「punpee」さんのページ

総レビュー数: 104レビュー(全て表示) 最終投稿: 2016年02月06日

プラネテス同様、この作者は良い意味で読み手を裏切りませんね。

卓越した個性を感じる作者ではないですが、
本当に丁寧なストーリー進行、構成、そして間やセリフ、構図といった演出力が秀逸。
作品に対する真面目さ、真摯さがひしひしと伝わってきます。

何よりも特筆すべきは、
「愛」とは何か、
「死」とは何か、
「何故生きるのか」といった問題提起に対し、一つ一つ解答を提示している。
それもブレの無いプロセスと、秀逸な文章力と演出力を持ってして高い説得力を感じさせる。

少しだけ中弛みを感じなくもない奴隷編に関しては、若干の無駄があったのかどうか、
これから行きつく先次第にはなるが、現在連載中の漫画の中では、トップクラスだと思います。

良質で良心的な良作。
これからの展開や結末次第では、名作と語られる作品にもなり得ると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-12-05 20:58:45] [修正:2016-12-05 20:58:45] [このレビューのURL]

元祖・漫画家漫画。バクマン。の二人は、計算高すぎて鼻に付きますが、
まんが道は言わずもがな両藤子不二雄がモデルになっており、キャラクターへの不快感ゼロ。
不快感があるとしたら、武藤と初期の日上のみ!

それにしても主役2人が非常に愛らしいキャラクターでたまりません。
彼らは真っ向から、王道を愚直に描き続けます。
友でありライバルだという関係性が2人を強くしたのですね。

また、当時お二人が描かれた作品がそのまま掲載されており、当時の漫画文化を感じて面白いです。
決して当時の漫画自体が面白い訳ではないので、悪しからず。笑
やはり時代性があるのでね。。。

昔から藤子F先生は夢のある作品を描き、A先生はコンプレックスをぶつけたり、現実主義な作品を描いている風潮が伺えるので、興味深いです。
特にF先生の、ライオンと子鹿の作品はめちゃくちゃ優しい。笑

手塚治虫や寺田博雄、当時まんが道を真剣に目指した仲間との出会いが、本当にドラマティックです。
つくづくこの時代の漫画家は純粋に、真剣に漫画に臨んでた事が分かります。
「邪道漫画を目指す」なんて発言したら、テラさんに「ばかっ!!」と一蹴されますからね。

とにかく、過去の漫画家さんにリスペクトのある方、
漫画通(を名乗りたい)という方は必ず通るべき道でしょう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-06-28 21:55:28] [修正:2016-06-28 21:55:28] [このレビューのURL]

8点 DEATH NOTE

[ネタバレあり]

リアルタイムで読んでいた時のワクワク感は相当でした。
キャラクターも魅力があり、読み応えも十分で、画力も最高峰。

原点対象は言わずもがな2部です。
明らかにトーンダウンしちゃいましたね。
かなりメディア化された作品なので、ネタバレ気味感想でいかせて頂きます。

Lという素晴らしいキャラの喪失もあるのですが、2部は月も相手のニアも、リスクを恐れて全然自分から動かないんですよね。
人を動かして、思うように動かずに相手にヒントを与えるというパターンばかり。

1部は月もLも、リスクを冒しながらかなり自らアクションを起こしていたので、心理戦も余計に際立ったんですけど。

ただ、それを踏まえても良作の域だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-06-28 21:48:57] [修正:2016-06-28 21:48:57] [このレビューのURL]

これ、キャラクターデザインとか世界観とか作者の遊び心とか、ついでに言うと本の装丁とか、全体的にツボなんですよね。

ストーリーに関しては、情報量の多さと、時間軸が行き来するので、多少混乱気味なのが正直なところ。
早く整理して収束に向かってほしいのが本音。笑

女性作家との事ですが、アクションシーンは迫力があり、見応えがあります。
ただ、魔法使いという設定はあるものの、凝った魔法や設定では無いので、いわゆるジョジョやハンターハンターの様な心理戦や相性による能力系バトルというクオリティは期待しない方がいいです。
むしろワンピースの様な、能力は色々ありますが(相手をバラバラにしたり、相手をキノコにしたり、相手をパイにする等)、最終的には力任せな要素が強いです。

作品のセンスは1巻だけでも十分な試金石に出来るので、それでハマり、後は値段という敷居の高さをクリア出来れば、良い出会いになるのではないかと思っています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-06-28 21:46:07] [修正:2016-06-28 21:46:07] [このレビューのURL]

つくづく漫画は最後まで読んでみないと分からない。

最初の設定こそシンプルで、分かりやすいっちゃあ分かりやすいんですけど、
妖怪が現れては、なんだかんだ協力して倒すという展開が続くから少しだれてくるんですよね。
それは他のレビュワーさんも仰る通り。

それでも名作と評価が高い作品なので、信じて最後まで読み進めてみました。

シンプルと思えた設定に、壮絶な過去やドラマの味付けがされてきて、
気付いたらストーリーにも夢中になっていました。
これも他のレビュワーさんが仰る通り。

後はもう「怒涛」、「畳み掛け」という2語がピッタリな、
ラストバトルに向けた大いなる盛り上がり。
全部、他のレビュワーさんの仰る通り。


個人的にこの作者の描くキャラクターは、セリフや演出が臭く、あまり魅力を感じれなかったのですが、
この作品は、とらの喜怒哀楽に魅力を感じる事が出来ました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-06-21 22:42:20] [修正:2016-06-21 22:42:20] [このレビューのURL]

教師となった主人公が、少年時代のパラレルワールドにタイムスリップし、友達100人を作り、愛の尊さを証明するという物語。
20代半ば以上の男性ならノスタルジック感覚もあり、特に楽しめると思いますよ。

「プラネテス」よりももっとシンプルに打ち出した「愛」の哲学ですね。

小手先無しで真心に訴えかけるエネルギーのある作品です。
漫画が本当に好きなんだなぁというのが伝わってくるし、
小手先無しと言ったものの、漫画的な表現力、演出力には非常に長けた作家さんだと思います。
とよ田先生は、漫画界における良心ですね。

一話完結のストーリーもので、続けようと思えば最低100話は引き延ばせる設定の中、
中だるみも無く、描きたい事だけ描き、5冊で終わらせた部分も素晴らしいと感じました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-03-10 20:37:32] [修正:2016-03-10 20:37:32] [このレビューのURL]

8点 銀と金

引き延ばしや必要以上の比喩表現によるページ浪費が無い分、カイジより作品の完成度は高いですね。

シリーズ毎のギャンブルだけでなく、意外にバトルシリーズも緊迫感があります。
一番は画商編ですね。積み上げたロジック…!!

ちなみに私は、麻雀もポーカーもハッキリしたルールは分からないのですが、それでも全体を通して楽しめました。

特に麻雀編での「人間を飼う」という表現には狂気を感じました。
その中での勝つか負けるかの緊迫感は、本当にヒヤヒヤしましたね。

最後は消化不良の様にも思えますが、最後の最後に森田と銀さんが対等な関係になり、袂を分かったという見方をすれば、無しでもない様な気もしますね。
そう考えると、競馬編は惰性かもしれません。笑

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-03-10 20:27:45] [修正:2016-03-10 20:27:45] [このレビューのURL]

8点 SLAM DUNK

面白いのは間違いないです。
特に湘北メンバーのキャラクターが立ち出す中盤以降は面白い。

相手チームのキャラクターも魅力的です。
本当に全国で仙道が見たかった。。。

ラストの山王戦も素晴らしいです。
私はどちらかというと、主人公サイドより山王サイドに感情移入して読んでました。
絶対王者としての精神力に感極まるシーンが多くあった。

終わらせ方も綺麗で、良い余韻を残してくれていると思います。


終盤の素晴らしさは本当に傑作なのですが、
中盤までの中だるみ、ジャンプならではの試行錯誤感みたいなものも伺えてしまって、全体でならすと8点です。

あと個人的にですが、完全版34冊で一作品としての価値を考えてしまうと、一冊あたりの密度の薄さは残念です。
同じスポーツものでも、5冊で一切の無駄が無く完成した「ピンポン」等と相対的に評価してしまいました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-02-20 22:17:48] [修正:2016-02-20 22:17:48] [このレビューのURL]

8点 イムリ

私はこの作品に手を出すかどうか迷っていた中、
TAKO3さんの「作者はこの作品に命かけてるな、そう思わせるほど手がこんでいて練られた話だと思います」という一文で全巻購入を決めました。
結果、出会えて良かったと思っています。

この様な場所で失礼ですが、TAKO3さん、その他レビュワーの方、ありがとうございました。笑


ただ、この作品はあまり万人にお薦めはしにくいです。
設定、ストーリーにおける完成度は素晴らしいですが、正直、読み手が整理整頓しながら、慣れていくまでのハードルが高い様に思えます。
もちろん慣れていけば苦にならないですが。。。
この作品をおそらく作者の意向を汲んで連載し続けたBEAM誌の懐の広さにも敬意を払いたくなる位です。

漫画はあくまでも娯楽の一つであり、読み辛さや分かり辛さと付き合ってまで楽しみたくないという方は、特に手を出す必要は無いと思います。
悪戯にこの作品の評価が下がっていく怖さもありますので。笑


ドラマ「白い巨塔」や、映画「スターウォーズ」の政治的部分が好きな私は、この格差世界のドロドロ感がたまらなく好きです。
更に言うと、権力者側の人間が、自分たちの世界の不条理や非倫理性に気付き、葛藤する心理描写には本当に痺れ、胸が熱くなります。笑

若干の中だるみ感も感じるので、今後の状況に応じ、追加・修正は行うと思いますが、良作だと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-02-20 22:17:11] [修正:2016-02-20 22:17:11] [このレビューのURL]

計6話で構成された短編集。

何といっても表題にもなっている「ゴーグル」と、その前日譚になっている「海を見にいく」、この2作に尽きる。
この2作だけでも十二分に買う価値はある。

特に「海を見に行く」のラスト3ページのセリフと、その魅せ方は本当に心に沁みる。

この作者は心に病を抱えている人を描く事が多いから、一見地味で、重い作品になりがちだけど、最後は必ず救われるというところに、作者の人間性が感じられる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-02-13 18:35:14] [修正:2016-02-13 18:35:14] [このレビューのURL]