「コステロガーデン」さんのページ

総レビュー数: 225レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年06月12日

ちょっとした暇つぶしにはもってこい。

どこから読んでも、ある程度の設定
(あさり=アポな主人公、タタミ=意地悪で頭の良い姉、さんご=ママ)
さえわかっていれば読めてしまうのが何より。
一話一話があっと言う間に終わるのでちょっとした時間潰しになりますし、
また、話が単純で何にも考えずにスラスラ読めるのも楽でよい。

よくこれだけネタが続くなぁと感心しますが、
よく考えれば、もともとたいしたネタでもないので納得。
個人的には単行本丸々一冊分の長編を描いた作品が何冊かあるのですが、
それが一番好きでした。
大長編ドラえもんならぬ、大長編あさりちゃんという感じで、
あさりとタタミのたくましさにはどんな困難も問題ではありません。

とはいっても、全巻読破はさすがに飽きますし、読破するものでもない気がします。
ちょこちょこと暇つぶしや気分転換に読むのが最適なマンガだと思われます。

◇この作品の個人的価値=48巻までで 3500円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-10-09 22:12:14] [修正:2005-10-09 22:12:14] [このレビューのURL]

この漢、温情にして豪快なり!

質の高い舞台や映画を観て高揚する感覚を憶えるほど、
この作品は美しさと優しさに溢れ、ロマンに満ちています。
原作の雰囲気を残しつつ、
少年誌という難しい枠のなかで作品を描ききった作者の意気込みと意地を感じます。
また、表情や仕種などの表現力がすばらしく、
心の奥底の感情を目もとや口もとの微妙な描きわけで適格に表現しています。

そして、とにかく主人公「前田慶次」の人柄がすばらしい。
人には上も下もなしとし、さらに人も獣も花も樹も違いがなく、それらを愛でし暖かな心と、
己の信念を貫く事に命をも惜しまない度胸の良さと、それを愉しみとするスケールの大きさには
男として、人として、思わずみとれてしまうものがあります。
彼に惹かれ、共にいくさ場で死ぬ事を誇りに思うもの、
または敵対するも、いくさ人としての彼の生き方を尊重し、尊敬し
合いまみえる事を喜びとするもの、
前田慶次のもとにはそんな真の男たちが自然と集まってきます。

戦国の世を自由奔放に駆け抜けた「前田慶次」という爽やかな風の物語は、
作品の善し悪しという次元ではない崇高なモノを感じずにはいられません。
終わり方もとてもよく、言葉ではなかなか表現できない、
なんともいわれぬ風流さと華やかさと儚さに満たされています。
より多くの人に読んでもらいたい、そう思える作品です。

◇この作品の個人的価値=全18巻で 5400円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-10-09 21:55:05] [修正:2005-10-09 21:55:05] [このレビューのURL]

壮大な生命を描きだす叙事詩。

まずはスケールの大きさに圧巻。
そして、これだけ世界を広げても
破綻もさほど見つからずにまとめきるという作者の力量には、
すばらしいと誉め讃えるしかないです。
全7巻ですが、内容の濃さと重いテーマも手伝って、
10巻以上の読みごたえを感じました。
(マスの小ささも関係しますが。。)
登場するキャラも非常にたっており、
それぞれがそれぞれの役割をきちんとはたしているのも良。
連載に長い時間を費やした分、世界情勢の影響からか、
当初あった視点がズレていき、それが終わり方に影響してしまったこと、
ナウシカがだんだん神がかり的な存在になってしまったこと、
難しいテーマゆえ、内容が難解になってしまったことのきらいがありますが、
人類の終焉という世界観のなかで生きる
さまざまな種族、生物の観念論の相違は、
現代に生きる我々に大きく訴えかけるものを残してくれます。
とても残念なのは、漫画というよりは絵コンテに近い画風が見づらいのと、
それを悪化させている紙質と印刷インクの色でした。
宮崎作品は「シュナ」にしてもこの「ナウシカ」にしても、
作品の特長を活かす印刷や製本の仕方を、もっと配慮すべきと思いました。

◇この作品の個人的価値=全7巻で 3000円也

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-08-07 21:46:58] [修正:2005-09-26 22:49:25] [このレビューのURL]

ロックとはなにか?愛とはなにか?まっすぐに問いかける。

この作品の主人公が本物のロックを求め自問自答している時を同じくして、
私も、世間がホコ天だイカ天だとワイワイ騒いでいる時期に
当然のようにバンドをはじめたひとりでした。(当時中学生)
主人公「中島」のようにロックとは何か!とか
ロックはオレのアイデンティティだ!とかいった信念や思想は持ち合わせておらず、
単純に女にモテるからという、異性を意識しまくる中学の時期ならではの動機でした。
それから4年間は、バンド活動に明け暮れる毎日で、
当初の思惑通り、とにかくモテましたし、
知らない人から声を掛けられるくらい有名にもなった時期でした。

しかし、当然のごとく全国規模でバンドブームに陰りが見え始め、とうとうブームが去っていき、
ライブや練習に使っていたスタジオが閉店したのと同時に、私もバンド活動を辞めました。
そこには何の未練もなく、その半年後に「ダンス甲子園」から火が付いた新たなブームに
ちゃっかり乗っかって、クラブへ夜な夜な通い、ダンスチームを結成して、
女子高の文化祭などで踊っていたものでした。

そんな感じで夢をかける訳でもなく、まして何の信念も思想も持たずにノンベンくらりと
バンドをやってきた私にとって、この作品は衝撃的でした。
あるシーンのセリフで「オレたちはロックが好きで、一般人はブームが好きなだけだろう。」
というくだりがあるのですが、まさしく私はその一般人だなぁと少し恥ずかしさを覚えました。

ロックという概念にストイックになって、真面目に悩みながらも実行し、継続させていく中に、
中島のアイデンティティがあり、それが妙にかっこよかったりしました。
そんな彼をささえる彼女も、すばらしくいい女性でした。
作中、彼等が演奏する「アイデン&ティティ」という曲の歌詞がたまらなくよく、
作者であるみうらじゅんに対して見る目が変わった作品でした。

◇この作品の個人的価値=全1巻で 好きな洋楽2〜3曲分也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-09-23 22:26:59] [修正:2005-09-23 22:26:59] [このレビューのURL]

絵柄のレベルアップが極端じゃない?

読む時期でだいぶ印象や評価が異なる作品だと思います。
こういう作品には小学生の頃に出逢いたかったですね。

ストーリーやキャラなどでは特に目を見張るものはありませんが、
独特の世界観はすばらしいものがあり、絵もその世界観にマッチしていて、
得に風景、背景は評価できる綺麗な描き方をしています。
色彩都市ポンピエのカラーなんかはすごい良いです。

ただ、残念な事に
セリフで頻繁にでてくる大喜利っぽいというか詩的な比喩がくどすぎる気がします。
その言い回しのせいで、どうも作品に入り込む気になれませんでした。
また、擬音や看板などに多く見られる、アメコミなアルファベットの乱用が、
読んでいてウザイ感じがしました。
コマ割りもあまり上手いとはいえないレベルでした。

◇この作品の個人的価値=全7巻で 7.0$也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-09-23 00:14:33] [修正:2005-09-23 00:14:33] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

本物のカッコよさを知りたい方へ。。。

最初の方はもてない男の恋愛マニュアル的な匂いがして嫌な感じでした。
また、一昔前のマンガなので、流行もファッションも会話も古臭くて、
今の感覚とはだいぶかけ離れているため、読む年齢によっては良くわからないコトも多いと思います。
とりあえず薄っぺらなカッコよさだけを並べ立てて
恋愛レクチャーを武器にストーリーが展開するというスタイル。
絵もすごく下手というか雑というか。。慣れないと抵抗ありますし。。。

じゃあなんで10点なんでしょう?
6巻から変わるんです。(絵の下手さは変わらない)
なので最初の方をつまらなく感じても我慢して読んでください。
絵が下手だから読む気になれないなんて言わず読んでください。

6巻からは、いつわって生きていた自分のむなしさに気づき、
本来の自分(容姿ではなく信念)を取り戻し、
本当に好きなコトに、一生懸命打込んでいきます。
その主人公のひたむきな姿、生き生きとした姿は、
今までの(6巻までの)中味のない薄っぺらなカッコよさとは全く違う、
「本物のカッコよさ」への変貌としてうまく描かれています。

そして、たった一人の女の子の為だけに、
どんな困難からも逃げずに全身全霊をかけてぶつかるその姿勢。
そんな主人公の生き様に、ひとりの人間としてすごく惹かれていきます。

コンプレックスを持って生きている人、
自分が見つからずに悩んでいる人、
自立することに恐れを抱き嘆いている人
青春現在進行形の人などは
読めば必ず何かを残してくれる価値のある作品だと思っています。
これだけ身のある恋愛(?)マンガは他にないのでは?

大好きです。秋も、ユイも、ミルも、アリサも、ヒデさんも、ラモも、モトミも、
ケイジも、大吉も、和田さんも、ジェイコブも、裏戸も、みんなみんな!

◇この作品の個人的価値=全15巻で 12000円也。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-06-03 23:14:07] [修正:2005-09-21 23:18:39] [このレビューのURL]

9点 SLAM DUNK

スポーツ漫画のエポックメーカー的作品。

バスケット漫画を描くと
「人気が出ない」「打ち切りになる」
といわれ、タブーされた時期に
その法則をブチやぶるかのごとく
連載当初から抜群の面白さとかっこよさで
今だにトップレベルの人気を誇る秀作。

バスケをあまり知らない人でも、
所々に入る解説のおかげで、物語に自然にのめりこんでいけます。
ひと試合がやたらと長いので、
当時、週刊で読むのはかなり辛いものがありましたが、
バスケ特有の臨場感と細かな描写を駆使することで
だらけたり、飽きたりといった
散漫した内容になることはありませんでした。
逆にこの作品をスピーディーに読みたいと思い、単行本を買うに至る訳です。
ラストが個人的には気に入りませんが、
それはきっと連載終了することが残念で残念でならなかったからでしょう。

このレビューをご覧になっている方達は
ほとんどの方がもう読んでいる作品ではあると思いますが、
もう一度、読み返してみるのも一興かと。

◇この作品の個人的価値=全31巻で 12000円也

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-07-24 16:37:52] [修正:2005-09-21 21:45:56] [このレビューのURL]

人間観察日記。

主人公「風子」が喫茶店で多くの人々と関わる事によって、
少しづつではありますが、自分に自信を持てるようになり、
内気な性格からどんどんかわっていく様がみてうかがえます。

ひたむきに生き、目の前にある成長という階段を、おぼつかない足取りで
一歩一歩踏み上がっていく、そんなけなげな風子の姿を
あたたかな眼差しで見つめる店のマスターや常連客の人たち。
彼等と同じ視線でこの作品を見る事によって、より身近に風子の存在が感じられました。
今も尚、どこかで風子が生活し、喫茶店ロドスが営業しているような雰囲気を与えてくれます。

ほんの些細な日常での心の交流をさらりと描ききった、
岩明作品では最近見る事のないやさしい作風です。

◇この作品の個人的価値=全4巻で 800円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-09-21 21:42:36] [修正:2005-09-21 21:42:36] [このレビューのURL]

ギャグはギャグのままで終わって欲しかった。。。

絵の感じにしろ、作風にしろ、
すごく好きな作品で、
シリアスなスト−リ−とギャグの部分の
アンバランスなところが、
かえって良かったりしました。
終わりに近づくにつれて、
ギャグが減り、
「あぁこの作品ってギャグがなかったら
こんなにつまらなくなっちゃうんだ?」と
ギャグがこの作品にとってどれだけ重要な
スパイスになっているかを知りました。
次回作期待します。

◇この作品の個人的価値=全3巻で 350円也。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-07-23 13:08:57] [修正:2005-09-14 19:27:55] [このレビューのURL]

この奇妙さ、このセンスは世界一イィィィィィィーーーーー!!

長沢節とTony Viramontesを足したようなスタイリッシュな絵!
独特のポージングや「ゴゴゴ」や「ウィリィー」などに代表される擬音使いや台詞まわし!
ブランド名、アーティスト名、楽曲名などを元にネーミングした登場人物やスタンド!
パイオニア的戦闘アイデアと、特殊能力の連続攻撃!

随所に映画や小説ネタが存在し、まんまパクリ(メメントネタとか)もあるんですが、
元ネタを遥かに超えたパワーと「世界」がこの作品にはあるんです。
これぞ荒木ワールド!

どんどんその世界にはまっていく自分を
もう押さえる事はできませんでした。
みなさんも、肩までどっぷり浸かって読みませう!

個人的には
1位=第1部 巧みなストーリーで読ませる力作。すばらしいの一言。
2位=第4部 荒木氏の才能がついに開花したと感じる天才的な世界観。
3位=第3部 王道ともいえるスタンドバトルはジャンプ色強し。
4位=第2部 緊迫感と力強さで最も印象に残った究極生命体とのバトル。
5位=第6部 完成された世界観はハリウッド映画並の出来ばえ。
6位=第5部 スタンドの複雑化で、見た事のないバトルの連続。

ちなみに好きなキャラはワムウと岸辺露伴です。

◇この作品の個人的価値=全80巻で 30000円也。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2005-05-29 14:38:50] [修正:2005-09-14 19:21:50] [このレビューのURL]