「blackbird」さんのページ

総レビュー数: 185レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年03月31日

作者お得意の「女の自立」物語?

周りと同じようにOLをして、いずれ結婚して子供を産んで・・・というコースが当たり前と思っていた眞子。
リストラをにおわす転勤の辞令を機に、初めて自分の力で歩きだす怖さと勇気にぶち当たり、でも自分で生きているという充実感と自信を見出す。
こういう風に、自分で立ってこそ一人前という事を作者は特に最近強く主張するが、それがちょっと鬱陶しいかもしれない。話の進み方もとてもご都合主義だし。

でもゆらゆら揺れて、何から手をつけていいか迷ってしまう眞子の気持ちは、多くの女の子が分かると思う。そして、周りを気にせず自分が思った通りに行動できてしまうともちゃんは、自由でいいなあと思いながら、実際にそばにいたらいらっと来るかも。

まっすぐで裏表のないメガネ男子、まっちゃんがいいですね。突き放すようだけど、暖かい。

それにしても、最近の作者の絵に対する思いってどうなっているんだろうか。ライフスタイルばかりに意識がいってしまって、肝心の絵がおざなり。目力だけ強くすればいいってもんじゃないし、少なくともデッサンの狂いは何とかしてほしい。他の作品のレビューでも書いているが、折角綺麗な絵で魅せていた作者だけに惜しいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-05-08 21:53:42] [修正:2011-05-08 21:55:25] [このレビューのURL]

なんかよく分からないけど、くせになる、遊知やよみワールドって感じの作品。
あしながおじさん的な謎めいた前半から、後半になると謎が明かされていくのですが、その人間関係の複雑さというか、面倒臭さが正直妙・・・というか、さすがに無理があるでしょう。ちなも、幾らなんでも素直に自分のおかれた環境に疑問を持た無すぎだし。

でも、主人公のちなを取り巻く人の想いや、ちょっとした一言、特に円筆や、円筆の母のたまへの厳しくも暖かい接し方には、ほろりとさせられます。また、たまの凝り固まっていた心が溶けて行ったくだりは泣かせます。

絵柄が前半のがちがちした絵から、急に後半柔らかに変化しますが、逆に、ちなの宇賀神への誤解が解けて次第に距離が縮まっていくところに合っていた気がします。



ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-08 21:15:02] [修正:2011-05-08 21:15:02] [このレビューのURL]

少女マンガ系、スポ根サクセスストーリーの王道。

バレエをいつの間にかやめてしまった高校生の愛子が、神崎の踊りに賭ける情熱に触れ、踊る楽しさを思い出す所から始まる。
さらに本場NYでダンスに触れ、その魅力に憑りつかれ、やがてただ楽しいだけでなく、プロとして認められたいという強い思いを抱くようになる。

その間に、友情や仲間といった「青春」ぽさや、同じ道を目指しながら才能を意識しあう嫉妬という醜い感情、挫折、そして恋愛などが程よく混ざり合う。
都合よく成功の階段を駆け上るだけではなく、色々な思いが交錯し涙を流しながら踊り続ける愛子の姿に引き込まれてしまう。

執筆当時のディスコや、ダンスチームなど、古いところがあるのはご愛嬌。
ただ、結末がわかっていても何度も読み返しては、若さや才能がある事への羨ましさを改めて感じられる、きらきらした作品。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-04-10 23:02:52] [修正:2011-05-07 23:15:39] [このレビューのURL]

同じアパートに小さい頃から住んでいる幼馴染。
近すぎて好きと言えない、女として見ることができない、
家族のような存在になってしまうんでしょうね。

親を失ったクンちゃんの悲しみを、何とか受け止めてやわらげてあげたいと抱きしめる優しいチャコ。
それを暖かく見守る達ちゃん。
カッコ良すぎです。

達ちゃんが理想の男の子、というのは、くらもちファンの中でもかなり多いのでは。

古い作品ですが、くらもちふさこの絵柄としてはこの作品が一番好きで、何度も読み返します。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-03-31 23:35:03] [修正:2011-05-07 23:13:21] [このレビューのURL]

第一部のあまりに衝撃的なラストから比べると、ローザンヌに挑戦するときの様子を回想風に描いているのが、とても穏やか。

展開的には、またここで?とちょっとパターン化したように感じたのが残念ですが、そこはさすが。
六花がコリオグラファーとしての片鱗を見せていくところは、心から応援したくなりました。

第三部、あるのかな。ここで終わりかな。
拓人君も気になっています。
ぜひ続きを読みたいです!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-03-31 01:04:57] [修正:2011-05-07 23:12:18] [このレビューのURL]

一緒にいるのが当たり前になった夫婦や恋人が、最初のころのドキドキ感を思い出していく。

いつも通りの、いつもぎゅっとくる、谷川ワールド。
うまいなあ。

「こうやってこの話はつながるのか」というお話もあります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-14 22:52:13] [修正:2011-05-07 23:08:41] [このレビューのURL]

人との衝突を避けて、キレイに生きてる、イマドキ草食男子たち。

しっかりしているようで、男の人に何を求めているのか今一つよくわからないシオさん。

だからこそ添い寝屋という面白い仕事が成り立ったんだろうな。
実際に女性も「こんな見ず知らずのイケメンが隣にいたら眠れない」と思うし、男性は「ありえねーだろ」と思うのでは。
現実的ではないけど、でも読めちゃう。

最後の二冊くらいは急に急いだ展開になってしまい、ラストはちょっと物足りなかったのでこの点数になりました。

ランちゃん、ちょっとかわいそうかな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-03-31 09:47:51] [修正:2011-05-07 23:06:51] [このレビューのURL]

私の医療系知識のベースは、ブラックジャックから学んだものです。
すごく分かりやすかったですね。

話によっては、人間として恰好いいものから、「え、こんな終わり方!?」という非情なものまで、今改めて読むと驚くものも。
そもそもピノコの存在自体、そしてキリコの存在感がすごいですね。

一方でヒョウタンツギやおむかえでごんすなど、手塚キャラが随所に出てきて楽しませることも忘れなかったのも絶妙なバランス。

これが少年向けの週刊連載だったんですよね。
すごいなあと思います。

願わくは、これ以上下手な映像化はやめてほしい。
あれは白と黒の世界の中で読みたいですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-06 16:53:23] [修正:2011-05-06 16:53:23] [このレビューのURL]

超能力とか、超能力者VS普通の人間とか、放射能汚染された地上とか、竹宮恵子や萩尾望都や聖悠紀などで良く使われるような題材。
さらに画力が今一つ足りないため、それなりの作品になってしまっているのが惜しい。

スロウがようやく自分のやることに目覚め、その中で母が自分を殺そうとした真意に気づいたのは救い。でもエンディングは悲しいなあ。スロウには幸せになってほしかった。

Pシリーズとしてもいくつか作品があるようです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-05 15:22:36] [修正:2011-05-05 15:22:36] [このレビューのURL]

ヒミコ(この物語では日女子と書かれます)が、かなり凶悪に書かれている珍しい作品。

「聞こえさま」という特殊な能力があるか無いか・・・これがこの物語の中心にあります。
日女子が、日女を貶めてまでもしがみついたその地位。
時折この能力の片鱗をのぞかせる壱与は、あくまでこの能力が「ない」ことを主張し、最後には島へ帰る事を望みます。そして最後にはクロヲトコであるシビとの人生を選ぶ結末が、結構喜ばしかったです。
人の死を扱う職業を、尊いものだと断言した壱与、辛い人生の中から真実をしっかり見つめる目を養ったんですね。

欲を言えば、シビ、もう少し恰好良く描いてほしかったなあ。そんな美男である必要はないんだけど。かなり男っぽくていい奴なんですが。
(余談ですがクチヒコが石田衣良とクリソツなのは有名な話)

面白かったのは日女子の歯と老化の話。
胎児の・・・というのはぞっとしますが・・・まあ、分からないでもない話です。

相変わらず夢に出てきた残酷な場面や、日女子の最期などはかなりの恐怖感を持って描かれます。こういうところは本当にうまいです。
また、この資料のない時代の事を、見てきたかのように描ききる作者の力量は、いつも感嘆するしかありません。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-05-02 20:10:50] [修正:2011-05-02 20:10:50] [このレビューのURL]