「shun」さんのページ

総レビュー数: 60レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年07月14日

ヤンキー漫画は普通の漫画を見る回路とは違う回路で見なければいけない。

すべて、「ヤンキー漫画の中では」という前文句がつくが、
画は最先端を行っていて、見やすさ迫力では申し分ない。世の不良が憧れるのもわかる。
キャラクターの魅力や世界観も、作者の思うカッコイイ像が一貫しているためブレがない。
話が進むごとに、周りのキャラクターの魅力が出てきて、話に厚みが出てきた。
作者イチオシのバンドのアピールには辟易したが、それも慣れれば暖かい目で見れた。

作中のキャラの強さには裏付けは全くないが、根性と覚悟で全て納得させる
作者の思いの強さを受け入れる事ができれば、素直に楽しめると思う。
ある意味これも雰囲気漫画か、熱さや不良的なカッコよさを感じるには十分な作品。

しかし決して冷静になってはいけない。カッコイイ言葉や人物が一気にスカした言葉や野郎に成り下がる。
どれだけこの世界に入り込めるかの想像力か、素直に受け入れられる空っぽの頭があれば、楽しんで読めるはず。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-08-06 11:48:13] [修正:2014-08-06 11:48:13] [このレビューのURL]

6点 結界師

全体としてはまとまっているが、設定の面白さに作者の器が応えきれなかった印象。
前半、だんだんと面白くなる展開に読者のハードルが上がったのかもしれない。
主人公の凄さの表現が、「淡々とやっているけど、実はスゴイ」で留まり、
誰が見てももの凄い実力。という表現ができなかったのが残念。
能力の性質上難しかったと思うが、わかりやすい必殺技的なものが欲しかったところ。

キャラクターデザインも地味で、ヒロインも少しは可愛いが、落ち着きすぎて物足りない。
動きや構成は問題ないし、話だけがまとまっていて、あとは画力と迫力さえあれば、というところ。
中盤から終盤にかけて、大きく盛り上げることができれば、名作になりえたかも知れない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-08-06 11:08:50] [修正:2014-08-06 11:08:50] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

主人公が競艇を知らないところから、読者とともに競艇を学んでいく流れは秀逸。
序盤は主人公がスーパーマンすぎず、中盤からかなり主人公が目立っていくが、
モーターの当たり外れや、ベラグループの師弟関係で、競艇の難しさがわかり、
怪我の展開を入れることで、競艇選手の奥深さをうまく表現できたと思う。

終盤、賛否両論の恋愛要素が混ざるが、メインヒロインの魅力をうまく表現できてないので批判は必至。
しかし青島とくっつけても遺恨が残る。
エピソードが少なすぎて、思い入れが少なくなってしまった。
あのラストにするには、最後のレースの役者を揃えるために蒲生のくだりを入れるよりは
メインヒロインの深堀りを入れても良かったのでは。

しかし競艇をこの漫画で知り、実際の競艇に興味が出た人も多いはず。
それだけでもこの漫画を評価する価値がある。
盛り上がり箇所も度々あり、全体として楽しめる競技漫画であった。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-08-06 10:55:12] [修正:2014-08-06 10:55:12] [このレビューのURL]

ジャンプの低迷期の入口を支えた屋台骨的な作品。
わかりやすい必殺技、オーバーリアクションや動きのわかる構図など、
少年漫画としては京都編までは、熱さを伴った良い作品。

その後も要所要所で盛り上がりは作るが、敵キャラの魅力が無いため、
もったいない仕上がりになってしまった。

キャラクターモチーフをモチーフ元に寄せすぎてしまうのはいかがなものか。
モチーフというよりもパロディに近く、緊迫した世界観を悪い意味で壊す存在になっている。
物語終盤は、正直お遊びが過ぎたという印象。

しかし、引き伸ばしすぎずよく書ききったと、最近のジャンプ漫画を読んで再評価したくなった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-28 17:15:25] [修正:2014-07-28 17:15:25] [このレビューのURL]

スポーツ漫画の良作。
いつものギャグが散りばめられた、文化系男子が運動部で活躍するサクセスストーリー。
主人公の成長具合も説得力が有り、爽やかに読み終えることができる。

最初のライバルキャラを、もう少しうまく使えればなお良かったが、
終盤の主人公の性格をワイルドに変化させ、勢いで完結を迎えさせている。
画も非常にうまく、古臭いながらも今のスポーツ漫画にも参考にしてもらいたいほど
シンプルなスポーツ漫画の楽しさがあった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-22 16:43:35] [修正:2014-07-22 16:43:35] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

はっきり言って、中盤以降は惰性で見た。
他のレビューでもある通り、中忍試験までは面白いと思ったが、
それ以降は風呂敷の広げ方と、たたみ方に失敗している。
世界観を急に大きくして、展開を大きく動かそうとしたが、
作者の思いと読者である私にズレがあったように思う。
特にサスケをめぐる友情劇は、もはや理解不能のしつこさであり、
作者が伝えようとしているその重みが、こちらまでうまく伝わってこなかった。
その他の世界観も、スケールを大きくしようとすればするほど、読者置いてけぼり状態になった。

絵はのっぺりとした作画に線画で立体化しようとしているのはわかるし、
複雑なトーンを極力使わないようにしているのかもしれないが、はっきり言って見づらいし、
結果的に作品の魅力を半減している気がする。
構図への挑戦はわかるが、動きに魅力がなくカッコいいシーンがパッととしなかった。
キャラクターデザインもワンパターンで、十尾も含め絵的には少し物足りない印象。

前述のとおり、中盤以降は何もやってるんだかと気持ちが乗らないまま終盤まで駆け抜けた。
ダラダラと戦うのではなく、メリハリをつけてもらわないと、戦いの意味が薄れていくように感じた。
中忍試験まではキャラのアイデアと世界観の広さがちょうどよい範囲だった。
いつの間にかいろんなことができるキャラクター達からは、読者の予想を裏切った展開は作り出せない。
序盤で世界観の構築に成功していただけに、その後続くダラダラとした展開は残念だった。
要は怨みが物語の根底にあり、底が浅い作品となってしまった。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-02-22 10:27:20] [修正:2016-02-22 10:27:20] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

序盤は面白く読めた。顔が怖いが別に不良ではないというだけで、物語をよくここまで続けたものだと感心する。
しかし、中盤以降は勝手に動き出したキャラクターたちに話を進めてもらっただけの、箱庭観察漫画に変貌する。
主人公の顔も段々デフォルメされて、1巻時ままの目次ページの背景の主人公の百面相とは全くの別人に。

途中から画にこだわりが出てきて、綺麗な女性が書きたくて仕方ないんだろうなと伝わってくる。
好きな表情や体の角度、画面構成があるらしく、段々と画的に単調になってくる。
物語もコメディから離れてきて、中盤以降は読むのが辛くなってきた。

アクションが描きたいのはわかるが、面白さと直結しておらず、
個人的には段々上手になってくる画を楽しむだけの漫画になってしまったと思う。
10巻くらいで完結させたほうが、物語的にはまとまっていた。
ギャグ漫画としては5巻で終わって欲しかった。

中盤以降の箱庭感をずっと味わっていたい方なら満足できるのでは。
序盤はギャグ漫画、中盤はバトル漫画、終盤はヒューマンドラマ漫画といったところ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-01-07 15:45:09] [修正:2015-01-07 15:45:09] [このレビューのURL]

明治時代を背景にした、少女が主人公のサスペンスもの。
序盤は主人公である少女が様々な事件に巻き込まれていくといった短編物だが、
終盤は少女の血縁関係にまつわる長編ストーリー物になっている。

個人的には前半の短編物の方がまとまりがあり好みだが、
終盤は鈴子が成長していくさまが描けている。
しかし1エピソードで冗長に感じることもある。

明治の時代背景で作中では違和感を持つことはなかった。
よくこの辺りの時代を扱った作品で、違和感を覚えて冷めたりするので、
その点はかなり優秀。作者の努力が伺える。

女の子は可愛く、あざといサービスカットもないため、
純粋に大人への憧れから恋へと成長していく様を描けている。

主役二人の付かず離れずの関係性を見守る漫画であり、
鈴子は作中幼すぎるため、15歳になった続編もそこそこ気になる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-15 13:59:40] [修正:2014-12-15 13:59:40] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

内容的には、監督主役の野球漫画で、初めて見るタイプであった。
主人公の過去や、部内のメンバーのストーリーは引き込まれるものはあったが、
比較的淡々と物語は進んでいく。この印象は浦沢直樹作のHAPPY!に似ている。
予定調和のように展開し、ある程度のところで着地した。
エースの強さに根拠が足りず、ご都合主義のように感じ、魅力不足だった。
選手が主人公でないせいか、心理描写・キャラの掘り下げに物足りなさを感じる。

描写は野球漫画に不足なし。だが個人的には熱さが足りず、のめり込めなかった。

物語の展開は先が気になる内容で、楽しく読めた。
ただ、後にまで響く構成とは言えず、面白いのに残らないという、いまひとつの印象のまま終わってしまった。
うまく行きすぎたような、山も谷もなかった様に感じた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-11 14:09:21] [修正:2014-12-11 14:09:21] [このレビューのURL]

5点 嬢王

夜の世界の描き方にリアリティがなく、ヒロインが純真且つ不自然に汚れなさすぎる。
うまく行きすぎている成り上がり感で、ある程度の爽快感はあるが、ふと冷める時がある。
作品としてのテーマが特にないように思え、主人公や彩に魅力がない。
彩が特に大きな努力もなしに、天然の魅力で客を得ていく所は、もう少し捻れなかったものか。
彩がすごく偽善的で、物語に入り込めない。

彩を含み、女の子はみんな可愛く描けていて、画の魅力はある。
画の力で読ませる力はある。

しかし内容は、過去の漫画の一部を切り取り現代版にしたような印象。
女性たちの権力争いに特化したせいで、その他の面白みもそぎ落としてしまった様に感じられ、
しかも彩はそれに固執しているわけではないという滑稽さ。
もっと彩を俗物的に書いたほうが、より魅力的になったと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-12-11 14:06:45] [修正:2014-12-11 14:06:45] [このレビューのURL]