「橙木犀」さんのページ

総レビュー数: 63レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年05月29日

切なくて、哀しくて、胸がぎゅっと締め付けられるような、それでいて温かな気持ちになれる作品。

あの時、思い切って声をかけていたら。
あの時、手を伸ばして相手に触れることが出来たら。
そしたら、お互いにもっと幸せになれていただろうかと、読んでいて考えずにいられなくなるときがあります。

異能の力を持つ人も、心に傷を持つ人も、そして悲しい想いを胸に秘めた異形の者達も。
みんな、誰かに伝えたい想いがある。
触れ合いたい誰かがいるのだと。
儚げで繊細な線が、その想いを静かに引き立ててくれます。

一話完結のシリーズものですが、1話も読み落としたくない!
とても魅力的な“あやかし契約奇談”をたくさんの人に是非読んでもらいたいです。



ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-10-26 00:02:22] [修正:2007-10-26 00:02:22] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

収録されている作品の趣向それぞれに特徴があるので、読んでいて全く飽きません。得られるものも、スカッとした爽快感か、ジーンと胸に広がる感慨か。
はたまた違うものが見えてくるのか。
私の場合、何度も読み返すうちに、5作品全てが1つのテーマで貫かれているように思えてきました。


憎しみと哀しみの糸で操られる美しき姫君と本気で戦おうとしない忍びが織り成す活劇「からくりの君」。

手に入れたいものを手に入れるために強さを求めながらも、握られたままの拳で何も掴めない自分に苦悩する武術家が、新たな道を見出す物語「掌の歌」。

夜に潜む己の内にある恐怖と向かい合おうとする少女。
そして、自分の中にある心の闇から目を背け、迷い続ける探偵。
そんな二人が桜舞い散る夜に出会い、自分にとっての夜の闇と対決する怪奇ロマン「夜に散歩しないかね」。


上記の3作品も、残りの2作品も「自分と向かい合う」ことがテーマのように感じます。
自分から踏み出すきっかけも、巻き込まれた中で与えられるきっかけも、がむしゃらにやり抜ければ、最後はどっちでもいいんじゃないかな。
読んでいて、そう思えました。







ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-07-13 11:11:39] [修正:2007-07-13 11:11:39] [このレビューのURL]

主人公の関根くんは2巻まで、ひたすら痛々しいです(端から見たら不憫すぎて逆に面白いのですが)。
自分の心にも周囲にもきちんと向き合ってこなかったため、遠くから眺めている分にはとても魅力的で満たされているように見えるのに、彼の内面に近づけば近づくほど本当は空っぽで痛々しいのが分かってしまう。
ところが3巻目で関根くんの内面に大きな変化が!彼が自分の気持ちを自覚して意識的に行動したのって、これが初めてなんじゃないかっていうくらい不器用ですごくハラハラしてしまいます。
関根くんがそんな風に変われたのって、サラちゃんのおかげなんだろうなとしみじみ思います。これまで関根くんの周囲にいた人たちは基本的に、外から見た印象と勝手な思い込みに留まり、彼の内面に踏み込もうとも、まっすぐに向き合おうともしてこなかった。けれども、サラちゃんは関根くんについて不思議に思ったこと・良くないと思ったことを本人に指摘し、彼女なりの方法と言葉で向き合ってきた。関根くんにとってそういうことしてくる存在、(特に女性では)初めてだったんだろうな?。
3巻での彼の空回りっぷりが可笑しくて気の毒で、そしてなんだか愛しく思えます。関根くんの恋が実を結びますように!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-02 16:58:28] [修正:2011-12-02 16:58:28] [このレビューのURL]

表紙の絵の美しさに感動して、即購入しました。
作品全体の詳細な描き込みが美しく、まるで自分が十九世紀の中央アジアに飛び込んだような気がします。
基本的に登場人物みんなが朴訥な良い人々で、読んでいて気持ちが良いです。
特に、作者の趣味が詰め込まれているヒロイン・アミルが凛々しくも可愛らしくて、格好いい!とうっとりしつつ、ほのぼのとした気持ちにさせてくれます。

一巻目は物語の背景・設定をじっくり描いている部分で終わっています。二巻目からお話が動き出すんじゃないかな?
物語の展開次第で、すぐに8点9点に跳ね上がりそう。
期待大な作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-10-25 13:46:07] [修正:2009-10-25 13:46:07] [このレビューのURL]

この作品の魅力を一言で表すなら「ももちゃんが可愛い!」につきると思う(笑)

岡本家の面々がももちゃんを過保護にしてしまう気持ちがよーく分かりますよ,読んでみたら。
なんて言うか…,自分を頼って欲しいとか,世話を焼きたくなる感じがする女の子なんですね。
自分には下に弟が一人だけなんですが,こういう子なら妹に欲しいな〜としみじみ思いました。
あとがきで「いつかまた機会があったら続編などを描くかもしれない」とあったので,それも,のんびり楽しみにしています。
とりあえず今は,この作品のまったりふわふわした雰囲気と読後感を満喫しようと読み終えて思いました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-05-07 18:05:58] [修正:2009-05-07 18:05:58] [このレビューのURL]

絵の美しさとユネの一途な頑張りに心打たれる作品です。
作品の中で描かれる日仏文化の対比は、たぶん現在にも通じるものがあるように思えます。
特に、クロードが語るフランスでの店と客の意識の持ちようには、日本とかなりギャップがあって、ユネでなくてもかなりの衝撃を受けるはず。
しかし、主人であるクロードがユネを猫かわいがりするでなく、日本の慣習や文化を全否定するでもなく、ユネの言動をきちんと受け止め、彼女の気持ちを考えていて、読んでいてとても気持ちが良いです。
主人と奉公人であり、今のところ兄と妹的な面も見せるクロードとユネの関係が、どう動いていくのかがかなり気になります。
あともう一つ気になるのが、ユネって一体何歳なんだろう…?
何にせよ、2巻が出るのが凄く楽しみです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-01-29 10:06:29] [修正:2009-01-29 10:06:29] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

クラシック畑だった薫が惹きつけられ、千太郎に引きずられるようにのめり込んでいくジャズと、少年少女のすれ違いがちな切ない想いに彩られた作品。
作品紹介にあるように、まさしく“眩しくてほろ苦い、直球青春物語”です。
主人公の薫や、彼を振り回す千太郎の内面に影を落としている家族の秘密も気になりますが、やっぱりドキドキするのは千太郎の幼馴染みの律子も含めた3人の関係。
最初利己的な側面を見せていた薫の恋が、律子の素朴な優しさと一途な想いの強さに触れ、好きな人を丸ごと受け入れて支えたいと願う愛に昇華されていく様子は読んでいて凄くときめきます。
海の水面に降り注いできらきらと輝く、太陽の光のような彼らの関係から、いろんな意味で目が離せません(笑)
みんなが幸せになってほしいと、読んでいてしみじみ感じます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-01-07 08:29:51] [修正:2009-01-07 08:29:51] [このレビューのURL]

「うしおととら」「からくりサーカス」にあって、この作品に足りない何かがあるような気が、3巻の現時点ではしています。
でも、それを補って余りある熱さが、この作品の魅力だと思います。
読んでいて一番印象深かったのは、1・2巻の条例執行後に、お伽話の登場人物達に向けた月光の笑顔。
普段すごい凶悪面やひねくれ顔なのに、すごく格好いい素敵な笑顔を浮かべていて、最初目にした時、かなりドキドキしてしまいました(笑)
どのような流れで物語が紡がれていくのか、今のところ全く分からないのですが、藤田先生の力を信じて最後までついて行こうと思っています。
ただ、3巻でのエンゲキブの暴走ぶりには、ちょっとひいてしまったかな…(汗)

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-12-29 21:08:35] [修正:2008-12-29 21:08:35] [このレビューのURL]

少年漫画onlyだった私に少女漫画の魅力を教えてくれた、恩人ならぬ恩漫画(笑)です。

透が語りかけてくれる言葉一つ一つが、見返り無く与えてくれる優しい微笑みが、とてもとても愛おしかった。
漫画を読みながら泣きたいくらい嬉しく感じたのは初めてだったので、衝撃的でした。

重くて、暗くて、悲しくて、痛々しくて。
そんな展開になっても、透のひたむきさは、一途な想いは輝いていたと思います。
透のあったかさは周りのみんなだけでなく、私達読者も包み込んでくれていたんじゃないかな。
少なくとも、私はとても癒されて、励まされました!

あと、もう一つ!
この「フルーツバスケット」は私に“萌え”を教えてくれた漫画でもあります(笑)
もう、夾を意識しだした頃からの透の可愛らしさに、なんど身悶え(自室でこっそり…(汗)したか分かりません!
一度でいいから、透をギュ〜ッと抱きしめてみたいと思わずにいられませんでした。

透が幸せになってくれて、本当に良かったです。



ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-07-15 01:13:21] [修正:2007-07-15 01:13:21] [このレビューのURL]

私が漫画にハマッた原点の作品です。
続きはどうなるんだろうと、弟と一緒に中古書店を漁って回り、書店を巡ったことが懐かしい(笑)

壮大なストーリーや魅力的なキャラクターについては、皆さんお書きになっているので、ここではもう言いません。
私がどうしても主張したいことは、『うしとら』が少年漫画で「愛」の全てを物語を通して語った名作だということです。
親が子に注ぐ愛。
互いを支え合う兄妹の愛。
心から大切な人を想い、守り抜こうとする恋人達の愛。
色んな、ほんとにたくさんの愛が、思いがこの作品には溢れているように思います。これを少年漫画で、わざとらしくなく物語として描いている。本当に素晴らしい傑作だと思います。

ただ、時々物語の設定の辻褄が合わなくなることが欠点かな(汗)
何にしても、少年漫画の王道であることに間違いはありません。
日本人に生まれて良かった!と、この作品を読むたびに思い返します。


ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-07-03 10:43:38] [修正:2007-07-03 10:43:38] [このレビューのURL]

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