「dollbox」さんのページ

総レビュー数: 155レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年07月09日

最後のステージ「ツール・ド・おきなわ」にこのマンガのすべてが凝縮されています。
鳴り響く歓声、きしむ筋肉とフレーム、ほとばしる熱気と燃え尽きても構わないと言わんばかりのテンション。
そしてすべてを捧げた自転車馬鹿たちの魂!
殺気すら感じる彼らのレースは読んでるこっちも常にテンションMAX!一瞬たりとも気を抜けません!

そして決着の瞬間、坂バカ・テルとロケット・ユタの頂上決戦を目撃せずしてスポーツ漫画を語るべからずですよ!
まさに魂の作家 曽田正人を語るにふさわしい作品です。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-07-30 00:59:47] [修正:2005-07-30 00:59:47] [このレビューのURL]

見るも無惨な残虐描写の連続、社会を小馬鹿にしたような皮肉的で不道徳な言動の数々。
これらは時にニュースやドキュメンタリー以上のリアリティを放ち、鈍感になった僕のアンテナを刺激し続けるのだ。

それは人間の本質を客観的に映し出し、命の尊さを嘲笑うかのような、作中に漂う「生々しさ」が原因なのでしょう。

『命の値段いくらや!?』
トシがこの言葉を発した時から、無意識の内に僕は作中の人間の価値を勘定し続けていた。
そこから見えてきたのは尊いと感じる命と、そうでないものの存在。
それが命には平等に価値がないということなのか?
そしてそれが自分自身の想像力の限界なのか?

だけど、核兵器が世界中に放たれた瞬間こうも思った。
ああ、人間の命はなんて尊いんだろうと。
結局僕の感性なんてものはそんな曖昧でいい加減なものなのかもしれない。
作り話の中にしかリアルを感じられないなんてどうかしてる。
貧困な想像力は馬鹿の証なり。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-07-16 23:39:34] [修正:2005-07-16 23:39:34] [このレビューのURL]

シンプルに削ぎ落とされた心理描写の積み重ね。

受け手の想像力が作品を完成させるという芸術の本質がそこにはある。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-11-07 01:23:26] [修正:2009-12-27 15:02:01] [このレビューのURL]

7点 童夢

超能力SFアクションの傑作。
この作品ってストーリーがあるんだかないんだかって感じで、最初読んだ時はちょっと戸惑った。
しかし、爺さんと少女の超能力バトルが始まった途端、そんなものは吹き飛んでしまいました。
映画でも小説でもない、漫画にしか出来ない演出がバンバン登場します。
漫画表現の革命と言っても過言ではない洗練された描写。
ほんと惚れ惚れします!
絵も構図も影も白もコマ割りも……挙げていけばキリがない、全部すごいです。
特に面白かったのは、心理描写をしない心理描写と言いますか、起こっている出来事をあえて
意図を隠して描いていているシーン。
それが作品に一層恐怖感や奥行きを与えています。

かなり昔に発表された作品らしいですが、現在でもこれだけの演出力をもった作家さんは殆どいないのではないでしょうか?
やっぱり伊達じゃないです、大友克洋!(まあ僕が今さら言うまでもないんですけどね)

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-02-18 02:53:58] [修正:2006-02-18 02:53:58] [このレビューのURL]

なんとなく心が豊かになった気がする。

幸せの定義は難しいけれど、ドンちゃんの言うような幸せは俺には実感できないかもしれません。
誰かが幸せなのを見るのは嬉しいけれど、俺は自分も幸せになりたいしそこに少しでも加わりたいとも思う。
ドンちゃんの想い描く幸せの風景の中にドンちゃん自身の姿はない。
そこにあるのは自分が好意を寄せている女性と親友が、おじいちゃんおばあちゃんになっても結婚記念日をささやかに喜びあっている暖かな日常だ。そして夫婦がドンちゃんも祝ってくれてるかしら?なんて幸せそうに話すんだ。
それでもドンちゃんは幸せなんだって。嬉しそうに夢を見ながら笑うんだ。

土田世紀の描く人間はどうしてこんなに命が込もっているんだろうね。
酷い仕打を受け続けてもドンちゃんは優しい、優しすぎる。痛みを知っているから。だから俺は哀しい。
俺にドンちゃんみたいに生きる自信はない。
だけどドンちゃんのような心をもちたいとも思う。
俺はまだまだちっちゃいな。いい加減そう思う。
とりあえず読んでください。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-01-03 04:15:11] [修正:2006-01-03 04:15:11] [このレビューのURL]

深く引き込まれる不思議な魅力があります。
感情の描写が巧く、加えて淡々として、キャラクターの抱く弱さや脆さが響きました。
でしゃばり過ぎない演出も素晴らしいです。

「本当にヒトを理解するってどういうことですか?」

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-01-09 01:44:49] [修正:2009-12-27 15:45:40] [このレビューのURL]

9点 寄生獣

グロテスクな描写が多く、抵抗を感じる人もいるかもしれないが、そこに惑わされてはこの作品の本質を見つめることはできませんし、それはもったいない。

新一と出会った頃のミギーは、人間は悪魔に一番近い生物だと言った。
そんな彼が最後には人間を賛歌する発言をするまでになる。
冷徹だった彼の価値観すらを変えた、人間の素晴らしさとは?
その答えはここに描かれている。

多くは語らない名作です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-01-09 19:03:33] [修正:2009-12-27 15:43:44] [このレビューのURL]

作者が変わるまではとても面白かった。
あくまで初期の評価ですがご了承下さい。

オリジナリティのある設定、主人公やポケモンの可愛らしい造形など、他のポケモン漫画より頭10個分はつきだしています。
何より全体に流れる「愛」や「ともだち」などのテーマをしっかりと描いているのが良い!
読んだ当時はゲームのポケモンに対しても接し方が変わったほどで、今まで以上にポケットモンスターの世界にハマった覚えがあります。

伏線をはりながらも最終決戦までには1つに集約する展開も巧く、今読んでも全然おもしろいです。
ポケモン漫画という範囲で語るにはもったいない魅力をもった良作です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-01-23 22:49:50] [修正:2009-12-27 15:36:12] [このレビューのURL]

あらゆる意味で別次元。
奇才荒木の絵から繰り出される人間哲学。
人間賛歌万歳。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-12-12 02:32:56] [修正:2009-12-27 14:59:19] [このレビューのURL]

すごいです、黒田硫黄。

天狗の設定や、筆で描かれた絵の躍動感が素晴らしい。
個性的でとても印象に残ったものばかり。

サラリーマンや若者までもが天狗になって空を飛び回るシーンなんかは、シリアスなんだけれど、どこかコミカルでおもしろい。

「天狗であること」を問うシーンは最高の見所。

なぜすれ違ったのか。
どうなったのか。
どこに行くのか。

それらをどのように解釈するかは
読み手に委ねられている。

しかしその答えは最後の表情から読みとれるはず。

絵、物語、人間描写どれをとっても唸らされっぱなし。

おもしろい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-08-04 02:04:02] [修正:2009-12-27 14:39:29] [このレビューのURL]

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