た」という点であろう。呉も出ないが。

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[投稿:2007-12-02 17:24:19] [修正:2007-12-02 17:24:19] [このレビューのURL]

ストーリーはない。ひたすら出てくる相手を倒して強くなっていく話だが、洗練されたタッチと蘊蓄混じりの試合描写で、さほど飽きずに読める。「チャンピオン」という目標が定まっており、無駄に延長しなかった点もうまくまとまった要因かと思う。

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[投稿:2007-12-01 19:40:09] [修正:2007-12-01 19:40:09] [このレビューのURL]

安永航一郎の漫画は設定が突飛な上にギャグが異様に濃厚で、読んでいて疲れてしまうような面があるのだが、その中では比較的癖の小さい作品。世界観もボリュームも手頃で、あまりコアな安永ファンでなくとも気軽に手が出せる。
テンション上がりっぱなしの怪しげな敵が見所だが、どこが面白いかと問われると説明できない。面白いと思う読者だけにわかればよいというような突き放したギャグが魅力。
アニメ化されたこともあったが、あまり話題にならなかった。

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[投稿:2007-12-01 19:39:20] [修正:2007-12-01 19:39:20] [このレビューのURL]

作者を知ったのは「ぼのぼの」だったが、その後「しこたまだった」「BUGがでる」などを読み、あまりの作風の違いに驚いた。「もいじーちゃん」(ハンバーガーを食べると読める不思議な漫画)あたりを境に徐々に双方が融和され、ほどよく熟成されてきたのが最近の「ぼのぼの」だと思う。
当初の緩い雰囲気が好きなファンからは批判的な意見もあるようだが、私としては結構好きである。
惜しむらくは、笑いとしての濃度では休筆以前の先鋭さに到底及ばない。

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[投稿:2007-11-30 00:11:06] [修正:2007-11-30 00:11:06] [このレビューのURL]

川原泉は、短〜中編で最も味わいを発揮するのだと思う。本作も決して面白くないわけではないし、キャラも魅力的なのだが、なにぶんストーリーが説明的になってしまい、おとぎ話的な美しさに欠けるきらいがある。
ラオウには笑ったが。

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[投稿:2007-11-24 23:46:54] [修正:2007-11-24 23:46:54] [このレビューのURL]