「橙木犀」さんのページ

総レビュー数: 63レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年05月29日

美しさ、思い出、幸福、愛情。
「貴方にとって“それら良きもの”とはどういったものですか?」と一話一話を通して尋ねられているような感覚を受けました。

登場人物が基本的に無表情なので、時折口元や眼差しに感情を浮かべたりすると、より心に染みてきます。
特に、市江さんが(見られていると気づいていない)藤井さんをそっと見つめている時の表情、(私的に)かなりときめいてしまいました。
市江さんの作る服をこよなく愛し、ありのままの彼女を受け入れる。
そんな藤井さんと市江さんのこれからの関係も楽しみです。

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[投稿:2011-05-20 23:08:29] [修正:2011-05-20 23:08:29] [このレビューのURL]

作品そのものは8点だと思います。
擬人化された国々がとても可愛らしくて魅力的です。キャラクターとして紹介されていても,まだ本編に登場していない国もありますが,彼らがどんな風にヘタリアの世界を駆け巡るのかが楽しみでなりません。
私自身は我が国・日本さんがダントツで大好きです!二巻目でたくさん登場していて嬉しかった〜。
真面目な意味でも,国際社会の見方を広げてくれたヘタリアにとても感謝しています。メディアで目にし耳にする今まで名前しか知らなかった国が,「単なる他国」でなくひどく身近な存在に感じられるようになったからです。日本と海外の国々の関係についての書籍を,今まで以上に読むようにもなりました。
作者の日丸屋さんが2巻の後書きで書いていた「この本で少しでも他の国に興味を持ってもらえたら」という気持ちに,応えることができたのではないかと思っています。

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[投稿:2009-06-06 13:03:58] [修正:2009-06-06 13:03:58] [このレビューのURL]

この作品を一言で言い表すなら、“自分の居場所,自分の気持ちを見失っていた少女が新たな居場所を見いだしていく物語”。

私自身は一子のように、自分の居場所や存在意義についてここまで深く思い悩んだことがないので、正直かなり戸惑いました。家族と一緒に暮らす生活に何の悩みもなく幸福を感じている私は,幸せな人間なのだろうなとつくづく実感します(単に考えなしなだけかもしれませんが(汗))。
でも、一子や古白が時折見せる陰りを、住人の一人である緒形健の息子・虎二郎の可愛らしさが明るく吹き飛ばしてくれているように感じます。
まだまだ物語は序盤なので、どんな風に彼らが絆を深め、関係を築いていくのかが楽しみです。

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[投稿:2009-05-15 22:05:40] [修正:2009-05-27 09:25:26] [このレビューのURL]

アーサー王伝説と,登場人物達の過去と今が複雑に絡み合う恋と冒険のファンタジー。
物語の舞台となるアヴァロンはファンタジーのイメージそのままに明るく華やかなのですが,時折歪で暗い影を落としています。その影はマナ達の住む現実世界とも少しずつ形を変えて繋がっているのですが,ヒロインのマナが素直で明るくて朗らかな女の子なので,悲しい話の時も不思議と落ち込まずに,「切ない」という読後感に落ち着いてくれています。
アヴァロン(“キャメロット”も含めて)とマナ達の世界にはお互いにそっくりさんがいて,密接に関わり合っています。
マナのそっくりさんはまだ登場していない(もしくは明言されていない)設定のようですが,私はたぶん彼女じゃないかな〜と予測しています。当たるかどうかが凄く楽しみ(笑)
あと,この物語でマナの恋人候補(現時点ではランスロットと仄かに両想い)はランスロットと智尋です。
ちなみに私はランスロット派。二人が寄り添っているときの,優しくほのぼのとした空気が大好きです!

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[投稿:2009-05-07 09:22:08] [修正:2009-05-07 09:22:08] [このレビューのURL]

どの章も全部面白いんですが、私自身が共感したり、特に面白いと思ったところについて、レビューします。
?本の貸し借りについて。約200年前の学者さん(誰かは読んでのお楽しみ!)が本の貸し借りのマナーについて、随筆に書き記していたなんて全然知りませんでした!こ〜いうのが古典の授業で出てきたら、凄く楽しかっただろうになあ…。
私自身は「そうだよね〜」「私も私も!」と、この学者さんの考え方にかなり共感しました(笑)
?校正さんの仕事内容。原稿の矛盾点や穴にツッコミをビシビシ入れられて、半泣きになっている作家さん達の様子が浮かんでしまった…。ただ、ここまで詳細に深く作品を読み込んで、原稿の完成度を高めているなんて、脱帽です。

他にも、本にまつわる様々なことが出てきていて、自分の読書環境と照らし合わせて読むと面白い章もたくさんあります。
あと、前作の「暴れん坊本屋さん」よりもBL的な描写が少なく、あってもソフトな表現になっているので、そういうのが気になる人も気軽に手に取れると思います。

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[投稿:2009-01-27 17:29:00] [修正:2009-01-27 17:29:00] [このレビューのURL]

ヒロインのともえちゃんは、女の私から見ても凄く可愛い!
素直で優しくて、ちょっと天然入っていて面白くて。
黒瀬さんが恋に落ちたときの衝撃が、そしてともえちゃんを想ってジタバタ悩みまくる気持ちが、とても自然に伝わります。
自分に自信が無くて自虐気味で、それでいて「ともえちゃんに会いたい、笑顔が見たい」気持ちばかり溢れてしまう。
ややストーカー気味かな…と心配になる黒瀬さんの暴走も、必死で一途な気持ちと何よりも彼女の気持ちを思いやる様子から、「頑張れ〜!」と思わず応援してしまいます。
結局二人の関係がどこに行き着くのか、そもそも関係を築くことが出来るのか全然予想がつかないのですが、二人にとって一番幸せな結果になるよう祈りたいと思います。

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[投稿:2009-01-23 20:54:38] [修正:2009-01-23 20:54:38] [このレビューのURL]

9点 天顕祭

購入に踏み切ったきっかけは、帯の推薦文を児童文学作家の上橋菜穂子さんが書いていたから。
でも、読み始めてすぐに「ああ、買って本当に良かった〜!」としみじみ思いました。
読みやすい作品とは言い難いですが、何度も繰り返し読むことでとことん魅力に浸ることが出来ると思います。
筆タッチで描かれた、生々しい大蛇や幻想的でありながらどこか畏れを感じさせる夢の世界。そして鳶の若頭の真中とヒロインの咲の強い絆が、この作品の素晴らしさだと思います。
特に私は、序盤から終盤にかけて様々な表情を見せる真中が、イイ男だな〜と思いながら読んでいました(笑)
頼りがいのある気の良い若頭の面やちょっと凄みを感じさせるとき、荒んでいた若い頃まであって、読んでいて咲が少し羨ましくなってしまいました(^^)
でも、咲ちゃんも可愛らしくて大好きですよ!

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[投稿:2009-01-14 15:41:35] [修正:2009-01-19 07:54:33] [このレビューのURL]

短編4作品が収録されていますが、やはり表題作がダントツで面白いです。
原作の「あしながおじさん」は主人公の手紙で話が進み、常に主人公の視点なのですが、この作品ではあしながおじさん役の
辺見千博の視点も入ります。
本当のことを何も話せず、傍にいても手紙の中でも伝えたい気持ちを伝えられず、煩悶する千博の様子が可笑しいようで切なくて…。
女学校生活を送るいつきが明るく楽しげで、見ているこちらも一緒に楽しい気分になってきます。
読後感の良い作品だと思いました。

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[投稿:2009-01-08 23:18:25] [修正:2009-01-08 23:18:25] [このレビューのURL]

もう、爽やかさと甘酸っぱさが最高な作品!
夢に向かってひたむきに頑張る、つばさのいじらしさにグッと来て、真っ直ぐにつばさを信じて励ます大介の男らしさにときめいています。
そして、1巻の中で“頑張ることに許可や資格が必要なのか”という視点を突きつけられたことに、衝撃を受けてしまった…。
私もつばさのように要領が良い方ではなかったので、正直かなり胸にグサッと来ました。
でも、ダメな自分をきちんと認め、前に進もうとするつばさを見て、とても励まされます。

今のところ、二人はそれぞれの目標に向かって互いに励まし合う関係で、まだまだ恋愛未満ですが、どちらかと言えば大介の方がつばさを意識しているように感じます。つばさは無意識のうちに彼に惹かれている感じかな。
初々しい二人がどんな風に関係を深めていくかが、気になって仕方ない(笑)
互いの友人同士の恋愛模様も、どうなるかが楽しみです。

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[投稿:2008-12-30 20:36:13] [修正:2008-12-30 20:36:13] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

半妖の少女達と陸軍少尉がペアを組み、妖怪達が起こす不可思議な事件に立ち向かう…ということですが、主な内容はペア同士の心の交流(恋愛含む)です。
割合的には、交流話:事件関連(戦闘描写)=7:3といったところでしょうか。
私自身が一番好きなのは、勝ち気でお転婆な主人公のざくろと総角景(あげまき けい)のペアですね。ざくろが見た目王子様な景にときめいたものの、ヘタレで怖がりだという彼の本性(笑)を知って幻滅するという、マイナスの状態からの関係。
でも、任務や日々の生活を通し、思いやりがあって誠実で優しい景の別の面を知っていくことで信頼関係が深まり、恋愛の兆しも見せ始めています。意地を張って反発したり、赤面したりと色々な反応を見せるざくろに対して、景の方は朴念仁なので恋愛に関しては今ひとつ…。ゆっくり関係を育てていってほしいものです。
他にも、少女漫画調の純愛カップルな芳野葛利劔(よしのかずら りけん)&薄蛍(すすきほたる)や、明朗活発な双子の鬼灯・雪洞(ほおずき・ぼんぼり)&自信家だが素直な面もある花桐丸竜(はなきり がんりゅう)のペアなど、それぞれに関係がどうなるかが楽しみですね。

気になっているのが、人間側の勝手な改暦によって妖怪達が問題を起こすようになったという話。人間側は妖怪をないがしろにしたからだと考えているようですが、私はそれだけではない気がする…。それに、ざくろの名前の漢字が一般的な「柘榴」ではなく「西王母桃」なのも、深読みしたくなります。ざくろとざくろの母親の秘密も物語の主軸のようなので、自分なりに想像しながら展開を追っていきたいです。

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[投稿:2008-12-12 08:33:29] [修正:2008-12-12 08:33:29] [このレビューのURL]