「columbo87」さんのページ

総レビュー数: 284レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年04月28日

ノーランのダークナイトの原点となった作品。
イヤーワンの後にあたるストーリーで、ファルコーネファミリーの回りで起こる、「ホリデイ」による殺人事件に、バットマンやゴードン、デントらやり方は違えどもゴッサムを信じるものたちが挑む。
重厚な空気感の中で語られるゴシックミステリーといった面持ちであり、いわば推理小説をバットマンと言うプラットフォームを用いて視覚化したものである。見事なのはその構築、世界観の融合の妙であり、仮装男やフリークスらの存在という、ともすればナンセンスギャグとなってしまいそうなものを逼迫した緊張感で繋ぎ止めている点である。
本作は明らかに子供向けの作品ではなく、(バットマンの文脈をある程度とらえている)上の世代まで読むに耐える内容となっている。
主軸はデントとバットマンにおいて語られ、最後には皆が知るように悲劇を迎える。
それだけに冒頭から独白的に語られるブルースの言葉がなんとも切なく胸に残る。ブルースはゴッサムを、デントを信じていた。いや、今でも信じているのだ。それゆえ彼は今作でらしからぬミスをおかすのである。

決して勧善懲悪的な読後感を得られるわけではないが、名作と呼ばれるに値する幕引きと謎とを我々に与えてくれる。



ただ上下巻で6700円は高すぎやしませんか?

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[投稿:2011-09-20 15:14:22] [修正:2011-09-20 15:26:27] [このレビューのURL]

書道漫画つーことで、なんか地味だなと思ってたのですが非常に面白い秀作でありました。
文化面の学習要素も結構興味深く、なおかつ飽きさせない程度の少年漫画的な展開、恋愛模様など、このあたりはなんとなくあだち充的な作風ですね。初期ライバルっぽかった勅使河原君の扱いとかも。

正直もうだらだら恋愛関係ひっぱってく漫画には飽き飽きしてはいるのですが、作中で日本人は恋愛の歌が好き?みたいなことが語られていましたので、そのあたり、書道での精神面的な部分、表現力を主人公が身に着けていくという狙いなのかなーと思うとなかなか興味深く今後の展開を見ることができそうです。

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[投稿:2011-09-11 21:50:20] [修正:2011-09-11 21:51:47] [このレビューのURL]

連載時期としてはリバース後にあたる、オリジンを書き直した作品。なるほどそれでリバースのが先に邦訳されたのか。
長期シリーズだけに設定を変えつつのオリジンは3度目ということで、アメコミの特殊性が伺えるところ。
人物の関係性を描くのが非常に巧みな作品であると感じた。アビン・サーとシネストロ、そしてハルの師弟関係、恐怖を克服し、与えられた力をいかに使うのかを解くシネストロの姿は驚き。というか普通にいいやつじゃねーの、反発しながらも認め合っていく仲というのは実に少年漫画的。
ハル・ジョーダンという人間についても、母や兄弟に対する責任、父の仇と怒りの対象にしていたフェリス親子との決着の仲で成長していく様が清清しく描かれており、彼の魅力を引き出していると感じた。
ブラッケストナイトに繋がる伏線やいまだによくわからないキャラのヘクター・ハモンドとの因縁を残しつつ三部作映画の一作目のような感じで完結するシリーズ。非常に読みやすく、邦訳グリーンランタンを初めて読むならこれが一番であろう。

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[投稿:2011-09-09 12:10:35] [修正:2011-09-09 12:10:35] [このレビューのURL]

最近読み返した。当時はエログロが受け付けなかったが衝撃的ではあった。

管理社会の怖さとか、人間の尊厳とか恐ろしさ、結構色々描こうとしている、どれも案外素直な描き方で好感が持てるが、このテーマならもっとエグくしても良いのではないか。ユートピアの話もありがちでは?
大体が生理的心理的なものとして個人レベルで問題描写を完結しているのは少しもったいないように感じる。まぁ作者の人間性か。

ラストも駆け足で終わったが、世界観などが個人的に好みなのでまぁ良し。

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[投稿:2011-08-23 13:48:07] [修正:2011-08-23 13:48:07] [このレビューのURL]

歴史活劇として非常に完成度の高い名作。
善悪どちらともつかない人物描写には好感が持てますし、物語の重厚で、それでいて偶に驚くような裏切りのある部分が魅力的である。
ヴァイキングらと海賊兼傭兵とかしていたときが結構すきだったので、奴隷になった今どういう風にカタルシスをくれるのかなーというところ。プラネテスの時みたいに過度に精神的な面にいってしまうのだろうか、まぁこの話にはそれに見合うバックボーンがあるので許容できますが。

クヌートの劇的な変化の描写はちょっと微妙、これから悪役にされそうな雰囲気ですな。狂王としては描いてほしくないところだがどうなるか。

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[投稿:2011-08-23 13:32:47] [修正:2011-08-23 13:32:47] [このレビューのURL]

連載時に思っていたより話が長くなったので途中で読まなくなっていましたが、最近読み終えました。だいたい想像通りの良い終わりかたをしてくれたので満足。
当時はシリアス展開で急にはさまれるギャグが度を越えているという批判が結構ありました。
作風として楽しめるかどうかで評価が分かれるのでしょうが、ギャグがないとこれはだいぶ暗すぎる話になってしまうのではないかしら。


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[投稿:2011-08-23 12:50:37] [修正:2011-08-23 12:50:37] [このレビューのURL]

浅野りん先生というとドラクエ4コマ出身の短編漫画家というイメージ。

PONキマは学園ギャグとしても良作で、ほどよいファンタジーテイストとぬるい世界観が絶妙にマッチしています。非常に少女漫画的ですので新鮮に読めました。

キマイラという存在やシアンたちに対して異常なほど適応力があるクラスメイトや、逆に研究対象としてしまうマッドサイエンティストな高校生など、個々のキャラクターが魅力的で、描かれ方も毎回綺麗にまとまっています。
赤面しちゃうラブコメ展開も絶妙にギャグっぽくてよし。

天上界などもっと広げて展開する余地もあったと感じる。うる星のように延々と長引かせることもできたのでは・・・

短編で冴える作風ですが、ものたりないというかもっと読みたいと思わされる漫画です。

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[投稿:2011-08-23 12:07:24] [修正:2011-08-23 12:07:24] [このレビューのURL]

藤子先生は短編集がすばらしいなんてよくいわれますが、本当そうですね。
それまでと毛色が違って、実験的で自由でバイタリティにあふれたものばかり。

この短編集はどれも心理的にグロテスクな感じで不安にさせる作品でした。
大人って醜いわ!いやよ!

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[投稿:2011-08-10 14:32:59] [修正:2011-08-10 14:32:59] [このレビューのURL]

タイムトラベルをしながらそれぞれの時代のなかで結構壮大に冒険をする。
そんなに長い作品ではないですがヒロインの代替わりがあったりする珍しさ。
時代ごとの想像力豊かな展開にわくわくしたり、結構危険なミッションにハラハラさせられたりする。一回死んじゃうところは結構怖い。

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[投稿:2011-08-10 14:28:12] [修正:2011-08-10 14:28:12] [このレビューのURL]

島本先生の傑作ギャグ。勢いが物凄く、全てが力技で無理やり笑わされてしまう。結構こっぱずかしい恋愛ざたも描いてるが、燃えよだったか吼えろペンでは本当に恥ずかしがっていた。アレはギャグでやってんのかと思ってたがマジだったのだろうか?それはそれで面白いが。

後半は微妙、なんとなく高橋留美子色があった。学園ギャグものだからかな。

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[投稿:2011-08-09 16:28:51] [修正:2011-08-09 16:28:51] [このレビューのURL]