「columbo87」さんのページ

総レビュー数: 284レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年04月28日

マーベル邦訳でなかなか「大当たり」に出会わないなと思うこの頃、そういえばデアデビルさんなんてDCキャラっぽいし行けるかもと思い購入。フランク・ミラー原作デビッド・マズッケリ作画といえばバットマン:イヤーワンのコンビ、これなら外れはない!

物語はいきなりデアデビル失墜から始まるので面食らうかもしれないが、映画を見てればまず問題ない程度。
キングピンの策略によって全てを失い、どん底に突き落とされるマット・マードック(デアデビル)と、ドラッグほしさに彼を売ったかつての恋人カレン。二人の復活が描かれる。

一度はバラバラになった友人たち、それぞれの戦いやマードックとの絆が熱い!
生まれた場所にたどり着き、己のアイデンティティーを再認識するマードック、恐れを知らない男への復活!古典的だが熱い!
そしてカレンもまた許され救われる(この辺はミラーの描く女性像ってワンパターンだなとか思いつつ)。
これまで一緒に堪え忍んできた読者に見せつけてくれるであろう逆転劇への期待が高まる!

・・・しかしこのあとの展開はちょっと「どうして?」という感じ。
暗い時期が長くて人気が出なかったのか?明らかなテコ入れ、あのキャラ出てくる必然性があったの?DKRでスーパーマンが出てきたのとはワケが違うぞこりゃ。
そして幕切れもちょっと不満。なので6点くらいか。

ミラーでも結構制約されんのかな、マーベル作品はもういいかな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-15 17:37:42] [修正:2011-10-16 02:47:06] [このレビューのURL]

あのジャックカービーとスタンリーの伝説的コンビの作品が読めるなんて!といわれてもよくわからない。60年代のソーの外伝的作品集。
北欧神話ベースのアメコミで、オーディンの活躍からソーの少年期、仲間たちとの冒険劇を多数収録。予備知識も要らずにさくさく読めるのは良し。
イメージとしては学校の図書館にあった「漫画で見る古事記」みたいな感じで、好きなジャンルなのでよかった。
アメコミの資料的価値もでかい。

「キング」と呼ばれるカービーのアートを楽しむものだのでアメコミファン以外には需要無さそう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-15 17:39:12] [修正:2011-10-15 17:39:12] [このレビューのURL]

よかったところ:フランク・チョウによるMsマーベルのケツ。
あとはひでえ、なんだこれ。

「コレクティブ」ではHOMで失われたミュータントパワーの顛末が明かされる。明かされるのはいいんだけどさんざん引っ張っといてなんだよこれ、というラスト。X-MENメインにならないのはいいとしてマグナスとかの使い捨てっぷりが酷い。
一般的なイメージの「アメコミ」の典型という感じ。

ニューアベンジャーズの紹介とcivil warに繋がる部分を見せたかっただけな感じがする。非常にまとまりがない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-15 17:11:50] [修正:2011-10-15 17:11:50] [このレビューのURL]

エルフやら信長やらがでてくるよ!

ヒラコーはTRPG好きだったと思うが、これは脳内TRPGを漫画にしてるのではないかと思う。世界観の融合が非常にゲーム的。

これならネタにはしばらく困らないだろう。二巻はおおむね良し。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-23 22:56:13] [修正:2011-10-13 17:30:48] [このレビューのURL]

スーパーヒーローに憧れるオタクが本当にコスチュームを買って夜間徘徊するという・・・
このあたり、子供のころヒーローごっこしてたものとしては胸をかきむしられる。

設定としてはそれほどぶっ飛んだものではなく、日本人の感覚でも結構すんなりと読めるのでオススメ。
というか、歴史の長いシリーズものじゃなくて独立した作品だからメチャクチャ読みやすいっていうのがデカイw


途中からスーパー父娘が登場して雰囲気が変わりますが、全編に渡り徹底してリアリズムを追求した(この内容でリアリズムどうこういうのも気が引けるが、話の筋は一貫していると思う)内容になっているので、爽快なヒーローものを期待しちゃうと非常に後味が悪いです。
ただこの作品がどういう方向を目指しているかは最初の導入で十分に提示されるのでそんなに混乱することはないんじゃないかと・・・



あと、映画と比較して見ると面白い。たぶんどっちから先にみても問題ない。
ぼかあ作品としては漫画の方が好みだが、細かい設定や心理、人間描写のリアリティは映画の方が勝ってるとか思ったりする。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-04 20:27:59] [修正:2011-10-04 20:27:59] [このレビューのURL]

ロングハロウィーンの続編、こちらでもまだまだ前作を引きずって、トゥーフェイスはじめフリークス、ファルコーネファミリーが暴れまわる。
今回の敵は「ハングマン」。警官ばかりを狙う連続殺人犯です。

ミステリーとしては前作よりも薄い感じ。じっくり謎解きをしながら読んだわけでは有りませんが、ロンハロのオチが衝撃的で読み返してしまったのに比べると、まぁ予想通りの内容。

今作ではボーイワンダーことロビンが登場します。シリアスなバットマンと、ロビンみたいな色の濃い(二つの意味で)キャラを組ませると、どうしても雰囲気が崩れてしまうのではないか、ティム・セイル自信にそういった危惧があったそうですが、さすがジェフ・ローブといった感じで説得力のある落ち着いた内容になっています。
というかロビンの登場から一連の流れはダーク・ビクトリー一番の見せ場だと思います。ブルースとディックの対比シーンがかなりグッと来る、アルフレッドがいい味を出していて、これだけでも買う価値あり。

ティム・セイルのアートもかなり上達しています。クセのある絵ではあるが個性として万人受けする感じになっていて読みやすい。

個人的にはロンハロよりも好きですが、やはり前作を読まないとイマイチ掴めないかなと思う。殆どのキャラがロンハロから引き摺って登場しますし、ディックに正体を明かす動機付けも前作読んでないと唐突に感じるかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-03 03:44:58] [修正:2011-10-03 13:49:34] [このレビューのURL]

7点 JOKER

タイトルの通り、全編通してジョーカーだらけ。チンピラのジョニーの目を通して、ゴッサムの狂気ジョーカーを描いた作品。


このジョーカーは、口が裂けていたりあんまりジョークを飛ばさなかったり、いつにも増して完全に狂ってたりする。そんなあたりヒース・レジャー版のジョーカーと似ているので、映画「ダークナイト」が好きなら読んでみるといいかも、なんとなくその後の話としても考えられる。
 一方バットマンは殆ど出てきません、あくまでJOKERの物語なので。買ってみて騙された!などと思わないように。

面白いのはジョニーの役回りが、ヒーローに憧れるオタクではなくヴィランに憧れるチンピラというところ。ジョーカーの相棒になったと調子に乗ってクロックに吊るされちゃうところとか、俺は頭脳派の出世タイプだから・・・とか思っちゃうのが小市民的で笑える。

ベルメホのアートも結構見もの、スタイルを使い分けて視線誘導や時間演出を効果的に行っている。漫画的になったり、映画的になったり・・・アートだけでも見ていて飽きない。ジョーカー好きなら買って損は無い一作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-02 23:04:47] [修正:2011-10-02 23:07:59] [このレビューのURL]

ハウスオブエムはあまりお勧めしない。
まず、僕ぐらい初心者だと一体この話は何がしたいのかがわからない。多分前後の展開を体系的に理解して初めてこの作品の価値がわかるので、単体で読んでもピンとこないというのが実際のところでしょう。
それと、要求される知識だけが問題ではないです。作品としても「どうなの?」という感じ。


簡単にネタバレすると、スカーレットウィッチつうおなごの持つ現実改変能力が暴走してアベンジャーズのメンバーが死んじゃったり、その後のストレスで世界全体が改変されちゃったりします(迷惑すぎ!)。
彼女いわく改変後の世界はみんなの理想の世界ということで、まぁこのあたりはキャラクターを知ってるとおもしろい。ピーターがMJと結婚してなかったり。

ポイントとしては、ウルヴァリンの記憶が戻ることです。理想の世界において長年の記憶喪失が解消されるんですね。
以前の世界の記憶を一人だけ持っている、なんていうとウルヴィーが頑張って、気狂いだと思われながら元の世界を取り戻すために孤軍奮闘するのかな、なんて思うわけですが、そうではない。

なんと、改変前の記憶を復活させる能力をもった子がでてくるんですね(えー
まぁそれもスカーレットウィッチの意思・・・らしいのですがそのへんの説明も特に無く。その説明でみんなすんなり受け入れる。うーんなんだか悪い意味でご都合主義。


とは言えいいところもあります。記憶の戻ってないみんなと入り乱れての戦いは純粋に見てて楽しい。what ifな展開の面白さ(このへんは使い方としてはどうなんだろうかと疑問にも思うが)も随所に見えたり、意外な黒幕(笑)がいたり。


でもこれで完結と言われると、モヤモヤしたものが残る。やりたいことと設定が先行しすぎている感は否めない。ちゃんと提起した問題を解決してオチをつけるか、過程を掘り下げるかしてほしいと思う。
会社的にクロスオーバーは慣れっこのはずなのに、キャラクターの動かし方がいまいち、という感想。
その後、の話にはコレクティブがありますが、こちらは未読。HOM単体での評価は5といったところか。

今クロスオーバー系で手をだすならcivil warでしょうか?こちらも賛否両論ですが、単体でも一応ちゃんとテーマがあって完結しています。
派生、補完するエピソード分も翻訳する(かもしれない)そうです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-01 23:23:35] [修正:2011-10-02 17:53:03] [このレビューのURL]

 バットマンシリーズ最大のヴィランであるジョーカー。彼のオリジンを明かしたともいえる作品であり、バックボーン、苦悩の一端を掬い上げたものである。
 混沌と狂気の象徴として描かれるジョーカーだけに、こういった一種同情的な目線を与えられた作品というのはキャラクターを殺してしまいかねない危うさがある。非常にバランスが難しいところだが、そのあたりうまいこと小奇麗にまとめているのは流石ムーアといったところか。
 
 かくして再び脱獄を果たしたジョーカーによって、いつものように怖気の走る凶行が繰り広げられる。バーバラは凶弾に倒れ、ゴードンは監禁され発狂寸前に追い込まれる。
 いつもならバットマンがジョーカーを追い詰め正義の名の下に勝利を収める。構図的には今回もそうだが、もはや2人のいたちごっこは限界に来ている、このままではどちらかの破滅があるのみだ。
 焦点が結ばれるのはここにおいてである、ジョーカーを生んだ原因であるバットマンに、「私がいれば力になれた」と言わせる。決して交わらない世界が存在感を帯びる。自らを正義と信じるバットマンの姿がより滑稽なものとして現れ、我々の価値観は揺らぎ始める。正気と狂気は誰が決めたもう物か、また正義は・・・

流石ヒーロー像の解体はお手の物のようで、バットマンとジョーカーの関係性を狂気という強烈な光で浮かび上がらせたのは見事である。それに留まらず作品そのものへの挑戦的視点も感じられる。
例えば「最近よく考えるんだ、お前と・・・私の事を。我々が最後にどうなるのかを」というバットマンの台詞は非常にメタな要素を孕んでいるように思える、連綿と続くシリーズを扱う作家達の言葉の代弁ともとらえることができるのではないか。
 そして読者に「君はどうしたい」と投げかけるラスト・・・このあたりの構成の緻密さ、さりげなさと大胆さは特筆に価するところである。それでいて伏線の過剰使用もせず、というか分量的にできなかったんだろうが、シンプルですっきりとしているのも好印象であった。

ジョーカーの魅力に迫った一本でもあるので、バットマンとの関係性がだいたいわかっていれば楽しんで読むことができるだろう。
 ブライアン・ボランドのアートも緊迫感と不気味さを引き立てる極上のものとなっており必見である。彩色の大幅な改定によって今見ても古臭さを感じさせない立体感が演出されている。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-26 04:49:11] [修正:2011-09-30 15:17:45] [このレビューのURL]

諸星大二郎版本当は怖いグリム童話・・・みごとにモチーフから奪胎させた各エピソードには、子供が読んでも面白い(そうか?)、恐ろしさよりも絵巻物的軽快さがある。
表題トゥルーデおばさんは傑作。
ラプンツェル、鉄のハインリヒなどもお気に入り。
個人的に微妙だったのは夏の庭と冬の庭。といった風にそれぞれに自分にあった物語を見つけられる、昨今の諸星作品から失われつつあった(ように思える)自由な想像力が存分に感じられる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-20 22:08:18] [修正:2011-09-20 22:08:18] [このレビューのURL]