「punpee」さんのページ

総レビュー数: 104レビュー(全て表示) 最終投稿: 2016年02月06日

アクションシーンを描かせたら鳥山明に次ぐレベルなんじゃ…ってくらい、ド派手でグロく、スタイリッシュな描写力や構図に脱帽。

特に他作品では、動き無しの会話だけでも読み手を楽しませる技量を持つ、静も動も才能を発揮できる作者です。

前半部はまだ絵も荒く、キャラも微妙でしたが、中盤から一気にどちらも確立されていき、惹き込まれます。
六鬼団結成からクライマックスまでは怒涛の面白さです。

敵も味方も第3勢力も、ほぼ全員魅力的で、色んなマッチメイクに心躍りました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-31 20:00:00] [修正:2017-07-31 20:00:00] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

個人的に生き生きしている頃の荒木先生の作品です。

ただ、作者自身も語っている様に、基本的にはアイデアは長編(連載)用に取っておくので、
そこから外れたしょぼいアイデアを、持ち前の勢いと演出力で膨らませた様な短編ばかりです。笑

それだけのネタでそこそこの読み応えにしてしまう辺りは流石です。
何て事ないテーマを色んな角度から膨らましながら一つのネタにしてしまう、ガキ使フリートークの松本人志の様な感動はあります。

褒めてるのか褒めてないのか分からないレビューになりましたが、
「岸辺露伴は動かない」は傑作だと思っています。
ジョジョ4部でたかがジャンケン描写を異様に盛り上げた様に、ポップコーン食べにここまで緊迫感を持たせるのか。。。と、当時の衝撃が忘れられません。


装丁も凝っていて素敵です。
カラーページも再現してますし、良い買い物でした。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2017-07-31 19:58:17] [修正:2017-07-31 19:58:17] [このレビューのURL]

メディア化等、話題になってから手にした作品。
タイムリープものの作品は、藤子F先生を筆頭に散々扱われているテーマなので、斬新さは無かったです。

個人的にはサスペンスやSFというテーマよりも、何よりも「母親の愛」を感じ、そこに胸を打たれた作品です。


ストーリーも真新しさは特に無い、よくあるサスペンス。
しかしとにかく丁寧な作品。
不足も蛇足も無く、綺麗に完結させたという点で、作品に対する誠意や真面目さを感じ、好感を持てました。
9巻の他の人物からの視点で描いた番外シリーズもクオリティ高めです。

小学生の癖に賢過ぎるという所と、
心に思ってる事を口に出してしまって「声に出てた」というセルフ突っ込みが多過ぎるという点が気になりましたが。笑

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-31 19:56:50] [修正:2017-07-31 19:56:50] [このレビューのURL]

丸いタッチのポップな絵と、ウィットの富んだセリフ回しで、単発でちょいちょい笑えるギャグ漫画として、好きな作品でした。

しかし、シリアス展開でその現状脱却を図って失敗したという、ジャンプでよくあるパターンの自殺で尻すぼみになってしまいました。

そう考えると、似た様な学園コメディの「SKET DANCE」は上手い事やってたんだなぁとしみじみ思いましたね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-31 19:55:10] [修正:2017-07-31 19:55:10] [このレビューのURL]

4点 みゆき

最初の5分の1くらいは面白いです。
タイプの違う二人のみゆきも、どちらもどちらの良さが出てるほのぼのラブコメ。

ただ、それ以降はほとんど進展が無く、足踏み状態で無駄に巻を重ねてしまうのはラブコメの常。
基本的に私の性格上、ラブコメが合ってないんだと思います。。

時代背景や、そもそもラブコメというジャンルなので減点対象にはしてませんが、
かき回してくる野次馬的ポジションである警察のおっさんや高校教師のおっさん等、
やってる事が完全にアウトなので、少し引いて見てしまいますね。


ラストはきっちり一人を選んだ事は評価に値する一方、
選ばれなかった一人が悲惨過ぎますね。
しかも、選ばれなかった側をほとんど描かなかった事は非常に残念です。
現実がそうであれ、どんな状況にも救いはあるはずです。

作中、多くの人が死んでも、最後悪に勝てばハッピーエンドで誤魔化すアクション映画の様な、
腑に落ちなさを感じてしまいました。
読み易く、安定感のある作家さんであるだけに、本当に残念でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-31 19:54:00] [修正:2017-07-31 19:54:00] [このレビューのURL]

思春期における集団のいじめ心理をテーマにしながら、スプラッターな描写を前面に出した復讐劇。

田舎だとは言え、行き当たりばったりで殺人を犯しながら、警察ががっつり介入しない点にリアリティを感じませんでした。
いじめ描写をリアルにする割に、そこは薄っぺらいんだ、、、という感想です。
個人的には「銭ゲバ」や「悪の教典」に近い、やり過ぎエンターテイメント作品といった印象です。

エンターテイメントである分、暇つぶし程度には読めますが、読んだ後に何も残らない感じですね。

この作者の描く女の子の可愛さや、ゲームをテーマにした作品は好きですが、ホラー系はあまり合わなかった様です。。。

あと、痛みの描写に力を入れてるのか、そこに関しては「THE WORLD IS MINE」に次ぐ描写力でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-31 19:51:26] [修正:2017-07-31 19:51:26] [このレビューのURL]

この作品は、大人になってからもう一度読みたくなって、藤子F不二雄完全版コレクションの中の、「大長編ドラえもんシリーズ」セットをまとめて購入しました。

分厚い完全版で、一冊に3作入り、全6巻で藤子F先生が携わった17作品が入っています。
紙質も良く、カラーページも再現、藤子F先生の意向を尊重しての加筆修正も反映されており、素晴らしい買い物になりました。

キャラクターの掛け合いが本当に面白い。
ドラえもんはよくのび太を馬鹿にするし、のび太はのび太でドラえもんをよく馬鹿にする。
スネ夫がたまにジャイアンに生意気な口を聞いていたり、ドラえもんはたまにママに敬語だったり、キャラブレのラフさも面白い。笑

また、原始時代、宇宙、魔境、海底、魔界、動物の惑星、雲の上、絵本の中、
あらゆる世界観を表現しているという点でも、表現力の幅を感じます。

私のベストは雲の上の王国です。
子供向け映画なのに、環境問題を訴え、ラストはバトルではなく、ディベートで終わらすというお見事な締め括り。
また、中盤からドラえもんが故障して完全にポンコツになり、人間サイドのみでの主張だったので、良かった。
終始ドラえもんを守り、介護したのび太。二人の友情にも胸が熱くなりました。

ちないに、ねじ巻きはF先生の逝去もあり、明らかに絵柄が変わっていたので、読んでいません。。。


とにかく、漫画好きな人はもう一度藤子Fに立ち返ってみましょう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2017-02-27 18:01:31] [修正:2017-02-27 18:01:31] [このレビューのURL]

10点 神戸在住

神戸の大学に通う女の子の、4年間の日常を切り取って綴られた作品。
とんでもなく平凡な日々の中に、本当に多くのドラマが詰まっている。

震災の様な大きなエピソードはもちろんの事、
父との外食や、弟が一人暮らしを決めた夜という、一見地味だが現実的なエピソードを、読み応えある一話にしてしまう作者の文章力と構成力には脱帽。

特に、大学4年間という時間の流れを非常に巧みに使い、キャラクターの精神的な成長の過程を丁寧に描いています。
身近な人間の死の受容、友人との距離の縮まり方等。
主人公の髪型も、ゆっくりゆっくり伸びていってますからね。笑
「ヨコハマ買い出し紀行」も同様、時間の流れって、それだけで大きなドラマの要素になるんですね。


特筆すべきは、この作者が男性だという点に驚いてしまった程、女性主人公の描写が丁寧です。
それはこの作者の後に続く作品も同様ですが、焼き鳥屋店員なら焼き鳥業界の、ボクサーならボクシングの、柔道部員なら柔道の、
それぞれのテーマに関する知識や技術等の描写、解説が非常に繊細で丁寧な事から、作者の真面目で研究熱心な姿勢が伺えます。

この作品には人種や性、障害等のあらゆる差別もテーマの一つとしてり、メインでないキャラクター達にもそれぞれの葛藤、反省、覚悟が描かれています。
これらの描写も、前述の理由から、いい加減な気持ちでテーマに組み込んでおらず、読み応えがあります。

個人的には素晴らしい良作なのですが、
地味すぎるという点と、キャラクターや世界観に慣れる前の序盤の敷居の高さから、人にお薦めしにくい作品である事も事実です。笑

ナイスレビュー: 3

[投稿:2017-02-27 17:59:13] [修正:2017-02-27 17:59:13] [このレビューのURL]

3点 銭ゲバ

成人してから初めて読んだので、思い入れも無く、冷めたレビューになってしまいます。

貧乏が原因で愛する母親を亡くした事により、金に執着心を持った主人公。
野心と、強いコンプレックスを持ち、一部計画的、一部衝動的に行き当たりばったりで犯罪・殺人を犯しながら成り上がっていきます。

その過程が丁寧であれば、この作品の評価も大きく変わるのでしょうが、事の成り行きや周囲の反応、主人公を怪しんでいる人物との駆け引きが非常にチープなのが残念です。

また、画力や構成や演出、心理描写の陳腐さも踏まえ、当時は斬新であっただろう、溜めに溜めた表情やコマの間も、一切緊張感が無く不快に感じました。。

そういった完成度や緊張感が伝わらなかった事で、
「殺せば盛り上がる、
非人道的な事をさせたら盛り上がる」
といったエンターテイメント的な解釈に至ってしまい、ここでの高評価レビューに正直驚きました。

読もうか迷っている方に一つだけ言わせて頂くと、
作品に対して「丁寧さ」や「完成度」を求める方には合わないと思います。

「インパクト」や「個性」は十分にあるオリジナルな作品だとは思います.
本来、多くの方の心を動かすエネルギーを持った作品なのでしょうが、1意見として投稿させて頂きました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-02-27 17:58:22] [修正:2017-02-27 17:58:22] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

あらすじは「チンプイ」トップページのあらすじを参照ください。

「魔法」ではなく、科学をベースにした「科法」という発想がF先生らしいですね。
また、F先生の晩年の作品という事もあり、絵やキャラクターの躍動感は生き生きしています。
また、一個一個のストーリーの完成度も平均するとドラえもんより高めです。

天真爛漫な主人公のエリちゃんが、
遠い星からアプローチを掛けてくるマール星の殿下を選ぶのか、
自国の同級生・内木君を選ぶのか、
分からないまま作者逝去による未完最終回を迎えてしまいました。

しかし、最終回までの数話で、明らかに殿下側フィナーレらしき伏線が引かれ出したのは意外でした。

完成していない作品としての評価・点数とさせて頂きましたが、
各々で想像する可能性を残したままの終わり方で、これはこれで良いのかなぁとも思っています。

ちなみに私は藤子F不二雄大全集の全2巻で所持していますが、これがなかなか稀少なので優越にひたっています。笑

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-02-27 17:55:58] [修正:2017-02-27 17:55:58] [このレビューのURL]