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総レビュー数: 89レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年07月02日

ホラー好きで怖がりな俺にはかなりうれしい漫画だった。ホラーっぽいミステリーという感じなのだが、基本的に全然怖くはないし、理不尽にいい奴がやられたりもしない。犠牲はもちろん出るのだが、それでもそれぞれの物語の主人公とそれに近しい人は生き残るという、まさに少年誌ホラーと呼ぶのにふさわしいと思う。

また、夢や希望を持ってそれに向かって努力すれば必ず叶うというテーマが選ばれたことも多い。もちろん、皆が皆幸せになるというわけではないのだが、必ず努力や誠意に対する何らかの報いが受けられるようになっている。逆に約束を破ったり、倫理的に許されないことをする人物には、必ず何らかの報復が待っている。現実を知っている大人には難しいかもしれないが、子供のころにこのような漫画を知るというのはいい影響があるのだろうと思う。

漫画全体で怖い話がないというのは、その絵柄のせいでもあるかもしれない。よくある暗くて濃い雰囲気ではなく、ホラーとしてはさっぱりとした絵柄なのであまり恐怖を感じることがない。それらの絵はキャラの動きが感じづらく、格闘シーンなどには臨場感がないと言っていい。また、物語も先を読みやすすぎるかなという印象もあった。基本的にいい奴が得をするというのもあるし、他の短編小説や漫画で見たような話が多かったのだと思う。

不満点を少し細かく書いてしまったが、それが漫画の評価をそれほど落とすものではないので、かなりお勧めの漫画の一つ。

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[投稿:2007-08-23 01:18:42] [修正:2007-08-23 01:18:42] [このレビューのURL]

物語はゲームと全く同じで、ゲームでは描ききれなかったことを漫画で補完しているという感じ。ゲームだと流れが分かりにくかった部分もしっかり描きこんであり、物語が違和感なく進んでいく。だが、そのせいなのかどうかは分からないが、物語の進行がかなり遅い。挿絵を見る限り2までは確実に進みそうだから、カナリの巻数になってしまいそう。

原作が好きなら楽しめると思うのだが、漫画自体は上手いとはいいづらい。一番気になるのは、キャラやロボットを魅せる場面で全く魅せることができていない。サクラ大戦はベタベタなかっこよさが売りだと思うので、魅せるところを魅せられないのはかなりの減点だと思う。

原作が好きなので6点をつけるが、原作を知らずに読んだら5点をつけるのも厳しいかもしれない。

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[投稿:2007-08-22 00:43:27] [修正:2007-08-22 00:43:27] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

昔はあの絵を受け入れることができなかったが、この度少しずつ何ヶ月かかけて読んでみた。読んでみると、あの濃い絵も全然気にならなくなり、と言うよりジョジョはあの絵でなくてはいけないと思うようになっていき、あの独特の台詞回しもなんとも形容し難いが味があり、ジョジョはこれなんだと思わせる。

本格的な能力バトル漫画の先駆けと言われるスタンド能力というアイディアは、インフレを防いだりバトルに多様性をもたらしたりと、能力の多少無茶な使い方はあったにせよ、本当に上手く機能していたと思う。

第5部までなら確実に8点以上つけるのだが、第6部のラストはどうにも高評価することができない。一番気になったのはウェザー・リポートの使い方で、最後の最後で後付けしてポイッとその能力で倒すのはどうかと思う。

何はともあれ、この高い平均点は過剰だと思うような内容ではなく、読んでいる間はかなり夢中になった。俺のように、あの絵のせいで読み始められないという人は、少しずつでもいいので読んでみるといいと思う。気がついたらハマっているから。

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[投稿:2007-08-19 00:07:51] [修正:2007-08-19 00:07:51] [このレビューのURL]

好きな人は好きなんだろうな、こういう漫画もSMも。

個人的な評価をしようにもいまいち分からん。一気に読んでしまったから、引き込まれるものはあるのだろうが、全然面白かったとは思わない。

知り合いからはやたら評価が高かったが、よく思い出してみればグロイグロイ言ってただけで、別に漫画自体の評価ではなかったのかなと思ってみたり。

自分的な評価も分からないので、とりあえず一気に読ませるということで「+」、読後に面白かったと感じなかったということで「−」。「±0」と無理やり考えて5点にしてみた。

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[投稿:2007-08-14 15:16:50] [修正:2007-08-14 15:16:50] [このレビューのURL]

ネットでうろうろしているときに、たまたま入ったサイトでべた褒めされていたので読んでみた。ファンならべた褒めするのは当たり前かもしれないが、そこまでの漫画ではなかったかなという気がする。

まず絵がすごく微妙。描き込んであるところはいいのだが、その他の部分でキャラたちの動きを感じられない。

また、具体的に何がと問われると困るのだが、物語全体で古臭いという印象が常についてまわる。古い漫画なんだから古臭いのは当たり前なのだが、この作品よりかなり前の手塚治虫作品を読んでみても、これほどの古臭さを感じることはない。傑作というのはやはり何十年たってもそんな古臭さを感じさせない作品だと思う。

ただ、最近特によくある、人気だから無駄に物語を引き伸ばしてしまおうというようなことがないのは、読み手としてはすごくうれしい。最終巻のスピード感のある展開にはかなり引き込まれた。

6点をつけるのは過小評価しすぎな気もするが、7点をつけるにはまだ何か足りないような気がする。この評価を決めたところには、この漫画を読んでいる途中に休息をはさんだということがある。漫画大好きな俺が5巻程度で休息をはさんでしまうような漫画には、さすがに7点をつけることができない。

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[投稿:2007-08-12 19:33:06] [修正:2007-08-12 19:33:06] [このレビューのURL]

個人的に最も笑える漫画。
この笑いに10点以外はありえない。

1〜4、5巻くらいまでは古臭さがただよい、何だかなぁという展開が続くが、それ以降爆発的に面白くなる。特に10巻台中盤からは神がかり的に面白くなり、そのテンションがラストまで続く。と、書いているとギャクばかりのようだが、基本的には不良漫画なので、長いイベントでは喧嘩が主軸になっている。それらのイベントでは感動的な場面もちらほら。

ギャグパートでは物語序盤で登場した中心的なキャラたち(三橋、伊藤、今井、谷川、理子あたり)が、それぞれの場面で見事に個々の役割を演じ、飽きさせない。また、シリアスパートでも彼らやサブキャラ、敵キャラたちがよく立っており、物語の流れに沿って上手く動いてくれる。

問題を一つ挙げるとしたら、キャラを描き分ける力が劣っている。例えば、読み慣れなれていないと良くんと高崎の区別がすぐにつきづらいのと、よく出てくる子以外は女の子が全員同じに見える。ってか、同じ。ただ、漫画自体の面白さには関係ないので減点対象にはしなかった。

人生で初めて窒息しそうになるほど笑った。
そして、今後これほど笑える漫画に出会うことはないだろうと思う。

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[投稿:2007-07-02 16:41:25] [修正:2007-07-28 05:54:16] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

書いてたら長くなった・・・
超ネタバレなので気をつけてください。

タイムトラベルものは難しいと分かっている。
全く矛盾を出さないなんてことは不可能に近いかもしれない。

原作を読んでいないし映画(この時はアニメはまだ)も見ていないので、漫画を読んだだけでの感想になるのだが、どうしても分からないことが数点ある。その中でも一番疑問に思うことが下の点だ。

未来から跳んできたケンは、どのように和子の記憶を改ざんしたのだろう。この漫画でのタイムトラベルの設定では、自分が過去や未来へ行ったとしても、自分は現在の姿のままである。未来から事故により跳んできたケンは、偶然和子に会ってしまい、それにより未来が変わるのを防ぐためにその偶然を必然であるかのように、昔からの顔見知りであるように和子(というかそれに伴い回りの人たち全部)の過去の記憶を改ざんした。

そして、過去の記憶ではケンは当然少年の姿である。そのケン少年はどこから連れてきたのか。まさか未来から連れてきたなんてことはないはずだ。なぜなら、未来から連れてこられるのならば、当然タイムトラベルの事故のことを知ることになるからだ。それを知っていて事故を起こすようなヘマをするとはとても思えない。

そもそもの話、なぜ初めからそんな大掛かりなことを試みようとしたのだろう。偶然に出会っただけなのだから、適当に流してその場でさよならすればよかったのではないか。人間一人の人生を作る(周りの多くの人間の記憶に残る)よりは、人間一人のほんの一瞬の記憶に残るだけの方が、明らかに未来は変動しないと思うのだが。

いや、仮に変動が大きかったとしてもそれを知る術はない。結局未来など分からないのだから、わざわざ面倒をするよりは、未来からの応援を待って、ラストのようにケンがそこで和子に会わなかったことにした方が確実であるし、何の苦労もない。

しかも、ラストはケンが和子との出会いをなかったことしたのだが、そうすると当然和子のタイムトラベル能力は失われる。だったら、なぜ和子のタイムトラベルによって結ばれた先生二人が結婚しているのだろう。まあほんの少しの時空の揺らぎがその後二人を結ばせたとも言えるかもしれんが。

一番疑問に残ることとか言いながら三つくらい書いてしまったが、何にせよこれらのことが読後、完全に頭に引っかかり、いい漫画特有の読後のすっきりとした気分を全く感じることができなかった。原作ではこれらのことは説明されているのだろうか。時間のあるときにでも読んでみようと思う。

ところで、漫画だけの話をすると、ちょっと画が下手すぎる。ヒット(したのか?)映画の漫画化とかの場合、画が上手いことなんて殆どないのだが、それにしても酷くないか。話が決まっているのだから、作成中は画のことだけを考えられる分、普通の連載作家に比べて格段に労力は少ないはずだ。それなのに、最も大変であろう週刊誌の作家たちのほぼ全てより明らかに劣っている。

全体的な内容も何だかありがちでスカスカ。タイムトラベルものは多くのメディアで扱われているだけに、普通じゃ納得できないせいもあるのだろうが、それにしても・・・という感じ。漫画のせいなのか、映画のせいなのか、原作もこんなもんなのか。今思ったけど、スカスカって続けるとカスになるんだね。発見。

ってか、俺が1点をつけた他の漫画たちより明らかに下だ。
テニプリの方がむかつくけど断然楽しめますよ、コレ。
というわけでめでたく格上げです、テニプリ。

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[投稿:2007-07-28 05:09:41] [修正:2007-07-28 05:09:41] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

人生で一番初めに読み、一番多く読み返した漫画。
なにせ、生まれるはるか前から家の本棚にあったから。

うちの父さんは基本的に漫画嫌いなのだが、何故かエイトマンと手塚治虫作品だけは結構な数を所有していた。その中でも特に俺の子供心に響き、今でも思い出すだけで感動がこみ上げてくる作品が、このジャングル大帝。

当時、いきなり主人公レオの父親パンジャが死んだ時は、ええっ、イキナリ死んじゃうのか・・・と、今なら演出と理解できることが、子供心に酷く悲しかったのを覚えている。

その後、ジャングルを開発しようとやってくる白人たちや現地の黒人たちと反目しながらも、人間と心通わせ、人間の言葉まで話せるほどに人間を愛したレオ。初めてしゃべったシーンなんかは本当に心を打ってくれる。

ラスト(と言っても父さんの所有していた単行本のラスト)のムーン山への挑戦で感動は最高潮に達する。伝説に謳われるムーン山、その自然とそれを制覇しようとする人間との戦い。人間を愛する故、人間の側についたレオや人間たちを容赦なく襲う自然の驚異。

その驚異に人間が抗う術もなく、一人また一人と去っていく。猛吹雪の前になす術もなく、ひげおやじとレオ二人になってしまう。最後には自分の毛皮と肉を使ってくれと、命をかけてひげおやじを助けるレオ。

人間は結局自然に打ち勝つことはできないのだろうか。そう、それが手塚治虫先生の伝えたかったことなのだろう。自然に打ち勝てるものは自然しかないのだ。レオの命という自然、それと引き換えにひげおやじと読者全てにそれを伝えようとしたのだろう。

戦争を生き延びた手塚治虫先生が読者に伝えたかったその言葉。レオを通じて日本中の読者に伝わったことだろう。そして、世代を超えて今の世にもこうしてそのメッセージを受け取る人間がいる。手塚治虫漫画の恒久的なその効果。なんと素晴らしいことだろう。

今思えば、父さんが漫画嫌いになってしまったのは、子供の心の形成に一役かうであろう少年漫画雑誌に、このようなメッセージのこもった漫画が減ってしまったからなのではと思う。人間と人間、自然と自然、そして人間と自然。それらの繋がりを問う少年漫画が今の世に何と少ないことか。小学生の頃、家でジャンプ禁止令が発令されたことも今なら納得できる。

将来俺に子供ができた時、父さんの伝えたかったことが本当に理解できた時。
俺はジャングル大帝をその子に読ませるのだろう。

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[投稿:2007-07-27 13:51:28] [修正:2007-07-27 13:51:28] [このレビューのURL]

8点 PLUTO

浦沢直樹風、手塚治虫。

原作を読むと違いがよくわかるのだが、序盤から伏線や謎のオンパレード。(原作は1巻だけだから違うのは当然だが)相変わらず続けて読みたくなってくる作風だ。浦沢先生は序盤の物語の作り方が本当に上手いと思う。あんな風に描かれてしまうと、途中で止まれなくなる。

まだ物語は続きそうなので、20世紀少年のようにダラダラと続くのだけは避けてほしい。原作ものなのでその辺は大丈夫だと信じたいが。

また、ロボットと人間の境界に関する描写がすごく興味深い。原作だとロボットはロボット、人間は人間でハッキリと描き分けてあるが、この作品だとより人間に近いロボットが数体出てくる。それに伴うロボット側の苦悩や、生まれようとしている感情の表現は、考えさせるものがある。

ありがちではあるものの、ノース2号の話は胸にくるものがある。

何はともあれ今後に期待したい。
連載中なので今後点数は変動させます。

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[投稿:2007-07-27 01:08:17] [修正:2007-07-27 01:08:17] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

志々雄編まではかなりよかった。

葵屋に攻め込んだ十本刀(というかヘンヤ)がしょぼすぎだろうというツッコミは置いておいたとしても、左之助、刃衛、蒼紫&御庭番衆、雷十太、斉藤、志々雄&十本刀と個性的で、かつ魅力ある面々が敵や味方として登場し、それぞれの話の中でそれぞれの役割を演じてくれたと思う。雷十太は微妙だが。

縁編も剣心の過去や人斬りから流浪人になったいきさつなどの物語だと思えば、そうあって然るべきなのかもしれないが、全体的にうだうだしすぎていた気がする。また、敵キャラ達にインパクトは多少あるのだが、全体的にしょぼすぎる。何なんだあの意味不明な動機は。

かと言って、全体の評価をそれほど下げるものではないと思うので、基本的には全巻通して結構お勧め。

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[投稿:2007-07-26 05:03:12] [修正:2007-07-26 05:03:12] [このレビューのURL]