「頭突き串の寿司」さんのページ

総レビュー数: 99レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年09月14日

例によって‘鬱エログロ’というワードに釣られ
怖いもの見たさで手に取ったパターンです…

読んでいくときはどうしても‘鬱エログロ’がイメージとして先行していたが、
鬱展開はもとより(エロ・グロに関してはあまり感じなかった)
全編通してよくできたひとつのドラマのように思った。

なかでも2話が特に良かったかな。
オチが印象的。最後のページで「ああやっぱりか…」と
まだこの段階ではエロもありグロもありで
そういう意味では一番期待していたものだった。

ラストは意外とさっぱりとしてはいたけどうまくまとめた感じ
最終的に多少なりとも救われたのかもしれない。


個人的には本格的グルメマンガwのあとにこれを読んだので
作者の女の子に対する趣向が本当に分からなくなりました。
(なお一番の大作であるネオ時代劇のほうは未読)

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[投稿:2012-06-05 17:25:59] [修正:2013-03-12 18:00:16] [このレビューのURL]

7点 HELLSING

ラスボス級の強さをもった主人公をいったいどうやって攻略するのか
に見所を置きつつ、無惨に散っていく敵キャラに同情すら覚えるというお話。

黒い、暗い、濃い画面に大仰な芝居掛かったセリフ回し
登場人物が次々に死ぬ。
ちょっと弱い敵だとあっという間に散っていく。
ていうか強くても結局殺られる。
リップヴァーンが死んだときにはひとつ前に伊達男がいたことなんて忘れ去っている。
逝く大尉の笑顔を見たあとには紅葉おろされたゾーリンなんてどーでもいい。
総かませ状態でとことん軽い。でもそれでいいと思ってる。

劇中の戦闘は登場人物の狂気で説明が付くと思っていた。が、
「君も私とは違うと思っている
戦いの布告はとうの昔に済んでいる
さあ戦争をしよう」
敵味方はみな一様に狂っていて
でも彼らはそれぞれ違う存在であって、だから闘争が起こるのだと
最終巻で少佐が説明してくれてやっと気が付いた。

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[投稿:2013-03-12 17:41:13] [修正:2013-03-12 17:42:58] [このレビューのURL]

7点 ONE PIECE

私をマンガ好きにさせた決定的な作品
マンガ=ワンピ、マンガ=ジャンプの道を辿ってきた人は私だけではないはず。


もうここまで大きくなってしまえば、
作品が作者の手から離れていっているようにも。
「ONEPIECE」を見切った人は尾田先生を批判するのではなく、
次回作に注目すればいいと思う。
でもどっかで「ONEPIECE以外は描かない」とか言っていたような気も…

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[投稿:2011-09-19 00:09:23] [修正:2013-03-12 17:33:54] [このレビューのURL]

1巻を読んだあとは主人公やそのまわりのキャラに正直気分が悪くなった。
で、そこからは最後の引きで一気に持って行かれた。

あとで読み返してみるとその構成力の高さに気付く。
英雄と比呂美 物語の中心となる二人(ここに新たに藪が加わり三人になった)の対称性
まず核となるキャラとそれに近しい人物との生前(?)での関わり
その近しい人物のZQN化

とまあこの辺りまではあれ?既視感が…と思って気付いたが
更に細かく見ていくと(某サイトを参考にしました)まだ二人のストーリーでカブる点が見つかる
この構造が今後の話にも関係してくるのかな?

またパニックモノとして
魚眼レンズのようなコマ、視点が変わらない連続したコマ、見開きページの連続など
ゾンビや感染の迫力がリアルに伝わってくるのも特徴。

週刊で読むと展開の遅さが気になるので完結してからでもいいかもしれない。

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[投稿:2011-09-30 13:31:56] [修正:2013-03-12 17:31:14] [このレビューのURL]

姉「いかなる人も自分のつむじを生で見ることはできないの」
「あらっ!? ちょっと待って」
「ろくろ首なら見れるわね」
妹「見れないよー」

顔に憂いを浮かべるメーテル的な美人だけどアホ=残念な姉
姉の前ではしっかりしているように見えるでもやっぱりアホ=勿体ない妹
基本この2人がツッコミ不在でボケ倒し
そこはかとなく哀愁が漂うシュール系四コマギャグマンガ。

すでに表紙がこの作品のシュールさを物語っている
姉「待って 目にゴミを入れちゃった」
妹「入れたの!? わざわざ!?」
ともすれば言ってしまいそうなこんなセリフをネタにしてしかも表紙に持ってくる
表紙買いする人を狙っているとしか思えないw

妹が思いを寄せる同級生
姉妹に振り回される妹の担任
個性的な絵を描く画家
ちょっぴりシャイな姉のお見合い相手
姉に冗談を理解してもらえないバイト先の店員
と脇を固めるサブキャラも多彩。
(個人的にはサブキャラは狙いすぎていて姉妹ほど好きになれない)

絵柄もなんかギャグマンガとしては外しているし全てツボにハマった。
単行本は四コマだけでなく、
描き下ろしのマンガやフルカラーで楽しめる特別編などオマケも充実していてボリューミーな内容

表紙で笑った方、是非表紙買いしてください。

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[投稿:2012-05-02 18:49:28] [修正:2013-03-12 17:27:05] [このレビューのURL]

ほのぼのしててユーモラスでときにブラック
そんな石黒節を見開き2ページに落とし込む
まさに掌編マンガ。

尖った個性に振り回されるでもなくとんでもない事件に遭うわけでもなく
そんなお話は見渡せばたくさんあるんだろうけど
一話見開き2ページで読めちゃう手軽さは他にはない
ここが重要。

ふっとしたときに気兼ねなく読める作品。


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[投稿:2012-06-26 19:02:34] [修正:2013-03-12 17:19:24] [このレビューのURL]

王族間の派閥争いや煽動者によるデモなど戦争と平和の狭間で起こる国家の事件を描く、架空の歴史・戦記モノ
また少数部隊によるゲリラ戦術や騎兵でのデモ隊鎮圧など少し細かそうなお話も楽しく読めちゃうため
軍記漫画に深く傾倒していなくとも十分に楽しめるのではないかと思う。
もちろんこういうジャンルが好きな方だったら文句なしでオススメできる!


主人公のバルツァー少佐は「実戦時において人格を切り離して理に従うことができる理想的な軍人」である
彼はその強さに憧れ寄ってくる生徒たちの気持ちをむげにしたりしない。
「これは生徒という駒を手懐けているだけだ」と自分に言い聞かせながらも
次第に情を移していく様に親しみやすさを感じる。
このあたりバルツァーが好印象。軍人としてエリートな側面とのギャップ萌え。笑

実際にバルツァーが戦闘に巻き込まれる展開になってきてはいるが、いかんせん強キャラ(そしてお茶目)なので緊迫感は薄い。
その代わり、キレ者のバルツァーがどういう思考で、どういう戦術を用いて敵と戦っていくのか、という視点で見てしまう。(別にシリアスさが足りないからつまらないというわけではなく)

その他にも武器や軍服、背景の描き込み、巻末の設定紹介など
マンガの端々から作品の世界観へのこだわり、作者さんの作品愛が伝わってくる
‘自給自足的マンガ’ではあるみたいだがちゃんと読者も楽しめる。

ただ、軍の士官学校が舞台ということもあり女っ気が皆無(実はいたんだけど)
しかしそこでむさ苦しくならないのは絵柄のおかげか。
絵がうまいんだからかわいい女キャラも見てみたいなーとか思ったり…

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[投稿:2012-05-03 18:38:15] [修正:2013-02-28 18:49:06] [このレビューのURL]

藤子F不二雄の「すこし・ふしぎ」をリスペクトした石黒正数をさらにリスペクトしたような感じ、
にちょっぴり百合要素があったり。

金やんと高木さんは近未来の世界で暮らす女子高生。
この2人のゆるゆる、ほのぼのとした掛け合いを楽しむSFファンタジーなんだけど
日常的に出てくるアイテムがどれも面白い。
それこそ四次元ポケッツから出てきそうな。

発想もときどきブラックだったりする。
死んだ人はみんなデジタル化され現実世界に映し出される「デジタル天国」
高校に入学すると同時に一人の友達が組み与えられる「友達選定」
(しかも通信簿には国語・数学などと並んで"友達"の評定が付けられる!)
金やんと高木さんの掛け合いの合間にも
作者の死生観、みたいなものがスッと入ってきてドキッとする。

オチのつけかた、小物の使い方、ちょっとした時系列シャッフルなど
細かいところがそれ町に似てきたかも。
日常にとけ込むSF、テキトーに見えて実は哲学的
そこがつばな先生の魅力だと思う。

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[投稿:2012-07-21 16:44:09] [修正:2013-02-25 23:02:05] [このレビューのURL]

7点 外天楼

こういう物語の構成は大好きだがイマイチ拙い印象もする
それともこのB級感が「味がある」と言わしめているのか

それ町でもちょくちょく見かけることがあった、なんでもないような些細な伏線
エロ本を漁る少年たちも滅茶苦茶な刑事も
すべてはひとつの"人間の定義"へと繋がっていた。

3年以上に渡って連載していたなんて…
それだけかけただけのことはあるかも。


石黒先生が言うことにはこのマンガ、『全体的なテーマがエロスです。アガペの対極です。』
加えて『お子さんにもそれ町を読ませてるという親御さんは注意』なんて茶化してるけど
言わんとしてる本当の意味は欠けたものへの愛、ってことでしょう。
芹沢の愛、鬼口の愛、そしてエロ本への愛だって。

なるほどなーと思った。

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[投稿:2012-07-21 16:50:47] [修正:2012-07-21 16:50:47] [このレビューのURL]

他人を赦すことは解決になるのか?
いやそもそも"赦す"ことは放棄につながることなんだ、少なくともこの主人公のなかでは。

世の中のなにもかもを赦して生きてきた「わたし」の前に現れたのは
           . . .
もうひとりの「わたし」。
通称「守る会」の活動によって分身は殺されていくけど
この現象はどんどん広がり被害者も増えていく。
そのうちカバンも建物も国でさえも分身していって。
そのすべてをことごとく赦す「わたし」。
最終的には許容範囲を越えてしまったところでとんでもないオチ。
まったくもって許すまじ。


一切を赦すことは無償の愛である
なんてアガペ的な聞こえの良いものではなく「わたし」はとことん世界に向き合っていないだけ
赦すことで事なきを得る
現に「わたし」は生き延びている
生きていくには「赦し」が手っ取り早いということか。


表現はすごい
ギリギリマンガとして成り立ってるくらいのものだけど。
分身を表す記号が星々になってたのには驚いたし
オチでは文字通りマンガの枠をぶち壊した。
独白ばっかで多少ポエムポエムしているので嫌いな人はなかなか嫌うだろう
多分最後までたどり着けないんじゃないでしょうか。


読み終わったところで冒頭の警部の言葉が効いてくる
「想像を超える結末なんてない」
ここにあった。
それともこれはまだ想像の範囲内とでもいうのか。
なかなかメタ的な作品。
読後感なら「凹村」よりこっちのほうがスッキリ
まあぶっ飛んでて比べようがない気もするけど。

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[投稿:2012-07-18 18:36:12] [修正:2012-07-21 16:42:20] [このレビューのURL]