「チーズカバオ」さんのページ

総レビュー数: 75レビュー(全て表示) 最終投稿: 2017年07月23日

作者の描きたい場面や台詞が点在していて、その点を繋ぐために登場人物や物語を繋げているかのようなプロットになっている。
そのためか、作品全体としての展開が浮き足立っていて、地に足が着いていないような気がする。
しかしそれも含めて本作の個性であり、中々面白いと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-08-19 09:04:50] [修正:2017-08-19 09:04:50] [このレビューのURL]

藤田和日郎の漫画はどれも独創的で刺激的だが、あえて最高の作品を挙げるなら私はからくりサーカスを選ぶ。
かつて、これ程までに漫画的表現技法の限界を超えた作品を見たことが無かったから。
数多くの名シーンがある本作の中でも、特に凄まじかったのはルシールの最期の、見開きのセンターカラーである。
残念ながらコミックスではモノクロページになっているが、当時のサンデー紙面で見たあのシーンは、究極のカラーページの使い方としていまだに心に焼き付いている。

作品全体を総じて見れば無駄もあるし、正直あまり面白いとは思えない展開も少なくないが、それでもこも作品が漫画の凄みの本質を描いていたことは間違いない。
鬼才・藤田和日郎の真骨頂を存分に体感できる逸作である。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-08-13 20:47:01] [修正:2017-08-13 20:47:01] [このレビューのURL]

完結の告知を大々的に出していたのに、(掲載紙の事情もあるとは言え)しれっと連載を続けていたり、その割に数年間にわたり支離滅裂な展開でグダグダやっていたり、もはや全盛期の面白さが嘘のような駄作に成り下がってしまった。
せっかくの登場人物の魅力も、作者自ら潰していっているので、キャラ萌え要素すら薄れてしまっている。
もはや魅力的な要素が絵柄しかない。
10年くらい前は大好きな作品だったため、非常に残念である。

ナイスレビュー: 5

[投稿:2017-08-11 23:18:22] [修正:2017-08-11 23:18:22] [このレビューのURL]

この漫画を文章でレビューすることは難しい。
本質的な意味で漫画や映画などの創作物を愛する人間の思いや精神が、隅々まで表現されているという、まるで白昼夢のような作品である。
自分が漠然と感じた気持ちが、漫画として可視化されていることに、形容しがたい魅力を感じる。
もはや優しい精神攻撃である。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-08-11 22:36:15] [修正:2017-08-11 22:36:15] [このレビューのURL]