「白い犬」さんのページ

総レビュー数: 116レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年12月06日

登場人物全員が誰かを好きになり届かぬ思いを心に秘め
そしてその想いがかなっててかなわなくてもキスという形で
物語がつづられていく。
人を好きになるのは(想いが遂げられなくても)素敵なことだと
思わせてくれる。
それとこの作品から私が知ったことは物語とはけっして
「長さ」ではないということ。
何十巻のダメ大河漫画もあればこのラヴァーズ・キスのように
2巻だけで心の「本質」を教えてくれる漫画もある。
漫画は量ではない、質なのだ。



ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-12-28 14:05:09] [修正:2005-12-28 14:05:09] [このレビューのURL]

8点 YOUNG&FINE

[ネタバレあり]

山本直樹の作品はどれも好きなのだが一番は?ときかれたら
迷わず「YOUNG&FINE」と答える。
最近の観念的な作風よりもストーリーがしっかりしてるし
田舎町の高校生のノスタルジックな描写がさえてる。
それに加え山本直樹のエロ!!
青春とは性春なのですね、とつくづく思わせてくれます。

キャラクター一人一人も生き生きとしていて
完全に脇役だと思っていた主人公のお母さんが最後魅せてくれます。

山本直樹にいまいち手が出ない、という人はまずYOUNG&FINE
からはじめてみてください。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-05-13 16:40:59] [修正:2006-05-13 16:40:59] [このレビューのURL]

現実感、浮遊感、夢、乖離、服従、嘘、真実、邂逅、離別、日常、
空虚、破壊、終末、そしてエロス。
これらフラグメンツ(断片)によってこの漫画はできていると思った。

ナイスレビュー: 6

[投稿:2006-05-01 21:30:42] [修正:2006-05-01 21:30:42] [このレビューのURL]

8点 QUOJUZ

[ネタバレあり]

柏木ハルコのデビュー作「いぬ」は強烈だった。
よくぞ女の性欲をこんなに面白く描いてくれたな!と
拍手を送りたくなったほどだ。それ以降も彼女の作品は
女の性(この場合「せい」「さが」どっちの読みも可)を
扱った作品を描いてきた。
その作者の最新作がこのQUOJUZ(コジューツ)である。
内容は上京したミキオ(おそらく童貞)が下宿先で
彼に一目ぼれした実姉三人に振り回されるというもの。
って、これってよくあるハーレム型のお約束エッチコメディ
じゃないですか!どうしたの柏木ハルコさん。
めがねっ娘ありツンデレありコスプレありの
完全売れ狙い。
こんなの柏木ワールドじゃないよ!と思ったらやっぱり
柏木ワールド全開でした。
面白いよ。これ。腹抱えて笑ったもん。
次女かえでのクロロホルムアタックといい
三女すももの暴走といい。

絵が今流行のアニメ絵ではないので萌えを期待してる方には
好き嫌い分かれると思います。
私個人は柏木ハルコの描く女性はエロかわいくて好きです。
どう収拾つけるか期待。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-03-27 19:49:16] [修正:2006-03-27 19:49:16] [このレビューのURL]

いわずもがなラブコメの金字塔。
五代君と響子さんを応援し感情移入して読んでいた人なら
最終巻のあのセリフに涙腺を刺激されたことであろう。

今読み返して多少時代を感じさせるものはありますが
それを超える感動が名作にはあります。

だけど五代君の初体験、私は納得いかない派です…。


3月18日追記
最近読み返しましたが響子さんって
むちゃくちゃ嫉妬ぶかいですね。
自分の彼氏でもない男にそこまで露骨に嫉妬しては
いけませんよ。ラムちゃんなど他のヒロインもそうなところを見ると
たぶん高橋留美子本人が嫉妬ぶかいタイプなんでしょう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-12-07 11:55:00] [修正:2006-03-18 21:15:43] [このレビューのURL]

良質、この一言に尽きるであろう。
一話一話のクオリティが高く、このページ数でよくまとめられた
もんだ、と感心する。浦沢氏がポスト手塚をささやかれるのも
わかる気がした。でも浦沢氏は浦沢氏で手塚は手塚だけど。

よんでいてあることに気づいた。
これだけすばらしい人格のキートンさんはなぜ離婚したのか?
物語内でいろいろと語られてるようだが私の結論は
キートンさんは男としてセックスアピールがないということ。

俗にいういいひとであっていい男ではないというやつだ。
そう結論付けると離婚で失った男性としての自信を
「鍛えなおす」べくインテリの座をなげうって
軍隊という体資本の場所に180度転換を図ったのに
合点がいくのである。

だけど男フェロモンでむんむんのキートンさんなんて・・・
いやすぎる・・・・・。


ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-03-16 16:06:52] [修正:2006-03-16 16:06:52] [このレビューのURL]

8点 青い花

中高時代、同性にに対して抱いた恋心を
カウンセラーとかいったひとが
「それは思春期における一過性のものです」と
一言で片付ける。それはつまり大人になったら
異性愛者になりますよ、という意味付けなのだが
そうなのだろうか?そうだとしても
私はふみちゃんの咲かせた青い花をそういう一言で
引っこ抜くようなまねはしたくない。

ただそこにある恋心をそっと見守りたい、
そういう気分になります、この漫画。


ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-03-15 17:49:14] [修正:2006-03-15 17:49:14] [このレビューのURL]

皆さんすごく好評価ですが私は読んでいて結構つらかった。
それは物語内にも出てくるが中学校に入って
否が応でも制服を着せられてしまうからだ。
つまり「着たい服を着る」というのが通用しない世界。
これから二人(二鳥君と高槻さん)は社会に出て
これまた否が応でも「男用」「女用」に分けられた世界を
知っていかなきゃならないかと思うとつらい。
(志村貴子は二人の社会人期まで描くとは思いがたいですが)
願う結末はただひとつ、「男は男らしく女は女らしくがイチバン!」
的なもの以外であること。
二鳥くんと高槻さんの幸せを描いてね、志村さん。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-03-10 18:36:25] [修正:2006-03-10 18:36:25] [このレビューのURL]

少女漫画の名作は?という雑誌の企画では必ず
名前があがるバナナフィッシュ。
吉田秋生は天才とその葛藤を描かせたら秀逸ですね。
初期には大友の影響が色濃いですがすぐに吉田個人の
才能に吸収されていったので気に障りません。
ただ女性がほとんど出てこないのと
ホモセクシュアル的な要素がるのでそれを
毛嫌いされてる方はおすすめできないです。
でもそれは作者が女嫌いというわけではなく女という性に
思い入れがありすぎるからだと思われます。
それは作者の作品の「櫻の園」「吉祥天女」「イヴの眠り」
を読めばわかっていただけるはず。
なんだか吉田秋生リスペクトになりましたが
とりあえずバナナフィッシュはおすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-03-02 17:59:04] [修正:2006-03-02 17:59:04] [このレビューのURL]

志村貴子の漫画はセリフが少ないし
描きこみも少なくて淡白な画面なのだけれど
その余白に誰にもまねできない何かが詰まっているような
気がします。
写真のような背景、叫びに近いせりふ、濃い描きこみ、
嵐のようなトーンワークの漫画がよしとされつつある
この時代に余白で表現をできる貴重な存在。

載っている短編はどれも好きです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-02-14 18:56:37] [修正:2006-02-14 18:56:37] [このレビューのURL]