「souldriver」さんのページ
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しばらく漫画から遠ざかってましたが、少し余裕がでてきたので過去のレビューの修正などぼちぼちやってます。
自分のレビューを読み返していて気付いたことが1つ。それは「緊張感」という言葉を多用していること。
僕にとっての漫画の評価基準とはつまり、(ユルい作風でも、ギャグ漫画であっても)「独自の緊張感」を感じられるか否かということろに終始するようです。
7点でオススメ、8点で秀作、9点以上で傑作、10点は特別な点数。点数は気分次第でけっこう変わるので、なるべくレビュー本文をしっかり書くように心がけてます。
○定期的にチェックしてる作品(レビュー変更の可能性あり)
「ヴィンランド・サガ」 「岳」 「銃夢 Last Order」 「CRAYMORE」 「さよなら絶望先生」 「シグルイ」 「SIDOOH 士道」 「ジパング」 「スティール・ボール・ラン」 「Damons」 「賭博堕天録カイジ」 「バガボンド」 「ハチワンダイバー」 「ヒストリエ」 「PEACE MAKER」 「へうげもの」 「BECK」 「HELLSING」 「魔人探偵脳噛ネウロ」 「無限の住人」 「よつばと!」 「ラストイニング」 「リアル」 「WORST」

6点 魔人探偵脳噛ネウロ
犯人の深層心理が露出したときのイカれた表情が見物。推理云々よりも、絵的なおもしろさと作者のセンスを楽しむべき作品だと思う。
妙なツボにはまるキャラクターを心得てるのも魅力の一つ。ギャグとシリアスのギリギリの境を行ってるという感じ。
作者も言及してる通り、推理ものとしてはトリックの質がイマイチ。犯罪者の心理描写にもやや拙さが目立った。そこを切り捨ててエンターテイメントに徹する狙いは理解できるけど、やっぱり作品としての押しの弱さは否めない。
この作風であんまりトリックに凝りすぎるのもミスマッチな気がするけど、何かもう一つ強烈な特徴になるものがあればさらに良くなる作品だと思う。今のところはまだ佳作どまりかな。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-07-09 22:09:04] [修正:2007-07-09 22:09:04] [このレビューのURL]
7点 ラストイニング
高校野球という題材を扱う上で、ありがちな向こう見ず的展開にならないのは良い。
かなり細かく取材されてる印象で、元高校球児の僕から見ても現代の高校野球をよく再現してると思う。
気になるのは戦術や発想の占める割合が大きすぎる点。あまりにも監督や選手の思う通りに事が運びすぎるのがちょっと非現実的。
プロの選手でも100%思い通りのプレーは絶対にできないのに、このマンガの中ではほとんどのプレーが計算どおり、予想通りに動いてしまう。たとえ甲子園で優勝するようなチームでも、本来高校野球はもっともっと不確定要素が多いはず。野球は「確率のスポーツ」なのだから。
公式戦で大した成績も挙げてないのに記者やメーカーがホイホイついてくるのも疑問。
全体的に出来が良いため粗もそれなりに見えるが、ただのスポ根や超人野球とは一味違うリアルな高校野球を描こうとしてるのはかなり好感が持てる。
ありきたりな野球マンガに辟易してる人にオススメ。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2007-07-09 18:56:52] [修正:2007-07-09 18:56:52] [このレビューのURL]
7点 賭博破戒録カイジ
「カイジ」の正統な続編ということで、黙示録のテンションをどこまで引き継げるかに注目してたけど、さすがによくできてる。
カイジをはじめとするダメ人間なりに筋の通ったキャラクターは魅力的。相変わらず心理描写も秀逸で、多少オーバー気味に表現される追い詰められた人間の思考や読み合いの奥の深さは他の追随を許さない。
シリアス一点張りじゃなくて、ところどころギャグ要素が取り入れられてるのも成功だと思う。当人たちはいたって真面目に振る舞ってるのに、どこか滑稽に見えるのはこのマンガならではの笑いの表現。
ただやっぱり黙示録での文字通り「身を削った」緊迫感には少し届かなかったかな、という印象。これは設定を考えると仕方ない気もするし、作者も分かってることだと思う。
もう少しコンパクトにまとまってればなお良かった。良作。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-07-09 00:18:00] [修正:2007-07-09 00:18:00] [このレビューのURL]
8点 地獄甲子園
画太郎ワールド全開!
最初は「今回はちょっとマシかな?」と思わせておいて、だんだん堕ちていき最後には完全にクソと化すいつもの手口の中でも、これは秀逸なクソさ。
野球のルールを徹底的に無視した展開、必要以上にコピーを使いまくるやる気のなさ、意味不明な登場人物、意味不明な番外編、強引すぎる結末。すべてがとことん狂ってるとしか言いようがない。だが、それがいい!
まさにクソマンガ(というよりクソ漫画家)という名が相応しいが、意図的にクソにしてるので好きな人は最高、合わない人にはゴミ以下。
極端に好みが二分するのはまず間違いない。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-07-07 15:35:18] [修正:2007-07-07 15:35:18] [このレビューのURL]
6点 トトの世界
「言葉」を題材にした一風変わった作品。
うまくドラマ性とサスペンス性を組み合わせつつ、あえて漫画というメディアで「言葉」を表現しようとしたのはおもしろい。構成もしっかりしており、読み応えのある内容。
が、しかし。この漫画の恐ろしいところは別にある。
唐突に見せられる生々しい描写や、トトの育ての親の常軌を逸した猟奇的心理、明かされる衝撃的なトトの生い立ち。これらが軽い絵柄との凄まじいギャップによって「グロい」を通り越し「不気味」になっており、下手なホラーよりもショックは大きい。
いったん読者を突き落としておいて、スッと救い上げる手法は分かる。しかしこの場合突き落とし方があまりにキツく、最後まで読んでも救われた心地が全くしない。何も知らずに読んだ僕はちょっとしたトラウマにさえなってしまった。
「神童」の明るい展開やライトなタッチのイメージで読んでしまうと、かなりの精神的打撃を受けてしまうことは間違いない。また結末自体は良かったのに、その経緯がやや唐突で不自然だったのも残念。
物語自体はよくできてるし、メッセージ性も非常に強い。ただ繰り返し読んでみようとはなかなか思わない。(コワイから)
悪い作品ではないが、読むにはそれなりの覚悟と心構えが必要。かなりの異色作だと言い切れる。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-07-07 05:16:24] [修正:2007-07-07 05:16:24] [このレビューのURL]
7点 DEATH NOTE
かつてないほど邪悪な主人公と緻密な構成、そして何よりデスノートの発想が印象的。
散々言われている通り、Lとの一騎討ち的な頭脳戦対決は非常に面白い構図で、「まず行動ありき」な少年漫画の王道パターンを覆す斬新さがあった。Lのキャラクターは何度見ても秀逸。
第二部の出来はとりたてて悪くはないが、やはり第一部のインパクトが大きすぎてどうしても比較して見てしまう。より「行動」を重視させたスピーディーな展開はこれはこれでおもしろいのだが、もはや麻痺してしまった感覚からすれば確かに物足りなさはあった。
わざわざ第一部第二部と分けて描いてなければ、これほど比較されることはなかったかもしれない。結果的に第一部の完成度の高さが作品全体の印象を悪くしてしまったのではないかと思う。良くも悪くも第一部の存在感が全て。
とはいえ、終始ぐいぐいと先を読ませられる説得力とサスペンス感は抜群。戦闘ものでもないのにこのテンションの高さは特筆もの。ドライで繊細な絵柄も雰囲気がよく出てる。
話題性が大きいので評価が難しいが、きちんと内容は伴っている。十分賞賛に値する良作。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-07-07 02:04:21] [修正:2007-07-07 02:04:21] [このレビューのURL]
6点 七夕の国
確かに構成や仕掛けは良いし、うまくまとまってる。
が、それ以上に心の琴線に触れる何かがなかった。その原因はキャラクターの地味さ、話のスケールと比較して異質すぎるキーファクターや社会描写の粗さといった違和感にあると思う。
かなりインパクトのある時代背景や面白い設定を用意しておきながら、主人公をはじめとして人物から全体的に小物感が漂っており、なんだか割に合わないこじんまりした展開に終始してしまったというのが素直な印象。
また物語中盤であれだけの大事件が起きてるのに社会の反応が鈍すぎるのがどうも納得できない。あそこまで話を広げたのならきちんとその風呂敷をたたむべきだった。
もっと思い切った展開や魅力的な登場人物があれば化けた作品だった。もう一歩。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-07-07 01:08:24] [修正:2007-07-07 01:08:24] [このレビューのURL]
7点 ヒストリエ
まず僕たちにとって今のところあまり身近な存在ではない古代ヨーロッパを舞台にしたという設定が良い。この作者特有の異質感がうまく表現できる時代だと思う。
話自体はオーソドックスな伝記ものながら見せ方が非常に上手く、はやく先が知りたい衝動に駆られる。言葉にできない心の叫びが絶妙に描かれており、特にエウメネスが叫ぶシーンやカロンが涙する様子には心をゆさぶられる。
また奴隷や戦争が当たり前のように存在していた当時の時代背景を伝える小話もさり気なく散りばめられていて、話の本筋とは別に興味深いものがある。
絵もシャープさを増しており、戦闘描写やリアルな残酷表現も違和感なく見れる。ただしかなり生々しいタッチなので苦手な人は避けた方がいいかも。
まだ3巻ながら、かなりの手ごたえが感じられる。今後の展開に注目。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-07-07 00:48:38] [修正:2007-07-07 00:48:38] [このレビューのURL]
8点 編集王
マンガ業界の現実を、その世界に身を置く人間の視点から痛烈に描き出すというアプローチは面白い。
少し誇大ではないかと思える表現も多いけど、漫画家の中でもいささかはみ出し者的な存在の土田先生ならではの問題意識の高さと、マンガへの情熱が伝わってくる。
目線をずらせば明らかに実在する漫画家や業界体質への批判にも見えるが、ただの批判で終わることなく問題点をきちんと見据えているのが評価できる。人間描写も相変わらず秀逸。一見カッコ悪いことをカッコ良く見せてしまうのがすごい。
またあからさまな自虐ネタ(マンガ業界を批判的に描くこと自体が自虐ではあるけど)も滑稽でグッド。
話が長引くにつれて間延び感がすることや結局キャラが立ち切らない人物が多いのは難点だが、それを補って余りある内容の濃さ。
マンガ好きを自負するならぜひ読んでほしい。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-07-06 23:23:55] [修正:2007-07-06 23:23:55] [このレビューのURL]
6点 夜回り先生
土田先生得意の泥臭い人間描写が、もとの話にこれ以上ないくらいマッチしてる。
どの話もリアルで痛々しいし、単行本に挿入されてる手記もより現実感を引き立てている。改めて、同じ日本の中に不幸な境遇に置かれてる人間がたくさんいるんだということを実感させられる。
ただし原作のチョイスがあまりにも土田先生「らしすぎ」て、全くと言っていいほど新鮮味がない。また原作そのものがいまや超がつくほど有名になっているので、今さらマンガ化する必要性があるのかどうか疑問。
原作をまだ読んでない人が夜回り先生を知るきっかけにするのには良い作品だと思う。
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[投稿:2007-07-06 23:06:45] [修正:2007-07-06 23:06:45] [このレビューのURL]