「ガクちゃん」さんのページ

総レビュー数: 47レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年01月24日

私は少年野球を始めた息子に、マインドコントロールとメンタルトレーニングを兼ねてこの本を与えました。
結局数年後、彼は谷口君にはならず、近藤のようになってしまいましたが。

本作の魅力を言葉であげ連ねるより、次の事例を。

この本は中古で全巻揃・美品などで売られているのを見たことがない。(ジャンプコミックス版で)
たいてい、ラーメン屋の雑誌のようなくたびれ本と相場は決まっている。
擦り切れてぼろぼろになった本が多いのは何度も読み返されたからであり、友達通しで回し読みされたからであり、我先にと奪い合いされたからである。自分の経験も含めてね。
少ない線の持つ力をもう一度見直すべき。

名作の名作たる所以である。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-01-24 11:13:45] [修正:2009-01-24 11:13:45] [このレビューのURL]

貧乏、困窮、退屈、人生…
と繋げていくとあら不思議、現在の社会問題に通じるテーマが根底に流れている。
わびしさを表現する。日常の無為を表現する。変なユーモアがとことん虚しく、その先にわずかな希望。
しかも何度も読み返し、なお新鮮。
著者の独壇場であり、こんな味わいは他の作者で読んだことがない。どんな味わいって? 
力なく「ふふ…」と笑う味わい。
本作は、著者のこれまでの圧倒的な表現描写の肩の力が抜けている。
そこに物足りなさを感じる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-16 09:58:06] [修正:2010-03-22 22:20:17] [このレビューのURL]

6点 PLUTO

ゲジヒトの視点からのストーリー展開がいい。
もし、手塚治虫自身がこの作品をリメイクしたら、意外とこの作品に似た肌触りのものを描いたのかもしれない。著者の原作に対するリスペクトが感じられ、よく出来ている。
アトムのキャラクターは本作では主役というわけではないが、魅力を損ねていない。
「ああ、そういう解釈ありだな」
と納得できる。

ロボットの人権にまで踏み込んだ世界を描いていた原作の先見性に今更ながら驚かされる。それゆえ原作は歴史に残るのだろう。残念ながら、焼き増しでは残らない。再読意欲もいまひとつといったところ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-17 00:16:30] [修正:2010-01-17 00:16:30] [このレビューのURL]

『硬派銀次郎』の山崎銀次郎が、もしサラリーマンになってしまったら、と作者が妄想して始まった作品だと想像する。だから、サラリーマン漫画じゃなくて、キャラクター漫画のカテゴリーに入れるべき。読むほうもそう心得れば、「ああなるほど」となるのでは。

この漫画の一番熱いメッセージは、「サラリーマンの未来に悲観することなかれ、自分が変わればみんな変わっていくんだぜ」っていうことだと思うけど、いかんせんこれが、どうしてもサラリーマンでないとだめか、というパラドクスに陥ってしまう。

サラリーマンに限らず、人脈、人間関係は重要だけど、読み解けば、人間性の魅力が描き切れていないのに財界の大物が主人公をちやほやし過ぎる感もある。一番の魅力は主人公がその力をまったくあてにしていないところ。再読させる気にならないのは、最終的にそういう力に守られてしまっているという構図から脱却できないところ。

作者の政治や社会への姿勢が、作品世界へ必要以上に踏み込んでいく事が作品を失速させた原因のような気がしてならない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-16 09:43:14] [修正:2010-01-16 09:43:14] [このレビューのURL]

少年期の多感な時期に読んで、大げさに言えばトラウマになった。
今の若者がこの作品を素直に受け入れる事は難しいかもしれない。
戦争に対しての姿勢が一貫していない、ストーリーが分裂、テーマも途中から分裂というような印象を持つ人もいるだろう。
作者は、まず原爆の恐ろしさを伝えなければという使命感に駆られ、描き始めた事は圧倒的な悲劇の物語序盤からも明らかである。
実体験に基づいた描写から、キャラクターがひとりでに歩き出す。ゲンがとにかく生き生きとしている。そのバイタリティーへとテーマもストーリーも主体を移していく。運命に負けずに懸命に生きていく主人公がとても力強い。なんとか生き抜ける事はできまいか。作者も悶々と悩んだのではないか。放射能の影響で髪の毛が全部抜けてしまった少年が生き抜いていけるのか。少なくとも生き抜こうとしなければならなかったのだ。そういう作者のあがきの記録ととれなくもない。
孤高の漫画とも言え、採点不能なのだが、その歴史的価値故8点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-15 22:54:50] [修正:2010-01-15 22:54:50] [このレビューのURL]

万二郎より手塚良庵だな。
万二郎はどうしてもフィクションのキャラクター造詣って感じがしてしまう。良庵は、だめだめなのに不思議と魅力がある。
良庵に限らず、歴史上の実在の人物が多数登場しているが、本作ではそのキャラクター達が生々しく立ちあがっている。
作者も必然、実在キャラ側に思い入れ強いと勘繰る。
そのうち、実写ドラマ化されるのではと勝手に予想。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-15 22:28:09] [修正:2010-01-15 22:28:09] [このレビューのURL]

武蔵、又八、小次郎といった主人公の視点だけでなく、多くの登場人物からの多角的な視点が、大河物語の広がりを深めている。それも至極丁寧に語られている。偏った登場人物への思い入れから、この手法は大多数の漫画ファンの感情移入を拒むものかもしれない。「途中まで面白かったのに」という言葉が聞こえてくる原因の一端はここにある。
しかし全方位的にこれだけの密度をもってして、しかもこの画力で描かれたら、「参りました」という他はない。
原作の本質から外れず、尚且つ作者独自の武蔵像がしっかり立ちあがっている。堂々たる漫画であり、文句のつけようがない。そこに魅力のなさも少し。矛盾するようだけど。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-07 21:49:20] [修正:2010-01-07 21:49:20] [このレビューのURL]

野球って実はとってもルールやら戦略が細かくってね。
息子が野球やってるけど、実は野球見るのはとても興味なくてね。
彼曰く「野球は見るものじゃなく、やるもん」だそうで。
うんちくたれる大人は、ちょっと異常なぐらいいてね。
私もそういう野球独特の世界の一面ってあまり好きではない。
それでも球漫は好きな方だけど、この漫画の印象はとっても薄いな。
絵の影響もあるだろうけど、頭だけで進みすぎてるのが、
リアリティをなくしている。
ネガティブな投手という設定は面白いと思ったけど、もうちょっと
キャラを立たせられる工夫もほしい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-02 23:43:57] [修正:2010-01-02 23:43:57] [このレビューのURL]

銀次郎に出会ってしまって人生がある意味狂ってしまったというか、失敗してしまったというか…。
まさか自分が主人公になれるわけもないのにお手本にしてしまったのである。
以来、女嫌いのふりをし(女嫌いであること=硬派という勘違いしていた)、下ネタはまったく受け付けず、背を高くする努力もせず、アルバイトに精を出した結果、当然、彼女の影もない青春時代を送る事になってしまった。
それでも、今だに意識の根底に「男とは」という一つの価値観を自分に持たらしている。
漫画というより、自分にとってこの作品はバイブルである。
同じ年代では私と同じように影響を受けた男がたくさんいた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-02-08 20:37:26] [修正:2010-01-02 23:26:26] [このレビューのURL]

9点 BECK

著者の中でも明らかに別格的存在。
キャラクターが突き抜けている。
著者はたぶん描き切る作品を一本残したかったのだ。
そして描き切った。
こんなに見開きが魅力的な漫画って他に思いつかない。
音が聞こえないから、この物語が成立する。

壁としての盛り上げ役のレオン・サイクスは、ちょっと無理やりっぽく、彼にリアリティを持たせるために、結構描きこまれているが、読んでいて、このエピソードいるかな?、って感じるのも事実。
敵役がライバルバンドなら単調だったろうし、観客を湧かすってだけでも物語としては弱い故での敵役の設定だったのだろうけど。

普通の学生のライブ漫画編。
(BECKメンバーがゲスト出演)

千葉くん主演・ジム・ウオルシュ監督のカンフー映画撮影編。

斎藤さんの新婚生活編。

肩の力を抜いたところで著者へリクエスト!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-02 00:35:20] [修正:2010-01-02 00:35:20] [このレビューのURL]