「shun」さんのページ

総レビュー数: 60レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年07月14日

[ネタバレあり]

内容的には、監督主役の野球漫画で、初めて見るタイプであった。
主人公の過去や、部内のメンバーのストーリーは引き込まれるものはあったが、
比較的淡々と物語は進んでいく。この印象は浦沢直樹作のHAPPY!に似ている。
予定調和のように展開し、ある程度のところで着地した。
エースの強さに根拠が足りず、ご都合主義のように感じ、魅力不足だった。
選手が主人公でないせいか、心理描写・キャラの掘り下げに物足りなさを感じる。

描写は野球漫画に不足なし。だが個人的には熱さが足りず、のめり込めなかった。

物語の展開は先が気になる内容で、楽しく読めた。
ただ、後にまで響く構成とは言えず、面白いのに残らないという、いまひとつの印象のまま終わってしまった。
うまく行きすぎたような、山も谷もなかった様に感じた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-11 14:09:21] [修正:2014-12-11 14:09:21] [このレビューのURL]

6点 女帝

[ネタバレあり]

成り上がりストーリーとして、かなりご都合主義といえる内容だが、それぞれの物語に爽快感があり、
痛みを感じつつも、女帝の手柄にという落とし所は、毎回上手いと感じさせられる。
お世話になった人が死んでいくのは、かなりパターン化してきたが、
それで無理やり次のステージへ移行しているので、仕方のないところか。

連載時期よりもさらに古臭く感じる絵柄だが、大人の読み物としては適していると思う。
掲載誌の問題か、見たくもないサービスカットが多々あり、マンネリ感を増している。
女性の描き分けも問題ないが、華やかさは現代の漫画からすると劣る印象を受けた。

後半は物語を進行させるネタがなくなっているのを感じる。
父親関連の話は、さすがにドラマチックすぎてリアリティに欠けたが、
物語を終わらせる為には、あのくらいの山があってよかったと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-11 14:07:39] [修正:2014-12-11 14:07:39] [このレビューのURL]

5点 嬢王

夜の世界の描き方にリアリティがなく、ヒロインが純真且つ不自然に汚れなさすぎる。
うまく行きすぎている成り上がり感で、ある程度の爽快感はあるが、ふと冷める時がある。
作品としてのテーマが特にないように思え、主人公や彩に魅力がない。
彩が特に大きな努力もなしに、天然の魅力で客を得ていく所は、もう少し捻れなかったものか。
彩がすごく偽善的で、物語に入り込めない。

彩を含み、女の子はみんな可愛く描けていて、画の魅力はある。
画の力で読ませる力はある。

しかし内容は、過去の漫画の一部を切り取り現代版にしたような印象。
女性たちの権力争いに特化したせいで、その他の面白みもそぎ落としてしまった様に感じられ、
しかも彩はそれに固執しているわけではないという滑稽さ。
もっと彩を俗物的に書いたほうが、より魅力的になったと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-11 14:06:45] [修正:2014-12-11 14:06:45] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

グロテスクな描写を娯楽として受け止めれる数少ない作品。
基本的には異常な性癖やトラウマを持つ登場人物たちの活躍に焦点を当てた内容だが、
敵である垣原の異常性が右肩上がりに上がっていき、この世界では異常性=強さであることから、
最強の敵となって物語の柱となった。敵ながら魅力的な第2の主人公と言える。
最強のMだから強い、というのは理屈は通っていないが説得力が十分にあった。

主人公は、トラウマと現実の融合による悲しみとも言える憎悪が強さの裏付けとなっていくが、
その描写の変質性は作品に引きこむ力が十分にあり、読者はコンダクターであるおっちゃんとともに
イチと垣原の接近を楽しみに読み進めることとなる。
緊迫感と期待で最後まで読ませてくれた。

画力は高く、変態性が損なわれず描写できている。
他では見ないようなサド描写やマゾ描写は、耐性がなければキツイが
人間の秘部を見たように思えて痛快。

構成は見事の一言、歌舞伎町の異常なビルを舞台によくまとめあげたと思う。
終盤はここまで濃いストーリーを展開した割に、あっさりとした結末。
ドギツい読後感がなく、この作品にあったラストだと感じた。

良質なキワモノ作品として、いつまでも忘れないだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-11-06 18:13:57] [修正:2014-11-06 18:13:57] [このレビューのURL]

4点 1/11

ひとりの少年のエピソードを中心とした。サイドストーリー、ショートストーリーの集まりになっている。
便宜上その少年が主人公となっており、時系列を無視した構成である。
個人的には主人公のエピソードはあまり印象的でなく、そのまわりにいくら肉付けしても、
インパクトが薄いことに変わりはなかった。

主人公に魅力があまりなく、活躍しても溜めがないのでカタルシスがない。
内容が少年向きなのか、あまり引き込まれないまま終りを迎えてしまった。
主人公の性格や経歴、そしてストーリーが、中学生の妄想のようで恥ずかしさがある。

ひとつひとつのエピソードで思うところも多少あったが、印象が弱い。
画も必要十分のレベルで凡庸。引き込まれるような燃える展開か、
もっと感慨深くなるようなストーリーがあればなぁと、あと一歩の作品だったように思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-11-04 10:27:22] [修正:2014-11-04 10:27:22] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

1巻は確かに面白い展開だったと思う。タイムリープするという設定はよくあるが、
3年前応援団に絡めたifストーリーが展開されそうな所は、先の展開が全く読めず楽しめた。

しかし、主人公の成長の無さと、意味のないタイムリープ体験者の追加とその効果のなさ。
せっかくの題材を自分で台無しにしてしまった印象が強い。
主人公がヘタレなのはよくある話だが、進歩がなく同情もできず怠惰で情けないとあっては、
全く感情移入も出来ず、応援もできない。そして主人公が活躍する場面も説得力がなく、
すべてがご都合主義。ほとんどのキャラが安定しておらず、こちらの思うように話が進まず、
予想がつかない面白さとは違い、悪い意味で期待を裏切るキャラクターたちになってしまっている。

画は話にあっていて問題無いと思うが、主人公の魅力の無さが最後まで響いた。

連載ペースに合っていなかったのか、まったく構成が練られているとは思えず、
前後3話分くらいしか考慮されていないように思う。

主人公は、行動できない→でも認めて欲しい→思い切って行動する→すぐにやる気が無くなる→(無限ループ)となり
葛藤や停滞に共感ができず、とてもストレスの貯まる漫画であった。

読者の期待通り、主人公を覚醒させ、応援団を盛り上げて最悪の結末から逃れられるという展開にしても良かったのでは?
あえて外すにしても、何か意味を持った展開にして欲しかった。
モラトリアムを見せられるだけの漫画はもうたくさんです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-10-01 15:00:25] [修正:2014-10-01 15:00:25] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

序盤は31歳と10歳のお互いの足りない部分を補うような、高めあうような、
二人の成長を見守るストーリーになっており、いかに心を開くか、
依存しあうかの関係性を構築していくさまは面白い。

しかし、ヒロインの同級生達との一方通行ばかりの恋慕は、どうしようもないだけで
進展もなく、ただ心のすれ違いを描くしかなかったように思う。

終盤、ヒロインが中学生・高校生になり、女性として扱うがゆえに
何も出来ないという展開に陥るが、その他の登場人物が真面目すぎて
何も起こらず、そのままヒロインの母の問題を解決することで収束に向かうことになった。

当初ここまで長くするつもりはなかったそうだが、まさにそのとおり
中盤はただ長引かせるだけの展開になっている。
つまらなくはないが、ただこの世界を長く味わっただけという印象。

個人的には、31歳の主人公は現実味が少なく、少し冷めると気持ち悪く感じる。
31歳と10歳の恋というのも、少女期は純粋なものに感じたが、
37歳と16歳の恋となると、別の意味が混在し気持ちが悪くなってくる。
終盤駆け足だったのは正解といえる。

ヒロインはだんだんと成長していくのに対し、主人公はずっと31歳の容姿や中身のままで、
非常に停滞感を感じたが、ヒロインの可愛さで終盤まで読むことが出来た。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-09-30 12:00:00] [修正:2014-09-30 12:00:00] [このレビューのURL]

5点 LOST MAN

サッカーと、その裏にあるビジネスを扱った作品。
サッカーの試合部分に関しては、問題なく面白くかけている。
しかし、主人公のキャラクターの魅力があまりにもない。
全ポジションをこなせる(GKも含む)、フィジカルが強く決定的なパスも出せる。という
能力的には素晴らしい選手だが、その理由が漫画の都合としか思えず、
しかも実力の裏付けが全くない。記憶喪失という設定に甘え過ぎだと思う。
少なくとも、主人公の成長物語ではない。

この主人公の設定により、サッカー漫画ではなく、
サッカーにまつわる裏社会ビジネス漫画として読むことにしても、
第二の主人公である坂崎の狙いも弱く、悪役もそこまで魅力的ではないため、物語に引き込む力が弱い。
特にイングランドで主人公と袂を分かち別行動となってからは、それが顕著。
淡々と裏社会のやりとりを見せられる気分になった。

作画に関しては、安定した画力でサッカー試合描写はうまく描けている。
試合以外のパートも、ヒロインの女の子を使いそれなりに描けてはいる。
しかし作者の過去の作品にあった、物語の展開とともに盛り上がりを見せた作画と比べ、
すべて手のひらの上で転がしたような、手堅い印象を受けた。

全体的なストーリーは、説得力に欠けご都合主義だが、試合部分が面白いため
ところどころ楽しめるポイントはある。
しかし、キャラクター設定とストーリー構成がもうひとつ足らないため、全体としてはB級。

サッカー部分は面白いので、主人公の成長物語として読みたい欲求が出てくる。
おそらく違う角度からサッカーを書きたかったんだろうと思うので、
一作品まとめあげた努力は認めたい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-09-21 14:05:21] [修正:2014-09-21 14:05:21] [このレビューのURL]

5点 焔の眼

[ネタバレあり]

主人公沙羅がひどい目にあっているところを、クロという怪物のような人物の暴力で
カタルシスを得る漫画。対象がクズのような人間のため、罪悪感は全くない。

その状況を作り出すためだけの構成としか感じられず、正直ストーリーは底が浅い。
主人公が逆境に追い込まれ、クロが登場し、すべてを捻り潰す。その繰り返しであった。
そこに理由も背景もなく、ただそういうキャラクターなのだということを受け取ることしできない。

画は少しクセのある丸みを帯びたホラー調で統一感はある。若干の画の気持ち悪さが世界観とあっている。
全体的に上手いとは言えないが、作者が書きたい破壊の描写は気持ちが入っているように感じた。
作者の書く女性に不思議なエロティックさがあり、魅力的に感じた。

荒れ果てた世界観の中で生きる主人公に、ドキドキさせられた部分はあり、
世界観にのめり込ませる力はあると思う。
あとはクロの強さの裏付けであったり、終盤の主人公の覚醒の説得力などあれば、
読後感がもっと良くなったかと想像する。

とにかく深い意味は考えず、少女が危ない目にあいかけるところを楽しめ、
破壊の描写でカタルシスを得れるようであれば、楽しめる作品なのではないか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-09-03 13:58:25] [修正:2014-09-03 13:58:25] [このレビューのURL]

前作燃えろペンに比べ、だいぶファンタジーフィクションに寄せた内容となった。
特に前半は迷走しているのがよく分かる。迷走していながらも一定の面白さを保っているのは作者の実力。
無駄な大ゴマや見開きがあるが、個人的には面白さの一つとなっている。

屁理屈を熱さで突き通す熱量は、作者もホントにそう思っているんじゃないかと感じさせ、作品とは別の角度で面白い。
しかし月間連載ということも有り、1話で起承転結を繰り返す内容は熱さも伴い胸焼けしてくる。
さすがに食傷気味になってきた所にライバルキャラが出てきて、一気に盛り上がりを見せた。

終盤は連載を集結させるために無理やりまとめた感もあり、少し消化不良ではあったが全体として楽しめた。
しかし、激アツ激辛の珍味なようなもので、好き嫌いは分かれると思う。

画は現在では珍しい入り抜きしっかりした書き筋で、筆や効果を巧みに使っており非常に濃い。
多少古臭さは感じるものの、デフォルメから写実的まで幅広く描写ができて漫画が上手い。
漫画の描き方が理論派で、色々計算して書いてあるのが作中からも画からも読み取れる。

作者の漫画への愛が大いに感じられるこの作品は、漫画読みとして感慨深いものがあった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-08-29 16:59:31] [修正:2014-08-29 16:59:31] [このレビューのURL]