「チーズカバオ」さんのページ

自分は別に藤本タツキの信者ではないが、敢えて言う。

この作品には完全に心が呑まれたし、読後もしばらくの間は、他の漫画を読む時の感覚にまで影響が及ぶくらいには尾を引いた。
創り手受け手関係なく、人生の一部を創作に捧げている人種からすると、それ程の体験だった。

漫画という媒体で表現されているものの、実際はメディアの概念を超える創作そのものへの情念が可視化されたような、途轍もない作品だった。

しかし、実際に多くのプロの業界人が本作に対して言及し、称賛し、脱帽している現状を受け止めず、
それらの評価を軽率にトンデモと断じたり、信者呼ばわりできる漫画読みがいることにちょっとびっくり。
根源的なセンスや表現の次元の違いがわからない人には、それこそ向いてない作品じゃないかと思う。

ちなみに、最初に発表されたのがジャンププラスだったためか、いくつかの見開きは電子版の読み方でこそ威力が発揮される演出になっていたので、初見は電子書籍で読むことをお勧めしたい。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2021-10-03 12:30:21] [修正:2021-10-03 12:36:39]