「shun」さんのページ

総レビュー数: 60レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年07月14日

画の癖や描写の凄惨さから見る人を選ぶが、
独特のセリフ回しや、間の取り方、なんとも言えないキャラの魅力で引き込まれる。

終盤、必要性がわからないエピソードがありましたが、
作者のワールドの魅力に取りつかれ、いつまでも見ていたい気持ちになってしまった。

爽快感はないが、読み終わるとやっと終わったと終わってしまったの中間にある、
寂しさを覚えるほどのクセの強さに、惹かれてしまっている自分に気づく。

絵柄の迫力、セリフ回し、間違いなく漫画史に残る作品でした。
慣れるまで我慢して読み進めるのをおすすめしたい漫画。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-22 17:11:01] [修正:2014-07-22 17:11:01] [このレビューのURL]

週刊漫画ならではのスピーディさと、次の展開が気になる話の作りが秀逸。
画が単純化されてどんどん鋭角になり、以前のような魅力をそぎ落としてしまったのが個人的に残念。
キャラクターやメカのモデリングが立体的でとても見やすく、アクションシーンの動きと見せ方については一級品。
特に練ってはいないが、ストーリーが破綻しない程度に風呂敷を広げる力がある。
週刊少年漫画のお手本のような作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-14 17:25:15] [修正:2014-07-14 17:25:15] [このレビューのURL]

8点 SLAM DUNK

作者のバスケットボールへの愛に溢れる作品。
主人公が破天荒なため共感はできないが、バスケットの魅力に目覚めていくところに、部分的に感情移入できる。
画力も作品の中でどんどん成長し、いかにバスケットをかっこ良く見せれるかという作者の思いが伝わってくる。
中身を濃くしようとして1試合の巻数が延びすぎた終盤の展開を見るに、あそこで終わらせたのは正解。
今となっては序盤の、不良漫画ルートにも道を残しつつのストーリーの部分が余計な部分に感じてしまう。
再開を望む声が強いが、やめた方がいいだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-14 17:10:29] [修正:2014-07-14 17:10:29] [このレビューのURL]

8点 寄生獣

背景や人物像など画は得意ではないが、
創造力が高く不気味な雰囲気を創る事ができている。
ミギーの人間への理解を通して哲学的な分野まで到達している。
ストーリーに関してもうまくまとめられ、無駄に引き伸ばさずに完結させたことが素晴らしい。
アクションシーンなど物足りないところもあるが、ストーリーに読ませる力がある。
いくつか間延びしたところがあるのはマイナスポイント。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-14 17:08:46] [修正:2014-07-14 17:09:11] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

タイムリープもの。

1巻の引きこまれ具合はかなりのもの。先を読まずに入られない。
終盤まで飽きさせない展開は、全8巻という巻数を含めとても良くまとまっている。

構成は少年期と現代と、現代の進行時を含めてめまぐるしく展開し
だらけるところが少ない。見ようによっては落ち着きが無い。
話の展開自体は良く出来ており、終盤の小手先感を除けば文句はない。
ただ精神年齢30歳の小学生を超越した現実離れした小学生や
結果的に都合よく展開するご都合主義が多くも感じ、
中盤以降白ける部分もあった。

画は上手な部類ではないが、キャラの書き分け自体はできている。
背景がうまく問題なく描けているため、状況に迷うことはない。
地味にカメラワークも無理なことはせず落ち着いている。

全体的に見るとネタバレが早く、尻すぼみ感を少し感じる。
しかしどんどん明らかになる謎と、変わる未来に引き込まれる展開は見事。
終盤にタイトルと繋げるところはうまく出来たと思う。
個人的には小説のコミカライズ版のように感じて、
真相の闇をもっと深くしたり、最後にもうひと狂わせ欲しかったように思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-08-23 13:50:58] [修正:2016-08-23 13:50:58] [このレビューのURL]

個人的にかなり気に入っている作品の一つ。
画はあしたのジョー時代よりもかなり落ち着いた様子で、
今見ると古臭さはもちろんあるものの、味のある昭和の書き振り。
そして背景やモブの描写が素晴らしい。
世界観とよくあっている。

主人公のキャラクターはかなり破天荒で、レイプ未遂や土俵での無礼は
人によっては笑えないレベルかもしれない。
主人公としての魅力ははっきり言ってないが、珍獣が何をしでかすか、
どこまで行ってしまうのかを見守る展開になっている。
特に相棒の田中の立ち位置が絶妙で、主人公松太郎の観察者であり、
サポートキャラであり、ライバルキャラにも変貌する。
田中関連のエピソードには何度か泣かされた。

ストーリーははっきり言って退屈。
年間6場所をこなしている力士のバイオリズムは、練習→本場所→巡礼→練習→本場所と
特にそれ以外の起伏を作りにくいことと、作者の作風によって、終始落ち着いて展開していく。
怒涛の展開を求める人には退屈かもしれないが、定点観測しているような、
ベテラン漫画家の落ち着いた話運びに乗せられて、終盤まで見てしまえる。
もちろん昇進に関わる、優勝がかかった場所はきちんと盛り上がるし、
動きの描写もわかりやすく、とても読みやすい。

相撲ということと、ピークの終わった漫画家ということ、
浮き沈みの少ない作品ということで、あまり知れ渡っていないこの作品。
私は何度も読み返すスルメ漫画として、これからも度々読んでいこうと思える作品であった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-04-24 15:49:38] [修正:2016-07-25 11:55:37] [このレビューのURL]

衝撃的な内容であるが、これは明らかに時代と共に楽しむ漫画であり、
連載当時からすると鮮度が落ちている。連載当時の中高生で見た人が一番得をする鮮度重視漫画だと思う。

古典として読む形になったが、当時作者が作り上げたコメディタッチの中に、バイオレンスを大胆に織り交ぜ、
衝撃的な展開と圧倒的なアクションシーンの迫力は、当時の読者を大いに楽しませただろうことは予想がつく。
今見ると古臭さが鼻をついて、読むのが少々辛い部分があるが、退廃的な漫画の元祖として学んだという印象。
現代の漫画がこの漫画を経由して、整理された展開になっているのだと痛感した。

画は作者特有のクセがあり、キャラクターデザインはさすがに古さを感じるも、とても印象的。
暗い世界観を、濃くて重い画と緊張感のある構成で構築できている。

終盤は、漫画界を越えて色々なジャンルの文化界に影響を与えたというのも理解できる衝撃的構成。
作者の狂気と作品の勢い、魂に訴えかけてくる熱いチカラを感じた。
この重厚さで全5巻というまとまりの良さも素晴らしい。できれば連載当時に見てみたかった。
そして、これ以降の作品達の、アイデアの源泉となった事実を大きく評価したい。

しかし、今の私の(できるだけ)フラットな目線で漫画的評価をすると、少し下げざるを得ない。
これは鮮度の落ちた漫画を評価するにおいてしかたのないことで、経典・古典としての評価と相殺した評価をした。
ホラー・バイオレンス・SF漫画の教科書として、漫画ファンなら読むべき漫画の一つであろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-02-09 11:01:31] [修正:2015-02-09 11:01:31] [このレビューのURL]

女装が気になる男の子と、女性化を拒む女の子が主体の物語。
思春期の多感な時期と、淡い友情や性の目覚め、異性意識など、
端的に言葉で表せない事柄たちを、主人公二人を通して味わった気持ちになれる。
男性の中にある女性への(異性としてではない)あこがれに触れ、共感を覚え。
女性の中にある女性化していく身体への拒否反応を、感覚的にわかった気持ちになった。

画は終始安定しており、作者の持つ個性で十分に世界観は保たれている。
この物語を表現するに当たり、かなり適した絵柄だと感じる。

物語に起伏はあまりなく、登場人物の心理状況を考えなければ、かなり退屈な漫画だと思う。
しかし、無意識下の「単純に異性が好き」という普通の群衆の中でこそ、それ以外の存在の異質さは現れない。
異質な主人公たちを、そういう人達もいて当然じゃないか、と意識誘導されていることに
読んでいる間は気づかなかった。
とくに差別意識があるわけではないが、「何とも思わない」というニュートラルな姿勢を、
実際に身近に「そういう人たち」がいたら演じきれるかどうか・・・演じる?と考えさせられた。

ゲイ・レズといった扱いではなく、心理的に女性寄りという主人公で、
生々しい部分は全くないきれいな世界なので、嫌悪感もなく受け入れることが出きた。
主人公たちが成長していく様を見守れるのも面白さの一つとなっている。

女装男子をいち早く扱った作品として、ブーム(?)の下地にもなったかもしれない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-02-04 14:03:07] [修正:2015-02-04 14:03:07] [このレビューのURL]

7点 CLAYMORE

最後まで物語の世界観を崩さずに、うまくまとめきれた秀作。
キャラクターの成長と広がりはかなり順調に行ったパターンだと思う。
物語の構成は大変良く、無駄なエピソード自体は少ない。
しかし個人的には長すぎた印象。序盤・中盤・終盤全てで少しずつダレる部分がある。
とくに飽きることはなかったが、戦闘シーンが多すぎる印象は受けた。

画力が素晴らしく、見ているだけでも楽しい。
キャラの描き分けに関しては、白髪白眼の女性という縛りを付けた割には検討していると思う。
覚醒者の見た目は個体によって様々だが、デザインセンスは抜群で、物語を肉付けするに当たり
かなり成功している部類。覚醒者の禍々しさがこの物語の魅力と思っている。
アクションシーンも迫力があり、壮大な戦闘シーンが描けている。

シリアスな展開が多く、もっと緩和された部分があっても良かったように思う。
しかし洗練されていく戦闘シーンと、イメージが爆発していく覚醒者を見る面白さが有り、、
ベルセルクと並ぶファンダジーバトル漫画の秀作として、もっと周知されるべき漫画の一つだと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-02-04 13:29:44] [修正:2015-02-04 13:29:44] [このレビューのURL]

とても安定感に欠けているが、作者がノッた時の勢いは見事。
特に暗黒武術会編の10巻以降あたりはノリにノッて、その後の作風に影響を与えている。
主要キャラを格闘バカ、熱血、知的、クールの4人に決めてからのバランスの良さは、
先駆者ではないかもしれないが、その後の少年漫画の模範になったのではないか。

中盤の魔界の扉編以降は、作者の趣味を全面に出した内容になり、
画の魅力がだんだん増していく。その代わりにこだわりが強くなり、クセが強くなっていった印象。
中盤以降、画は作者が満足するレベルでとどめているので、読者によっては不満足に映るかもしれない。
作者が描きたいものだけを描くと決めたのがこちらにも伝わってきて、雑といえば雑。
それを許容できるかどうかで評価が別れると思う。

序盤1,2巻の霊界探偵編のベタな人情ストーリーを乗り越え、
バトル漫画移行後3?7巻あたりまで成長しつつも迷走を続ける物語に耐えれることができれば、
作者の成長と物語を同時に楽しめると思う。

個人的には作者の成長・過渡期を見れる作品で、非常に楽しめた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-08-18 18:28:40] [修正:2014-12-11 14:45:44] [このレビューのURL]