「団背広」さんのページ

総レビュー数: 137レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年05月03日

小学生当時、みんなはコロコロを読んでいたが、俺はボンボン派だった。ぶっちゃけ買っているのはクラスで俺だけという有様だったが、それでも俺はボンボンを買うのをやめなかった。

理由はこの漫画が連載していたからだ。
小学生の俺はJINGの連載第1回を読んで思った。
「うわ、わけわかんねぇ!!」
でもこうも思った。
「わけわかんねぇけどスゲー格好良い!スゲー面白い!!」
俺はそれまでこんな特殊な漫画は読んだことがなかった。まるで脳に電撃が走るかほどの衝撃を受け、何度も何度も読み返して理解しようと勤めたことを今でも覚えている。

この漫画にオリジナリティのあるものは素晴らしい、自分の世界をしっかりと確立して描いているものは素晴らしいということを俺は教わった。
その当時はそこまで考えなかったが、しかし感覚的に感じ、そのことだけは理解していた。話の内容は理解できなくとも。
それからというもの、俺は映画にしろ音楽にしろ何にしろ、特殊なもの、新しいもの、オリジナリティのあるものを飢えたように求めるようになった。新しい、どこにもないものを見たときの衝撃。それを現在進行形で求めている。

おそらく俺は小学生のときJINGの1ページ目を開いて感じた、忘れられないあのインパクトをいまだに追い求めているのだろう。
俺にとって間違いなく、漫画というメディアを超え魂を揺るがし、人生に影響した作品だ。満点以外はつけられない。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-05-03 22:45:46] [修正:2005-05-03 22:45:46] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

「谷仮面」があまりに素晴らしかったので、その勢いでこの漫画も全巻読破。まず柴田ヨクサルが割と格闘漫画をしっかり描けていることにびっくりしたりして。
いや、もうなんか典型的な格闘「マンガ」なんだけど、現実と虚構のこのギリギリ中間あたりに立ってる感じがしていいのよ。みんな変な技しか使わないけど妙に生活感あるし。
月雄なんて預金が5000円しかないんだぞ!ブルーカラーは大変だよ!

とにかく出てくるキャラがもうみんな個性的で、イキイキしていていいよなあ。マキの友達たちとかさ。
ただなんか脇役の個性が強すぎて、主人公がかなり目立たなくなってしまってるけど…
まあ、坂本ジュリエッタとか、一部の脇役が異常すぎるから仕方ないような気もするが。あんまり主人公だけが活躍する漫画でもないしなー。
つーか坂本ジュリエッタは沢田研二歌わなくなったなぁ、あれが好きだったのに…

そんなわけで面白いキャラクターが山ほどいるこの漫画だが、中でも俺が好きなのが崎山香織とルチャマスター。
崎山香織が過去の悲惨なトラウマを「化剄双按」で吹っ飛ばしたあのシーンには痺れたぜ!何をされてもめげない女っつーのはかっこいいな。
あとルチャマスターは馬鹿だから好き。「俺はガンダムの最終回のガンダムくらい強いぞ」ってセリフにかなりウケた。実際はビグザム程度の強さだったけど…

そして現在、クライマックスに向けて加速しつつあるこの漫画。
ラストだと思われる渺茫戦もしっかり脇役を活かす展開になっていたので一安心だ。完結したらまた少しレビューを書き足しましょうかね。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-09-24 23:36:22] [修正:2005-09-24 23:36:22] [このレビューのURL]

この漫画の表紙をめくればそこはもう魔界です。
えーっとこれ、漫画版「エレファントマン」?それとも「妖怪人間ベム」?
とか思うほど、「早く人間になりたーい」って叫びそうなヤバい体型(ほとんどフリークス)の女の子が山ほど出てきます。そしてこの作者はそれに萌えろと言うわけですよ。いやぁ、なんともはや…
漫画を読んでいてこんな恐山の修行僧のような気持ちになったのは初めてだ。読んでると脳がドロドロになりそうで怖いよう。

ポストラブひなのつもりで始まった漫画なんだろうけど、それとはまったく違う別の境地に達してしまったスゲェ漫画。ある意味究極のホラー。
ってか18巻も出ててOVAまであるとは…好き者がやはりいるのか。
恐ろしや、ああ恐ろしや。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-07-14 18:45:59] [修正:2005-07-14 18:45:59] [このレビューのURL]

最近じゃ珍しく思えるほど、とても丁寧に作り込まれた漫画だと思う。
絵自体は古臭いとも言えるが、とても堅実な書き方だ。白い背景が少ないし、無駄と妥協を感じない。
話の作り自体も別に珍しいものではない。努力型の主人公に天才型のライバル。過去を背負った師匠とその因縁の相手。
こう書けばどこにでもある普通の話だが、しかしこの普通の話を実に丁寧に描いていると思う。
脇役もちゃんとキャラ立ってるし、世界観も深く掘り下げている。心情描写もちょうど良い。
少々エログロが強めなものの、堅実な絵のおかげでそこが目立ちすぎず、物語に悪影響を与えていない。

要するに絵にも話にも、無駄と妥協が無いし、バランスが取れているのだ。
読んだ後、これしっかり作ってあるなぁ、久しぶりに「漫画」読んだなぁって気持ちにさせてくれるのだ。
ちゃんと漫画読んだ気分になった作品なんて、最近読んだ中でどれだけあったことか…
パッと見は割と地味なんだけど、中身はすごく輝いている作品だと思う。

青年誌で連載してるけどこの漫画の基本精神は少年漫画じゃないかな。
主人公セスタスの成長が大きなテーマだし、ライバルとの対比ってのも少年漫画っぽい。
商業主義に走り形骸化する前の少年漫画の魂が、ここに残っている気がするよ。昔の少年漫画は大人が読んでも楽しめたからなぁ。

最初は女々しく弱々しかったセスタスが段々と男らしいナイスな面構えになってきて、ますます今後が楽しみだ。
きっとこの話はラストが最高のハイライトになるはず。それがもししっかりできていたなら、+2点してもいいかな。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-06-21 17:50:46] [修正:2005-06-21 17:50:46] [このレビューのURL]

10点 火の鳥

この作品にはロマンとスペクタクルと哲学が溢れんばかりに盛り込まれている。読んでいると心臓に腕を突っ込まれるような感じすらする、それくらいに凄まじく恐ろしい漫画だ。
毒と愛とがぐちゃぐちゃに入り混じったこの世界こそが、本当の人間の世界。それは救いようがなく、だからこそ美しい。

この漫画が描かれたときこそ、まさしく手塚治虫の手に神が宿った瞬間だろう。すべてが圧倒的すぎる。
なんか読んでて土下座したくなった漫画。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-11 22:58:56] [修正:2005-05-11 22:58:56] [このレビューのURL]

「魔城ガッデム」が最高。それ以外はどうでも良し。

変形好きな友達はこの漫画がなんで打ち切りになったんだかわかんないって言ってた。グリード様の完全変形フィギュア欲しいとも言ってた。好きな奴はいるもんだなぁ…

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-10 01:03:30] [修正:2005-05-10 01:03:30] [このレビューのURL]

作者が笑わせようとして書いたシーンが全然笑えなくて、大真面目にやってるとこのほうが笑えるっていうのはなんつーか痛い。キャプテン翼もここまで痛くはなかった。

「すいません棄権します腹痛いんで…」のところは、一瞬コロコロのギャグ漫画を読んでいるのかと錯覚したほど辛かった。しかもそういう痛くて笑えないギャグって妙に頭に残るのよね…悪夢のように何度もリフレインしてアイタタタな脱力感に襲われまくり。
そういう経緯があるので1点。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-10 00:14:17] [修正:2005-05-10 00:14:17] [このレビューのURL]

俺が初めて読んだ黒田硫黄漫画。ロボ好きだからロボ漫画かと思って買ったらロボってのは常連脇役のあだ名だった。

しかし、この人の漫画も新しいね。全部筆ペンで書いたような線は荒いとも言えるが妙な空気を持っており、これは…そう、手塚治虫、横山光輝などの往年の作家に近い空気がある。
会話にもヘンなリアリティがあって面白く、漫画というよりドラマを見ている気分になる。基本的には「ブラックジャック」のような、何か事件があってそれを解決して…という流れをくんでいるが、そのどれもが一筋縄ではいかないというか、まともな解決のしかたをしないのが面白いところ。

説明するのが非常に難しいが、この漫画は独特であり、そして「いい漫画」だ。寺田克也さんは「きれいな絵はないが、きれいな漫画」と言っていた。そういう漫画だ。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-07 09:16:28] [修正:2005-05-07 09:16:28] [このレビューのURL]

副題を付けるなら「荒木飛呂彦の奇妙なミステリー」。
全編に渡って炸裂する荒木節!ただ、ジョジョとは違ってアイデアを強く前に押し出したような部分が大きく、そこがまた新鮮。
おそらくジャンプに読切で載った当時、自分含む多くの小学生にトラウマを与えたであろう「岸辺露伴は動かない」も収録されてます!
また、表題作「死刑執行中〜」と「ドルチ」はどちらも密室スリラー的な話なのだが、片方は牢屋、片方はヨットの上とまったく違う舞台であるのが面白い。そしてどちらも驚かせてくれる。必読!

ジョジョ4部の外伝となる「デッドマンズQ」も収録されているので、荒木ファンもしくはジョジョってどうなのかな?なんて思ってる一見さんにもオススメします。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-06 10:22:22] [修正:2005-05-06 10:22:22] [このレビューのURL]

手塚治虫のすごいところは、どの作品もそれを読んで楽しめる年齢層が幅広いということ。
特にこのブラックジャックはテーマ性と漫画性のバランスが絶妙であり、読者層が幅広い。子供から大人にまで愛される作品というのはまさにこういう作品のことを言うのだろう。

個人的には、中学の図書館で出会って以来その後の漫画フリークスな人生を決定づけることとなったこれまた影響された作品である。
「ゲラ」の回が切なくて好き。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-05-04 00:59:25] [修正:2005-05-04 00:59:25] [このレビューのURL]