「霧立」さんのページ

総レビュー数: 33レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年05月13日

色々な面白さを持っているのでまとめるのが難しいのですが、
敢えて言うなら
漫画の持つあらゆる要素(ストーリー・絵柄・構図・セリフ・擬音etc…)にオンリーワンを追求し、
かつそれをエンターテイメントの域まで高めている作品です。

確かに好き嫌いは分かれます。基本グロですし絵はクセがあるし
難解すぎて「?」な展開などもあります。ですが
それを補って余りある魅力があるのもまた事実。
ハマった時の中毒性はどの作品よりも強いと思います。

生理的に受け付けなかったら申し訳ないけど、それでも薦めずには
いられない、そんな作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-12 23:40:12] [修正:2010-11-12 23:40:12] [このレビューのURL]

1点 MONSTER

かなりがっかりした作品。
導入部はとても面白く、深いテーマ性を
感じさせる展開に見え、期待も大きかったのだが
見事に裏切られたのでこの点数です。

もっとも残念だったのは、ヨハンが「描かれなかった」こと。
彼を通じて、作品中にも出た言葉「絶対悪」を
いかに表現し、読者に問うのか。人が狂い、狂わされる道程、
そこに至る絶望や苦悩をどれだけ説得力を持って紐解いてくれるのかを
期待していたのだが、全く読み手に伝わってこず、
彼自身から何の恐怖も悲しみも見いだせない、
なんとも薄っぺらなキャラクターになってしまった。
本人の思考の遷移が納得のいう形で読者に提示
出来なかったのも致命的。
結局彼は何がしたかったのか。
思わせぶりに色々なことに手を出した挙句、
妹に勘違いを諭されて破滅の道を歩むとか、
小物感が満載です。

とはいえ、見方を変えれば
この物語はヨハンを中心とした一連の流れに巻き込まれた、
テンマを中心とした多くのサブキャラクター達の心の傷、
葛藤を描き、また前へと踏み出していく心の勇気の物語。
ヨハンはその人々の心に影を落とす亡霊のようなもの。
そういう風に割り切れば展開もまとまっていますし
粗末にされているキャラクターもなく、物語として完結して
いるといえます。
つまるところこの作品に何を求めるかで評価が変わってくる
作品だと思います。
そうした意味ではこの点数は一面的かもしれません。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-06-25 12:54:58] [修正:2010-06-25 12:54:58] [このレビューのURL]

8?9巻くらいを境に緩やかに変質していった作品。
後半になるに従って、Monsterなどにも見られるようになった
人情話が多くなり、キートンもどんどん感情豊かになっていく。
寝ぼけたようだった目つきも、力がこもってきている。
こちらのほうが浦沢らしいと言えばらしいのだろうが、
個人的には初期のころの、より淡々としたストーリーのほうが
味わいがあってよかった。キートンも何を考えているか
わからないような飄々とした立ち振る舞いでありながら
それが周りを引きつけていく力にもなっているあたり、
とても楽しめたのだが、このあたり、原作者との距離感も関係して
いるのだろうか。
前半だけなら9点または10点だった作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-13 11:01:41] [修正:2010-05-13 11:01:41] [このレビューのURL]

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