「チーズカバオ」さんのページ

総レビュー数: 75レビュー(全て表示) 最終投稿: 2017年07月23日

8点 聲の形

ここまで大きな出来事でなくても、きっと多くの人がこの作品で描かれているものに類する場面は通過していると思う。
だが、当事者達でもない限りはその出来事を気に留める人は少ないし、傷付ける側の人間達ですら大抵はその意味に気付かず、向き合わないまま記憶と気持ちを忘却していくだろう。

しかし、この作品は、そういった多くの人が忘れ去るであろう記憶と気持ちをテーマとして据えている。
それも、傷付けられた側と、傷付けた側の双方の立場や思いを痛いほどに描ききっているのだ。
その辺に溢れる、中途半端にいじめをテーマにした作品とは、その根幹が全く異なる、とても心に響く名作だと思う。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2019-02-04 23:00:51] [修正:2019-02-04 23:06:04] [このレビューのURL]