「十歩神拳」さんのページ

私がガンアクションが好きだということも理由の一つかと思いますが、現時点ではとても楽しめています。

近年のガンアクション漫画は、(良い意味で)インチキ銃と超人的体技を駆使して超絶バトルが繰り広げられたり、とにかくバカスカ撃ちまくって大量の薬莢描かれる作品が多いように感じます。
もちろんそれはそれで面白いし大好きなのですが、本作はそれらのパターンとは異なります。

基本は静かで硬派な西部劇風の雰囲気で、漫画にしては若干華がないように思えますが、キメるところはビシッとキメる。魅せるべき所はきちんと漫画的な表現を使ってしっかり盛り上げてくれます。
このバランスが絶妙で、皆川先生ならではのセンスがあってこそ成せる業だと思います。

これほどまでに“動”と“静”のシチュエーションを書き分けられる漫画家はそうはいないことでしょう。

また、この作風はリアルさと漫画っぽさを兼ね備える皆川先生の絵で描かれているからこそ成り立ものだと思います。


つまり本作は他のガンアクションと比較するとぱっと見は地味で面白みに欠けるように思えますが、実は皆川先生以外の漫画家ではそうそう描けない高クオリティな作品であると私は考えます。

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[投稿:2010-02-23 11:16:43] [修正:2010-02-23 11:49:52]