「blackbird」さんのページ

総レビュー数: 185レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年03月31日

真面目にもほどがあるでしょうというような麻里と、バスケの事しか考えない武来君のながーいお付き合いのお話。
展開はモロ、純粋なる少女マンガです。

無口で、必要なことしかしゃべらない武来君、恰好いいとこも多いんですが、幾らなんでももう少し必要なことは話せよ!と言いたくなります。

誤解したり、武来の気持ちを考えすぎて行動できなかったり、自分を卑下して落ち込んだり、まあ同じようなところをぐるぐる回っているのですが、回りながらもゆっくり前に前に進んでいく健気さに、どっぷり浸かりたい気分の時はいいかもしれません。

イマドキはすぐにどうにかなっちゃう話が多いので、こういうゆっくりした恋愛を楽しみたい人におすすめ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-11 23:18:41] [修正:2011-04-11 23:18:41] [このレビューのURL]

不倫やら略奪愛やら、傷つく恋愛ばかりしてきたつぐみ。

一人で生きていくと田舎に引っ込んだ割には、ぐずぐずと過去に引きずられ、目の前にきた幸せを見ようとせず、いつまでも自分の事ばかり考えてしまう。仕事は出来るのに・・・ちょっと自分中心すぎてイライラする。

物語のクライマックスで言われた「あなたは自分がなんでも持っているから、人からもらうものを大事にできない」というセリフに、つぐみの不幸の原因が集約されている。

一方で、つぐみの祖母への思慕もかなわず、これまた一人で生きていくだろうと思っていた51歳の教授。思いがけずつぐみに恋することとなる。

しかし・・・パンツ一丁でうろうろする、図々しいただのおっさんです。
すごい枯れているようで(実際老眼鏡だし、体の線もおっさんくささばりばり)、結構枯れてない。いや、むしろ今の草食男子なんかよりもずっと生ぐさい。
自分の残り時間を思うと、突っ走れるものなのか。
突っ走っては照れたりひねくれたりして、その塩梅が面白い。

哲学者だからなのか、生きてきた年輪のせいなのか、親に捨てられたという過去をしょっているからなのか、ところどころでさらっと教授が吐くセリフが重い。これが過去にとらわれるつぐみの殻を、ゆっくりと一つ一つ割って行って、最後はぐいっと強引に。

なかなかやるじゃん、オヤジ。
今までにあまりなかったタイプの漫画でした。枯れセンにはたまるまい。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-04-11 23:01:30] [修正:2011-04-11 23:01:30] [このレビューのURL]

まさか聖徳太子をこういう風に描くなんて、誰も思わなかったでしょう。発表当時から相当なインパクトを持ち、それから何十年たっても、相当な読みごたえ。強烈な作品です。

ファンタジー、オカルト、同性愛、近親相姦、神に仕える者への愛。
この作者でなければ、まとまらなかったと思います。

また、死や魑魅魍魎を少女マンガでこんな風に描くなんて誰ができたでしょうか。
だんだんと死霊が近づいていって、帝を連れていくところなんて、本当に怖かった・・・。
魑魅魍魎と遊ぶところは結構かわいかったですが。

それにしても、すべてを手に入れた聖徳太子が、一番欲しいものは手に入れられなかった切なさといったら。
完璧な人間などいないのですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-10 16:10:00] [修正:2011-04-10 16:10:00] [このレビューのURL]

前半はノンナがミロノフ先生に才能を見いだされ、若い時から活躍したがゆえに、その作品のイメージに縛られ、亡命(古い!)するかどうか決断するまで。

後半は一転、怪しげな大人の雰囲気をもったピアニスト、ルービツとの関わりから、大人へ成長する悩み、プリマとして一皮むける様子を描く。

全体的に昔の少女マンガ全開。
ただ、バレエのライン、厳しさ、そして、プロとしてバレエを踊っていくものの成長を描いた名作の一つで間違いないでしょう。

後半ではミロノフへの恋愛感情の描き方も大きく変わる。
おそらく連載当時では、こういった恋愛、性的な内容の描写も、また、若干レズっぽい話も、衝撃的だったのではないかと思わせる。そこを思い切り描いたのはやなり山岸凉子ならでは。

ソビエト時代の話なので、ファッション的には何ともいえない前時代的。そこからも当時の世界のことがわかるでしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-10 16:00:44] [修正:2011-04-10 16:00:44] [このレビューのURL]

パソコン通信に残った、昔の庇護者の声だけを頼りに生きてきた孤独な大。
友達に心を明かせないのは、家族がいないということを隠して日本で暮らすためだった。

かたくなになった大の心を開いていったのは、友達だった。
難問も立ちはだかるが、何とかして大が今まで通りの日本での生活をできるように友達はじめ、弁護士や友達の家族などが手を尽くすところは、とても心が温まる。
特に、デリィの奔走ぶりと、偏屈に見えるデリィの祖母レディ・モートンの計らいには思わず笑みがこぼれる。

後半、大の唯一の身寄りのおばあさんとの深く暗い溝を埋める戦いは、心が痛む。これ以上大を傷つけないで、孤独にしないで・・・と願わずにいられない。
ラストは意外とあっさりと訪れるが、希望に満ちたエンディング。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-10 15:47:50] [修正:2011-04-10 15:47:50] [このレビューのURL]

「うおォン」「うん、これこれ・・・って、何がこれなんだろう」
「これは子供のころ嫌いだった味だ」

・・・と、心の中のつぶやきがいちいちツボに入る。

渋めのおじさんが一人飯で成功したり失敗したり。
一人で初めての店に入る時のちょっとした勇気や、酒飲みでない人が頼むメニューが難しかったりとか。
そんなシーンが何となくはまってしまう。

谷口ジローの細かい描写がまた、このあるような無いような内容に妙にマッチして、気づくと手にとってしまう、そんな不思議な一冊。

それにしてもこの主人公、よく食べるなあ。
渋いおじさんなのに、いくらなんでも頼みすぎでしょう、あり得ない頼みかたでしょうってとこもおかしい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-04-10 15:26:41] [修正:2011-04-10 15:26:41] [このレビューのURL]

6点 砂時計

見事な少女マンガです。

親の死が重く心に残って、彼に素直に飛び込めなくて、彼も支えきれなくて、気持ちはお互いに何度も行ったり来たり。

健全な生活を送れた人にはイライラするかもしれないけど、実際にこういうトラウマがある人は、なかなか消化できなくて、前に進めずに悩むのかも。そういう重さはよく表れていると思う。

「もういいかな」と思うのに、何となく「また読むかも」と、手元に残してあるというのは、何となく魅かれるものもあるという事なのかもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-10 15:16:50] [修正:2011-04-10 15:16:50] [このレビューのURL]

「わけわかんねー」という程の不条理ものではなく、ただ作者の感覚が合えばすごく笑えるギャグ4コマ漫画。くだらないけど、なんかおかしい。

愛すべきキャラが幾つかいて、何度となく登場する。
すぐ耳を狭いところに挟んだりする、切なそうに幸せを探すしあわせウサギが好きでした。

ツボにはまるネタが幾つか忘れられない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-08 17:02:18] [修正:2011-04-08 17:02:36] [このレビューのURL]

きしんちゃん、人気あったなあ。
凍っていたきしんちゃんの心が愛子のピアノで溶けていって、何度涙を流したことか。

冷たいと思っていた愛子のお母さんの本心が見えて、愛子も変わっていく。
子供は愛されていた、と感じるだけで変わる。

この頃の作品は、ところどころ古いなと思いますが、色あせませんね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-07 16:56:11] [修正:2011-04-07 16:56:49] [このレビューのURL]

「ド」田舎に都会の男の子が引っ越してきた。
受け入れ側の田舎の子達の反応がいちいち面白い。
都会っぽさに憧れを持ちながらも、何となく見下されたような、自分たちの田舎を否定されたようなそよちゃんの複雑な気持ち。
さすがくらもちふさこですねぇ。

初恋云々もだけど、思春期の頃の親の鬱陶しさとか、面倒臭い友達関係とか、新しい生活環境へ踏み出す勇気とか、すごく上手に丁寧に描かれています。

絵がかなり変わってきた頃の作品なんで、特に後半では微妙ではあるんですが、作品力としてはすごくひきつけられます。

そよちゃんのお母さんの胆のすわり方がすごい!と思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-04-07 16:51:16] [修正:2011-04-07 16:51:16] [このレビューのURL]