「勾玉」さんのページ

総レビュー数: 160レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月21日

初見時は目を覆いたくなるハードな内容に嫌悪感の方が先行していた、下手をすると
「出来ることなら読みなくなかった漫画」として1点を付けていたかもしれない、
だけど悔しいかな物語としては優れている、何より話の筋立てが見事だ。
1、2話で凄惨なシーンをありありと描き
その後は人間ドラマを軸に間接的な視点で物語が紡がれていく、
直接的な残酷描写は冒頭の2話だけなのに、同じ運命を辿る少女達が引き金となって
冒頭の光景が何度も頭の中でフラッシュバックしてしまう。
今も理性ではこの物語を嫌っているが、この構成の妙には唸ってしまった。

本音の部分で嫌いになりきれない、このプロットの秀逸さがつくづくもどかしい…。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-05-18 00:47:35] [修正:2014-05-18 02:10:02] [このレビューのURL]

8点 渺々

海洋生物を主役にした全7編の短編集。
作中に台詞は無く、解説とモノローグのみで進行していく物語は
さながら「NHK製作の動物ドキュメンタリー」といった仕上がり。

惜しむらくは、背表紙に巻数表記があるにもかかわらず
続巻の刊行が無かったということ。
この本自体も、とうの昔に絶版となってしまったが
自分にとってはパラパラと眺めているだけで癒される
ヒーリングコミックとも言うべき貴重な一冊、
写実的で鮮やかな絵のタッチと、心地のよい巧みな語り口が
雄大な海の世界へといざなってくれます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-05-13 01:06:24] [修正:2014-05-15 19:17:18] [このレビューのURL]

結局何が言いたかったんだろうか、作中の節々に説教臭さは感じるのに
話の筋に贅肉が付きすぎてて、いまいち何を描きたかったのかが伝わってこない。
娯楽作として捉えるなら、あのラストはいただけないし
終末ものとして見るには、ノイズが多すぎる気がする。

なかなか明かされないいくつかの謎が原動力となって
読み進めるのは苦ではなかったものの
もったいつけた謎が明かされたからといって
あの結末ではカタルシスも得られない。
最後まで有耶無耶にされている部分も多く
単に不条理なだけという作品に落ち着いてしまった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-05-09 02:00:27] [修正:2014-05-09 02:00:27] [このレビューのURL]