「blackbird」さんのページ

総レビュー数: 185レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年03月31日

この作者はたくさんの短編を描いていますが、決してハッピーエンドばかりではないんですよね。
ほわっとした雰囲気、付き合い始めたころの暖かい雰囲気の幸福感に包まれているかと思えば、そこにふっと辛い現実や別れが訪れることも。

「積極」では、辛い現実が主人公に訪れますが、何故か最後には明るい日差しが見えるような結末と感じました。

青林檎に込められた教授の想い。
ところどころにクスリと、かわいらしい笑いを取り入れながらも、最後にぐっと掴まれます。

残り二作は、どたばた、ちょっとコメディっぽく楽しめる作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-14 23:02:51] [修正:2011-04-14 23:02:51] [このレビューのURL]

やられた、という感じの短編集。
ぎゅっと掴むのがうまいですね。

「クーベルチュール」でも「ちはやふる」もですが、
この方は年配の方やちびちゃんを描くのがとても上手。
年配の方のセリフが響きますね。

なかなかこういう技量をもった人はいないので、
ただの少女マンガとはちょっと違う厚みを与えてくれるのではないでしょうか。

これを読んでから鳩サブレの袋を見ると笑ってしまいます。ふふふ。

この人はいろいろあったみたいですが、この作品で復活し、「ちはやふる」で晴れの舞台に上がりました。実力はあると思うので、頑張ってほしいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-02 00:50:58] [修正:2011-04-14 22:48:06] [このレビューのURL]

10点 SWAN

数あるバレエ漫画の中でも、代表的な名作と言えるでしょう。
ただの熱血スポ根でも、サクセスストーリーでもありません。
バレエとは一体何か、バレエの魂、バレエに魅かれてやまない人達、
表現する感情、クラシックとモダンの表現の違い、作品・役の解釈、
そして、真のパートナーと恋愛・・・と、実に深くバレエ世界の事が掘り下げられている。

その為内容的には若干難解で、バレエが総合芸術であるという事はわかっても、本当にその意味を、この少女漫画の読者が理解できたのか、わかって読んだ人がどれだけいたのかは分からない。
それ程までにバレエと真剣に向かい合った作品。

絵はとにかくきらびやか!
お花が飛んだり、コマぶち抜きでひらひら飛ぶような少女漫画の古典。
青ざめて白目をむくわ、口は大きいわ、下まつ毛がびっちり描きこまれて
怖いわ、日本人離れした金髪巻き毛やストレートのロン毛にすごい長い脚。
しかも、登場人物は大半がティーンエイジャーですよ。
物語が終わった時でも、おそらく20歳位。なんて大人!!
ソ連の人とも言葉はすぐ通じちゃうし、レポートまで書いてしまう。
そんな設定だけど、一度読みだすとSWANワールドにどっぷりです。

前半は半端な教育しか受けていない真澄が、超エリートコースへ抜擢され、
躓きながらも厳しい試練を乗り越えて、才能の片鱗を現していく。

後半はNYに舞台を移し、ルシィとの激しい愛と踊りを追求する心の間に揺れ、そして本当のパートナーを見つけていく姿を描く。

最初から最後まで、ぶつかって傷だらけになりながら試練を乗り越えて
少しずつ成長していく真澄。
いつも泣いて誰かに甘えようとしているようだけど、その芯の強さが周りを魅了してやまない。

病に冒されて真澄の愛を独占しようとしたルフィ。
真澄と深い因縁のある、師弟とも恋愛ともいえない、微妙な関係のセルゲイエフ。
恋愛感情を持ちこまないと決めた故に、なかなか真澄と公私ともにパートナーになれないレオン。
断られてもなお、ずっと真澄を見つめ続ける葵。
どの男性も魅力的です。(もちろん女性陣もすごいんですが)

なんと2011年には、続編としてSWANモスクワ編が開始。
「アグリーダック」の再演からどこまで描かれるのか。レオンや先生との関係もきちんと明かされるのか楽しみなところ。
また、真澄の娘のバレエ生活を描いた「まいあ」もあり、それぞれの時代をきちんと繋いでくれるのか、ファンは心から期待している。
絵柄は、かなり丸くなっているので、雰囲気は柔らかに変化しているが、厳しいバレエの世界を描く姿勢に変わりはないようです。

こんな稚拙なレビューでは、とうてい書ききれない作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-13 23:19:43] [修正:2011-04-13 23:19:43] [このレビューのURL]

「ダンシング・ジェネレーション」の続編。こちらではダンスの世界に飛び込んだ本編よりも愛子と慎、神崎の恋愛がメインのテーマ。

厳しい師弟関係と思っていた愛子と神崎。
新聞に二人の間のLOVEを揶揄されて以来、愛子の歯車が狂いだしてしまう。神崎の元で踊ることの息苦しさはそのせいだったのかと。

慎は早々に神崎の元を離れていたので、愛子はますます不安定に。そしてとうとう神崎の元を飛び出し舞台に穴をあけてしまう。
ここはまさに少女マンガ。現実ならあり得ないでしょう。ダンスと恋愛がぐっちゃぐちゃ。まあ、そういう子供っぽいところが愛子らしいところでもあるんですが。

一時期バレエの舞台から干され、ようやくブロードウェイのダンスミュージカルに生きる場所を見つけ、新しい舞台人生を歩み始めたところ、彼がやってきます。
「決着をつけるために」、神崎が。
弟子に逃げられてぼろぼろ。いや、女性に逃げられてしまったからと自覚したからなのか。とにかく昔の面影など無いほどにぼろぼろ。

もう逃げられない愛子。絶対に恋愛ではないと必死で否定していたのだが、とうとう神崎に向き合いかけて・・・・
と思ったら、最後の最後で、愛子はするっと神崎から逃げてしまう。

この時に神崎とどうにかなっていたら!神崎ももう少し強引に奪っていれば!と思わずにいられないけど、少女マンガですからここはやはり怪我をした慎の元に戻っていくという安定したエンディングへ。

当時は「神崎<慎」だったので、これで良かったと満足していたけど、今読み返すと、大人の神崎にも頑張ってほしかったなあと思ってしまったりも。
神崎、つめ甘すぎ。厳しいのに優しすぎ・・・。
でも、それだときっと、いつもいつも愛子は不安の中で踊る事になるだろうから、まとまらないんですけどね。

それにしても、NYの看板ミュージカルの主演4人のうち、日本人が3人なんて事は現実的には無いよなあなんて子供ながらに思ってました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-04-13 09:43:40] [修正:2011-04-13 15:58:54] [このレビューのURL]

シナリオライターの小鳥遊(たかなし)ケイのところに、突然見知らぬ女の子・ニコがやってきた。
ニコは、ケイがその昔マネージャーをしていた女優美冬がひそかに産み落とした女の子。その事実を知っている数少ないケイに、しばらく面倒を見てほしいといきなりよこしたのでした。

最初こそ全く打ち解けず、ほとんど口もきかないニコに、そっけない応対をしていたケイ。しかし、交換日記で問いかけた何気ない質問に、あまりにも寂しい答えを殴り書きされて、はっとニコの孤独に気づきます。このニコの3行は泣けます。この作者はこういう切ない子供の心情を描くのが上手ですね。

ここから急激に二人の関係は変わります。血の繋がりはないけど、一人の人間として、距離を持った関係が積み上げられていきます。よく世間で起きている親子の事件、虐待などを考えると、血の繋がりって何だろうなと思ってしまいますね。

そこに晃太郎が出現。ケイがニコを選ぶのか、晃太郎を選ぶのか。ここはやはり「男前」なケイ。思い切った選択です。

最終的にはニコの出生問題が発覚して、3人の関係は一気に変化します。何とかハッピーエンドに!!と願わずにはいられない、暖かな物語です。

なぜか後半に晃太郎が出てくるころには、絵のタッチが全く変わってしまいましたね。前半の晃太郎が好きだったので残念でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-13 15:57:29] [修正:2011-04-13 15:57:45] [このレビューのURL]

音楽系のお話ではありません。
お話の中の言葉で表現すれば「リアル・ファンタジー」です。

平たく言ってしまえば、シングルマザーと娘の心温まるお話で、そこにスウと豊上さんとの恋愛話が展開する。育児漫画といえばそうかもしれないが、リアルなようでリアルではなく、ファンタジー。

実際あの若さでシングルだったら、あんな立派な家には住めないだろうし。
でもそんな事はどうでもいいのです。

スウとのんのんの楽しいやり取りや、思い出に生きたい・でも新しい恋をしたい、そんなスウの気持ちに揺られながら読み進み、読んだ後は優しい気持ちになれます。

豊上さん、格好良すぎでしょう。こんな人がいたら誰だって惚れてまうでしょ・・・そこもファンタジー。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-13 15:31:36] [修正:2011-04-13 15:34:04] [このレビューのURL]

せっかく面白い切り口で、話も絵も楽しめるのですが、
入り込めたのは6,7巻位(文庫本)までだったでしょうか。

残念ながら、私の理解力が落ちたのか、その後はストーリーの組み立ても、時間や場面の設定も、キャラたちのかき分けもわからなくなってしまいました。絵もかなり乱れてきた感じが・・・。

ただ、尾白と尾黒のコンビと、気まぐれな青嵐は大好きですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-13 00:08:39] [修正:2011-04-13 00:08:39] [このレビューのURL]

70年代の作品というのに色あせない名作。もう30年以上経っているなんて信じられない。

中学、高校、浪人時代、いろいろな悩みにぶつかり、人間関係に悩み、恋に悩む等身大の女の子に、どれだけの子が共感して泣いただろうか。

無口で、でも本質を見抜いてて、やることはちゃんとやる線のかっこ良さ。
くらもちファンの間では、この作品の線と「いろはにこんぺいと」の達と、どっちがかっこいいかって、1,2を争ったものです。
くらもちさんが描く男の子ってなんでこんないい奴が多いんでしょう・・って、女の子の理想だから現実的にはいないんですがね。

でもこの作品の人物で忘れてはいけないのは立川先生です。
嫌われ者だけど、悩む加南に、さりげなく「自信のあるところと無いところがバランスよくある人間がいい」、という「てんびんばかり」の話をしてくれます。多感な頃に、こういう話をしてくれる先生に出会えるなんて幸せなことだと思いますね。

蛇足ですが、登場人物の名前が、都内の駅や電車にまつわるのが面白い。
大体「線」だし。
他にも国分寺やら立川やら荻窪、四谷・・・こういうちょっとしたところもいいですね。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-04-12 18:39:46] [修正:2011-04-12 18:39:46] [このレビューのURL]

幼馴染って、家族ぐるみでの付き合いもあったり、思い出があったりで、なかなか恋愛に発展しづらくて・・・

告白してダメになって全て失うなら心の奥にとどめておこう、という、もう、本当にベタなシチュエーション。

どちらもうじうじうじうじ・・・
最後の最後は本当にいい加減はっきりすればいいのに!!と、ちょっとイライラしました。
でも何となくみちるの家族や、登場人物のほのぼのした雰囲気で、嫌な印象はない。亮平も、モデルをやるほど恰好良くて恋愛慣れしてるのに、みちるだけにはやたら弱いし。

周辺の人物たちのオムニバスの続編もあります。こういう風に、人物キャラの設定がしっかりしているといいですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-12 16:23:32] [修正:2011-04-12 16:23:32] [このレビューのURL]

一匹狼的で、天才肌の高刀柾は、バスケ部で活躍するけど何となく浮いた存在。
でも年上の可奈子にはからかわれているような、大人っぽく見せてしまうような、ナイフのような危うさも見せつけ、男子高校生のアンバランスさがとても上手く描かれている。

柾も可奈子も、また三角関係になるアキラも、大人っぽくあり子供っぽくあり、みんな不完全で魅力的。

作品全体的に、シリアスになりすぎず、何とも言えない味のある高刀家の騒動や家族達の様子が、いい笑いのスパイスを添えている。

後半の加奈子の手術と、バスケの試合のクライマックスは、緊迫感があり引き込まれます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-12 16:15:41] [修正:2011-04-12 16:15:41] [このレビューのURL]