「punpee」さんのページ

総レビュー数: 104レビュー(全て表示) 最終投稿: 2016年02月06日

8点 イムリ

私はこの作品に手を出すかどうか迷っていた中、
TAKO3さんの「作者はこの作品に命かけてるな、そう思わせるほど手がこんでいて練られた話だと思います」という一文で全巻購入を決めました。
結果、出会えて良かったと思っています。

この様な場所で失礼ですが、TAKO3さん、その他レビュワーの方、ありがとうございました。笑


ただ、この作品はあまり万人にお薦めはしにくいです。
設定、ストーリーにおける完成度は素晴らしいですが、正直、読み手が整理整頓しながら、慣れていくまでのハードルが高い様に思えます。
もちろん慣れていけば苦にならないですが。。。
この作品をおそらく作者の意向を汲んで連載し続けたBEAM誌の懐の広さにも敬意を払いたくなる位です。

漫画はあくまでも娯楽の一つであり、読み辛さや分かり辛さと付き合ってまで楽しみたくないという方は、特に手を出す必要は無いと思います。
悪戯にこの作品の評価が下がっていく怖さもありますので。笑


ドラマ「白い巨塔」や、映画「スターウォーズ」の政治的部分が好きな私は、この格差世界のドロドロ感がたまらなく好きです。
更に言うと、権力者側の人間が、自分たちの世界の不条理や非倫理性に気付き、葛藤する心理描写には本当に痺れ、胸が熱くなります。笑

若干の中だるみ感も感じるので、今後の状況に応じ、追加・修正は行うと思いますが、良作だと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-02-20 22:17:11] [修正:2016-02-20 22:17:11] [このレビューのURL]

10点 ピンポン

画力、ストーリーのクオリティ、キャラクター、心理描写、セリフ、演出、

全てが完璧です。
一切の無駄が無く、5冊で完結する点も含め、完成度の高さが抜群です。

個人的な部分で、
色鉛筆で塗った様なカラーの美しさ、擬音のフォント、ペコの駄菓子やジュースに対するこだわり含めて最高です。

ラストの、プレッシャー、葛藤、あらゆるストレスから解放されたスマイルとドラゴンの2ショットにも救われます。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-02-20 22:15:49] [修正:2016-02-20 22:15:49] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

夫婦(途中から家族)生活を綴ったエッセイ作品という形を取りながら、
独特且つ偏った視点で各業界にメスを入れる、作者のチラシ裏主張も半分の割合で込められている、一風変わった作品。

若手芸人や2世タレントに対する恨みつらみ、
若者の性や同世代の才能に対する激しいコンプレックス、
漫画業界の裏話や、自身の将来に対する不安を鬱々と綴る等、、、

これらの後ろ向きなテーマと、「ほのぼの妻可愛い?」テーマの共存。
「こっちは好きだけどこっちはちょっと…」と、完全に読み手を分けてしまってる感は否めませんが、私はいいバランスで読んでいます。

中には、
野球中継において、「こんなにカメラや映像機器が最先端になっているのに、何で未だにストライクかボールかの判断が審判のさじ加減なの?」とか、
格闘技中継において、「目尻のカットや金的で試合中断すると冷めるから、こういう器具を作ってほしい」とか、
2ちゃんねるのまとめサイトを読んでる様な持論も展開されます。

「歯磨き粉のベストな捻出方法」や、「袋スナックはこう開けれる様にしてほしい」といった、クソどうでもいい持論も、楽しく読ませてもらっています。笑


深く考えずほのぼの漫画を読みたいという方には、持論パートのアクが強く感じると思います。
なので基本的には、ひねくれてて、ネガティヴな思考共感者の方にお薦めする漫画です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-07-31 20:13:05] [修正:2017-07-31 20:13:05] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

山田芳裕先生の作品の中では、一番好きです。
他に例が無い10種競技を題材にしており、エンタメ性が高く、いい意味でぶっ飛んでいます。
ラストは何故か一夫多妻制の部族の族長になってる辺りも、この作家らしいぶっ飛び具合です。笑

序盤は「よく知らんけど10種競技ってすげーなぁ」から始まり、
中盤から本作者の真骨頂であるテンション・表現力・演出力が発揮されてきます。

主人公の強さは、おそらくかなりご都合主義です。
中盤、確かにトレーニング編はあったけど、ここまでの強さの根拠には乏しい気がします。
(多分、福満しげゆきが認めないパターン。笑)

勢いや凄みで解決させる展開はジョジョを彷彿させますが、
冒頭で言った様に、エンターテイメントとしての面白さは見事。

主人公を本物の馬鹿に設定する辺り、本作者らしいです。

生命を削りながら限界を超えて戦うハングリーなアスリート、
ワンショットワンキルの生き様を貫く孤高の野生アスリート、
勝利の為に喜怒哀楽全てをコントロールして勝ち続ける完璧絶対王者、

それらアスリートの偉大な哲学を崩したのが、
主人公のブレブレな本能と煩悩という点に、ある種の真理を感じました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-07-31 20:08:00] [修正:2017-07-31 20:08:25] [このレビューのURL]

5点 三国志

[ネタバレあり]

言わずもがな、学校の図書館にも置かれる、後世に残すべくクラシック作品。
…というのが一般的な認識なのでしょうし、リスペクトも込めてはいます。
しかし、読破するに多大なエネルギーを要し、疲労感の激しい作品でした。

前提として、学生の時、この手の学習から逃げ、三国志に関する興味や知識がほぼゼロの状態で読んだ者の感想です。
どうせなら読むことで三国志に興味を持てればなぁという思いもありました。

その上で、いつもレビューがダラダラ長くなってしまうので、今回は感じた事を端的に、箇条書きで列挙します。
・1巻の、物語が始まろうとする段階が一番ワクワクした。
・劉備、関羽、張飛、諸葛亮孔明、呂布といった主要キャラは良かった。
・趙雲が最も信じれる男!
・しかし、それ以外のキャラは印象が無く、読んで半年で名前も性格も思い出せない。
・特に最初の劉備、関羽、張飛等の主役級キャラが次々と死んでいった、50巻以降くらいは読むのが苦痛で、キャラもストーリーも何も頭に入ってこず、「はぁ。。あと残り2冊…、あと1冊…。読み終えた―!」という感じ。
・子供の時に読んだら面白かったかもだけど、色んな漫画を経た上で読むと展開も既視感があり、迫力も無いなぁ。
・そして未だに三国志の概要を理解出来ていない自分がいる。

という事で結論は、
「三国志にまったく興味は無く、漫画好きとして通っておかなくては」くらいの温度の方にはお薦めしにくいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-07-31 20:03:08] [修正:2017-07-31 20:03:08] [このレビューのURL]

好きな作家さんの一人であり、毎回テーマに対する真面目で丁寧な姿勢が伺えるだけに、
前作「からん」に続き、2連続打ち切りが非常に残念。

個人的にボクシングが好きなのですが、地味でも技術的・科学的に真面目にボクシングを描いた作品は、本作品と新井英樹の「SUGAR」シリーズくらいじゃないでしょうか。

少なからず一定の評価を受けている作家だとは思えますが、
本作は少し構成が悪かった様に思えます。

心理描写を描くのが秀逸なだけあり、
ジムメイトのキャラクターの過去を掘り下げる場面は読み応えが十分あるのですが、
少し気を抜くと「あれ?これ、何漫画?」と思うくらい、脱線を感じる事もありました。

最終回も、無理矢理綺麗に畳める気はサラサラ無く、中途半端上等という潔さでしたね。

知識の幅が広く、表現力や文章力に、心理描写に長けており、良い作家だと思いますが、
この作家に少しでも気になられた方は、「からん」から読まれる事をお薦めします。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-07-31 20:00:54] [修正:2017-07-31 20:00:54] [このレビューのURL]

3点 銭ゲバ

成人してから初めて読んだので、思い入れも無く、冷めたレビューになってしまいます。

貧乏が原因で愛する母親を亡くした事により、金に執着心を持った主人公。
野心と、強いコンプレックスを持ち、一部計画的、一部衝動的に行き当たりばったりで犯罪・殺人を犯しながら成り上がっていきます。

その過程が丁寧であれば、この作品の評価も大きく変わるのでしょうが、事の成り行きや周囲の反応、主人公を怪しんでいる人物との駆け引きが非常にチープなのが残念です。

また、画力や構成や演出、心理描写の陳腐さも踏まえ、当時は斬新であっただろう、溜めに溜めた表情やコマの間も、一切緊張感が無く不快に感じました。。

そういった完成度や緊張感が伝わらなかった事で、
「殺せば盛り上がる、
非人道的な事をさせたら盛り上がる」
といったエンターテイメント的な解釈に至ってしまい、ここでの高評価レビューに正直驚きました。

読もうか迷っている方に一つだけ言わせて頂くと、
作品に対して「丁寧さ」や「完成度」を求める方には合わないと思います。

「インパクト」や「個性」は十分にあるオリジナルな作品だとは思います.
本来、多くの方の心を動かすエネルギーを持った作品なのでしょうが、1意見として投稿させて頂きました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-02-27 17:58:22] [修正:2017-02-27 17:58:22] [このレビューのURL]

最初に言っておきますが、私はこの作者が好きではありません。
色んなスポーツ題材に手を出しながら、どのスポーツに対しても敬意や愛情を感じない点と、結局キャプ翼に依存し、画力やデッサン力の進化が止まっている点で、向上心をあまり感じられないからです。

しかしこの作品に関しては、サッカー漫画のパイオニア的作品であり、
少年達の心をくすぐる吸引力のある作品だと認めざるを得ません。
私の友人からも、
「家にあったキャプ翼1?3巻を読んだ小学生の息子が、一気に全巻をせがんできた」と聞いたくらいの影響力があるのでしょう。


かく言う私もこの漫画で育ち、
(少年目線から見て)魅力的なキャラや必殺技に心を躍らせ、サッカーというよりかはキャプ翼ごっこに胸を躍らせていました。

国内のライバル達も魅力的で、その後の海外のキャラもスケールアップして魅力があるんですよね。
大人の方でも、まだ未読であれば楽しめるかもしれません。
ブックオフ文庫版とかなら安く揃えれるでしょうし、なかなかのエンターテイメント度だと思われます。

元祖キャプ翼以降のシリーズは悪意が籠もったレビューになりそうなので、控えときます。笑

余談ですが、FC、SFCのキャプ翼も全シリーズやりました。
運要素が大きいですがシステムが画期的で夢中になってました。
漫画キャラよりも、ゲーム世界のサンパウロのジウやバビントンに感情移入してます。笑

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-02-27 17:50:16] [修正:2017-02-27 17:50:16] [このレビューのURL]

最近の新井英樹はぶっ飛びすぎて付いていけなくなったのですが、このキーチは全盛期の作品の一つだと個人的に思ってます。
この人はカリスマを描かせたら本当に巧い。

ただ、この作者はスロースターターなので、そこの我慢は必要なんですよね。
この作品も前半のホームレス編は衝撃的な展開ではありましたが、真骨頂は小学生編。
甲斐と出会ってからの展開がめちゃくちゃ面白い。

小学生である事の無力感からの挫折もあり、
小学生である事を武器にした反撃や演出。
キャラクターの躍動感が流石です。

「こんな小学生いる訳ない」とは思うし、
相変わらず我が強く、民衆を馬鹿に描き過ぎる作者の癖も鼻に付きますが、それでも夢中にさせるエネルギーがある作品。

カリスマの一挙一動に、漫画ながら目が離せない。

続編の「キーチvs」は全然入り込めなかったので、レビューはやめておこうと思います。笑

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-02-27 17:46:21] [修正:2017-02-27 17:46:21] [このレビューのURL]

4点 CLAYMORE

最初の10巻くらいは良作だったのですが、強さのインフレやキャラの増加等、個人的にはどんどん尻すぼみしていった作品です。
世間的な評価もそれに近くなっていたのか、色んな本屋を巡っても、後半巻の入手難易度はそこそこ高かったです。
忍空やマキバオーの後半巻クラスでしたね。笑

10巻までで一通りのパターンをやってしまったので、
その後はどんでん返しの展開も予定調和感があり、キャラクターもステレオタイプに感じられました。

後半は私も読む集中力が完全に切れ、敵も味方も展開もよく分からないまま読んでました。


そもそも一部グロで戦闘シーンの多い西洋ファンタジーを描くには、この作者の絵は儚げで美し過ぎるんですよね。

個人的にですが、次回作は再びエンジェル伝説の様な学園ものか、「みなみけ」的な姉妹の日常漫画を期待します。笑

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-12-05 21:41:19] [修正:2016-12-05 21:41:19] [このレビューのURL]