「チーズカバオ」さんのページ

総レビュー数: 75レビュー(全て表示) 最終投稿: 2017年07月23日

GUN BLAZE WESTで手痛い打切りを食らった和月伸宏が、当時のジャンプのカラーで戦うために全力で創り出したと思われる作品。
特に自分の弟子であった尾田栄一郎や武井宏之といった所謂「和月組」がジャンプの主力となり、彼らの作風が紙面全体に波及していった中で、
意外と頑固な創作スタンスを貫いていた和月が、プロとして生きるために過去の自分の作風を越えようとしたことが見て取れる。
結果として一線級の作品には及ばなかったものの、独特の味がある一作になったと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-10-03 22:37:53] [修正:2021-10-03 22:37:53] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

スタートダッシュは文句無しの面白さだった。
画力も演出力も高く、そういった面での技術やセンスは特出していると思う。
しかしその一方で、作劇上の引き出しの狭さが既に露見し始めている気がする。各章の構成パターンが似たりよったりなので、個人的には既に食傷気味。
常にクライマックスなのは良いことだが、アプローチを変えないと逆に早く飽きられるとっかかりになりかねないので、編集はあの手この手で作者の能力を発揮させるよう導いてほしい。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2021-10-03 22:10:54] [修正:2021-10-03 22:10:54] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

るろ剣大好きだし、作者のあとがきで昔言及していたシリーズを執筆してくれたことは嬉しい。懐かしのキャラ総出演の同窓会的な雰囲気で、得体の知れない新たな敵と最北の地でぶつかり合うシチュエーションも燃える。
でも流石にテンポがおかしい。月間且つページ少なめ且つ休載多いため掲載ペースがありえないほど遅い上に、1話あたりの密度も薄い。昔のるろ剣と比べると泣けてくるほど話が進まない。正直完結させる気迫を感じない。
いっそSQライズあたりで季刊連載にし、内藤泰弘とセット運用した方が、作者のモチベーション的にも雑誌の盛り上がり的にもプラスになるような気がする。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2021-10-03 19:29:50] [修正:2021-10-03 19:29:50] [このレビューのURL]

夏目義徳の個性を活かしつつ、サンデーの読者層にもウケそうな作品を創ろうとしたのだと思う。
低年齢層向け雑誌になっていた当時のサンデーでは藤田や皆川がニーズに合わなくなりつつあったので、ワンチャン狙いで夏目にニッチ且つポップな作品を描かせた結果、どっち付かずの煮え切らない感じで終わってしまった感は否めない。

連載前半はセンターカラーが多かったり、読者プレゼント企画も頻繁に行われていたり、単行本のカバーが当時は特別感のあったサラサラ仕様だったりと、編集部も精力的にプッシュしていたことがうかがえる。
このことから考えると、恐らくニッチ系枠復権の起点に成り得た、割と重要な作品だったと思う。
実際、そのジャンルにおける名作の定石に能力者バトル要素を足した手堅い作りで、そこそこいけそうな雰囲気はあったのだが…

もう少し夏目の持ち味を開放していれば、トガリに匹敵する佳作にはなっていたはず。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2020-12-17 08:40:00] [修正:2020-12-17 08:51:39] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

サンデー55周年記念として「55作品新連載させる」とかいう編集部のゴミのような舵取りのせいで、ゴミのような最終章を迎えた残念な漫画。

最終章に入るまでは本当に面白い漫画で、サンデーが毎週待ち遠しくなるほどだった。
50巻を超えてもまだまだ読みたいと思えた作品は、サンデーでは初めてだったと思う。

ストーリーのテンポは良いし、アクションは派手だし、ギャグもキレがある。登場人物も達人・弟子問わずキャラが立っていて、戦闘パートも日常(修行含む)パートもまるっと楽しめた。
凡作以下の作品が誌面の大半を占めるようになっていった21世紀のサンデーにおいては屈指の良作であり、特にバトル漫画としてはサンデーの最後の良心と言っても過言ではなかっただろう。

ところがどうだ。冒頭に述べたふざけた企画に伴い、サンデー編集部は松江名にケンイチを終らせて新たな作品を創るように打診したのだ。
そして、なんと松江名はそれを承諾して、そこまで丁寧に積み上げてきたきたものを全てぶん投げて、近年稀に見る酷い話の畳み方で無理矢理本作を完結させてしまったのである。

後のコメントによると、この選択は松江名にとっても苦渋の選択だったらしく、職業漫画家としては賞賛されるべきところもあったのは事実である。
だが、1〜2年だけ連載したような作品と、12年連載した本作では、話を唐突に打ち切ることの重みが全く違う。
50巻以上のコミックスを買い続けてきた20万人近くの読者を、60巻近くになって突然裏切ることを作者も了承したことが、個人的には何より許せない。
正直、ラスト数冊は本当に買う気が起こらなかった。

ここまで最後の打ち切りについての怒りを綴ったが、本音を言えば相変わらずまだまだ続きが読みたい気持ちは残っている。
この漫画は、あんなところで終わらせてしまうのは勿体ないほど魅力的なのだ。
ジュナザード戦あたりまでなら、7点以上は堅いと思う。
いつか松江名が続編を執筆してくれることを、今も期待している。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2020-11-17 23:00:20] [修正:2020-11-18 07:14:48] [このレビューのURL]

5点 銀魂

[ネタバレあり]

間違いなくギャグ漫画の新境地を開いたという点は凄いと思う。あの台詞のセンスや序盤の間の取り方、アホを極めたようなギャグシナリオや登場キャラの数々は伝説レベルだろう。

でも長期連載に伴いシリアス長編が増えるにつれて、確実に作者が自分の能力を過大評価していって、作品全体が徐々に歪んでいったように感じる。
最終章に至る頃には前半の魅力は完全に消え失せていたと思う。
と言うか、将ちゃんを退場させた時に完全に作者は銀魂の魅力を見失ったと思っている。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-10-22 17:48:37] [修正:2020-10-22 17:48:37] [このレビューのURL]

中盤以降、隔週誌でありながら月イチ連載で同じような話をチマチマやっていたので、連載の後半には大して真面目に読まなくなっていた。

最近、コミックスで一気に読み直したが、4巻まではかなり良かった。6巻までも楽しめた。しかし7巻以降はやはり連載時と同じ印象に落ち着いてしまう。
この作者のモチベーションが続くのは、せいぜい単行本5巻くらいまでなんだろうと改めて感じた。

とは言え、超飽きっぽい冬目景にしては、これほどの長期連載を投げ出さず完結させてくれたこと自体に謎の感動はあると思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-02-26 06:38:13] [修正:2020-02-26 06:40:29] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

遂に完結。
終着はある意味必然的というか、因果というか、らしい終わり方であり、ベストとな最後と言えなくもないが……

ただ最終巻を読んで改めて思ったのは、この作者は純粋な漫画家としてのセンスは高くはないかなー、と。
漫画の基本的な技術や演出、話運びに粗が多くて、最後にその部分が露骨に反映されちゃったような気がする。

ただ、その異端な感性や着眼点により作られた独特な作風は唯一無二であり、強烈な存在感を放つ名作であったと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-06-05 05:43:50] [修正:2019-06-05 05:58:08] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

最後の最後までドン引きさせてくれた作品だった。
最終回でヒロインをあんな酷い扱いした漫画は他に無いだろう。死亡エンドより可哀想になってくる。
終始ブレなかった作風はさすがだと思う。面白さはブレまくっていたけど。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-05-23 18:46:30] [修正:2019-05-23 18:46:30] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

愚直なまでに、男子学生向きな少年漫画。
バトル!バトル!!バトル!!!の王道的展開に、既視感があるが魅力的なキャラクター、色々な名作からのパクリ・オマージュ・リスペクト。

作者が裏表なくシンプルに楽しいものを描こうとしているので、ぶっちゃけ描かれているもの以上でも以下でもない、読んだまんまの作品。
ある意味潔いし、少年誌的バトル漫画としてはある種の正解と言えなくもないと思う。

ただ間違いなく、画力は超一流である。
烈神召喚時の八竜同時召喚の演出、そして柳の炎のカラー扉だけで理屈抜きにこの作品を讃えたい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-10-04 21:52:57] [修正:2017-10-04 21:52:57] [このレビューのURL]

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