「souldriver」さんのページ

総レビュー数: 110レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月21日

確かに手放しで賞賛できるものではないけど、それにしてもこの点数はない。
話題作であるが故にもともとこういうジャンルに興味がない人が手を出して「合わない」と感じるのは分かるけど、ここまで人気が過熱するのはやっぱり内容が伴ってるからであって、やたらと0点とか1点とかつける極端な評価はどう考えてもアンフェア。

…という僕も友達に薦められて読んでみたクチだけど、それなりに楽しめた。人物像はそれぞれ魅力的で人間らしく、同時に今にも壊れそうな危うさも感じさせられる。この表の強さと、裏の脆さをきれいに両立させるストレートさに感心。
カップリングがあり得ないという声も聞こえるけど、個人的には「まあこういうもんなのかな」程度にしか思わなかった。

一方でイマイチ読後の満足感が薄いのもまた事実。そしてどこか間の抜けたパンク解釈が目につくこともまた事実。
それでもやっぱり先が気になるし、後味も悪くない。十分完成度の高い作品だと思う。

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[投稿:2007-07-04 00:24:38] [修正:2007-07-04 00:24:38] [このレビューのURL]

少年誌の王道のような冒険マンガ的オープニングを見せたかと思えば、闇の世界や独自の設定の闘技場、さらにはネットゲームやオークションの概念まで。
いろんな世界を違和感なく料理して物語に組み込むセンスの良さはさすが。
あえて舞台を広げることで様々なエッセンスをまじえながら、読者に旅行をさせているような感覚を持たせようという意図も読み取れるし、全く飽きなかった。
念の設定も独特で、一元的な「力」の概念と操る人間によって様々な特徴を見せる「スタンド」の概念の良いところをうまく融合させたようで画期的。ときどき常軌を逸した変人が登場するのも作者らしくて良かった。

が、蟲編に入ってからどうもおかしくなった。
休載のことは抜きにしても、戦闘の駆け引きがどこか短絡的に思えたり、あまりの急展開にパワーバランスが崩れすぎてせっかくの念の概念が置き去りになってるような気がする。

ともかく、今後どう物語が進んでいくのか。気にしても仕方ないのが現実だけど、今の状態はどう考えても生殺し。ちゃんと続きを書いてほしい…。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-06-29 17:33:22] [修正:2007-06-29 17:33:22] [このレビューのURL]

重い題材をサクッと描いてしまうのがこの作品の魅力。

真面目で大人な性格のかずいと、無垢で子供な虎弥太。対照的な二人を中心として話は進む。
他人を不幸に陥れている人間をいとも簡単に殺していくかずいだが、そこにあるのは一元的な「善悪」の価値観ではなく、全ての現実を理解した上で自分が罪を引き受ける心だ。
最終的には全ての人物に救いが与えられているところに作者の優しさが感じられる。

作者の画力・構成力の未熟さゆえか、脇役の面々にあまりに薄っぺらな人物が多かったのは少し残念。期待していた次作はもっと残念なことになってしまったが・・・。

深読みせず、淡々と読んでいくと良さが分かってくるはず。
ジャンプ黄金時代末期の隠れた良作。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-06-23 00:51:19] [修正:2007-06-23 00:51:19] [このレビューのURL]

まず、この漫画にストーリー性を期待してはいけない。
初期の低年齢を意識したものから中期以降の大人っぽい作風まで、ストーリー自体に面白みを見出すことは一度もなかった。

よく雰囲気重視の作品だという評価が下されるが全くその通りで、先人への尊敬と愛を以て描かれる幻想的な世界観や遊び心に満ちたセリフ回し、独特の画の表現方法は古い叙景映画の手法に近いものがある。
ここに魅力を見出せるかどうかによって見る者の印象はがらりと変わってくる。

かといってオタク的なウケ狙いの要素が無駄に強調されている訳でもなく、あくまで作者の頭の中に存在する奇妙な世界の一片が豊富な知識よって自由に描かれており、大衆的な他の作品とは一線を画するものがある。
かなり低年齢層向けのボンボンという雑誌上でこの不思議な作品が成立していたことは今考えても奇跡としか思えない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-06-21 17:38:16] [修正:2007-06-21 17:38:16] [このレビューのURL]

このシリーズの魅力は奇妙な世界観であり、独特の絵であり、様々な方面へのオマージュである。この色合いは王ドロボウ時代よりも強くなったと思う。
ストーリーを楽しむ要素はかなり低くアクの強い作風なので、合わない人には何の魅力も感じられないだろう。

画力に関しては超一級品。あらゆる時代の美術や映画の影響を感じさせる繊細な線とトーンは、芸術品と見まがうほどの圧倒的な個性と美を放っており、高い次元で完成されている。
文学作品からの引用や言葉遊びを多様したセリフ回しや世界設定も見もの。オムニバス方式で様々なエピソードがその都度世界・時間軸を変えて語られるため、いろんな隠し要素を見つけることができる。
ただこれも分からない人にはちっとも面白くないかもしれない。

漫画としての評価は低いが、一つの作品として見たときの価値は高いのではないかと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-06-21 08:00:37] [修正:2007-06-21 08:00:37] [このレビューのURL]

丁寧な絵柄と、SFものの中でもリアリティーの高い世界設定によってどんどん読まされた。

当たり前のように人類が宇宙に行けるような時代になっても、人間の心の奥にある疑問は相変わらず
「愛ってなに?」
「人間ってなに?」
という普遍的なもの。

作者は主人公を通してこの問いに対しての一つの答えを導いているが…、うーん、個人的にはここまで踏み込んだ主題に触れてしまったのなら、もう少し練ってほしかった。
答えは人それぞれだとは思うし、作中でもその点はフォローされてはいるが、読み終えてみてどうもピンとこない気持ちが残った。

とはいえエンターテイメントとしても十二分に楽しめる恐るべき完成度の高さ。一読の価値あり。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-06-21 07:22:29] [修正:2007-06-21 07:22:29] [このレビューのURL]

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