「勾玉」さんのページ

総レビュー数: 160レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月21日

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-11-19 08:09:00] [修正:2012-11-19 08:09:00] [このレビューのURL]

農業に従事する大変さや、あるあるネタ
そして作者自身の体験談を、ギャグを織り交ぜながら描いており
とても読み易く、エッセイ漫画としては充分優れた作品だと思う。

ただ、テンション高めのギャグ要素が自分にはいまいちヒットせず
何度も読み返す漫画には、ならなそう。

欲を言えば、一つの漫画としてではなく
「銀の匙」のおまけの巻末漫画として、これを描いてほしかった。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-05-10 17:56:17] [修正:2012-11-17 20:02:21] [このレビューのURL]

序盤の展開が少女漫画すぎて、これは微妙かな‥と不安になったのですが
主人公が東京の高校へ編入した後は、愛好会のメンバーや大会の実力者など、
脇を固めるキャラクターが魅力的なこともあって、尻上がりに面白くなっていきます。
調べたら最初の話(take0)は元々読み切り掲載の話だったみたいですね、
キャバ嬢視点で話が進行していくので、全体を通して見てもこの話だけちょっと浮いてます。

高校編入後は上述の通り面白くなっていくのですが、
主人公自体は脇役に引っ張られているという感じで
今のところ熱意や情熱をこのキャラクターからあまり感じ無いのが難点。
何しろ、高校への編入も、クラブ活動も、大会の発足と参加も
全て周りがお膳立てしてくれた結果ですからね、
この先の話では主人公が率先して皆を引っ張っていくような展開を期待したいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-11-14 17:51:36] [修正:2012-11-17 19:29:09] [このレビューのURL]

一話一話がたった2ページと短く、単独では大したことの無い話も多い。
しかし読み進めていくうちに、絵日記のように淡々と綴られていく
暴力的で、下品で、非道徳的な日常の数々が、
そこに生きる人々の力強さや逞しさ、そして儚さを惹きたてていて
段々と自分の中で鮮烈な印象として残っていった。

そしてラスト。
二太の最後の台詞で、姉ちゃんの言葉が思い起こされる
「泣いたら腹が膨れるかあ。泣いてる暇があったら笑ええっ!!。」
最後に見せる二太の笑顔は
とても切なくそれでいて晴れ晴れとしていて、感慨深い。

好みの分かれる漫画なのは確かだけど、一読に値する作品だと思う。
読むなら、カラー版がおすすめ
白黒の方は味気無くて、心に残りにくい気がする。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-28 22:07:51] [修正:2012-11-10 22:46:36] [このレビューのURL]

ファンタジー要素は世界観を構築するための味付け程度で
戦争自体はとても血なまぐさく、且つ戦略的に描かれており
史実の戦争を題材にした漫画に負けないくらいの迫力と緊迫感があります。
ストーリーのテンポも非常にスピーディで、
前置きもほどほどに、初っ端から展開される山場の数々
しかし、それでいて世界観やキャラクターの掘り下げもおざなりにはなっておらず
読み進めていくうちに、自然とこの世界の成り立ちが把握出来る明瞭さも兼ね備えています。

以上、とても読み易く面白い漫画なのですが
それだけに漫画版は原作小説の途中で終わってしまってるのが残念ですね。
一応、一区切りはついていますが、大戦の中の一つの戦局が描かれたにすぎず
この世界の要である天龍も、本筋にほとんど絡んでこないので
やはり最後には物足りなさが残ってしまいます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-08-31 09:49:44] [修正:2012-11-10 16:58:23] [このレビューのURL]

将棋を題材にしているけど、話の主題と言うよりは添え物と言った感じ
キャラ一人一人の人間関係や生い立ちが掘り下げられ
6巻からは、いじめの問題まで絡んでくる辺り
作者がこの作品で真に描きたいのは人間の内面部分なのかな、という気がします。
感傷的でポエミー(詩的)な主人公と、
人間関係のもつれに焦点が当たる作風とが相まって
やっぱり根底は少女漫画だな、という印象ですね。

あとは、将棋界の人間がやたら主人公を「思い上がった自信家」
または「自我の強い自己中心人物」といった風に評するのですが
家族を失い早くから自立し、他人のために何かしようとしてる主人公と、
この人物評が自分の中で全然一致しないんですよね‥。
こと将棋に関しては、自我が出てるのかもしれないけど
その言葉を裏付けるような思い上がった行動や言動も
そこまでクローズアップされてるようには思えません。

何か単にそういう台詞を言わせたいだけって感じが強いです
「思い上がるなよ」っていうメッセージ性だけ先走って、内容と一致してないと言うか…
結構鼻につく台詞が多くて、段々楽しめなくなってきました。。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-11-05 16:38:20] [修正:2012-11-09 12:20:46] [このレビューのURL]

人生で一番続きが待ち遠しい漫画は何か―?と問われたら、迷わずこれを挙げます。
「休載が多い(長い)から」とか、そんな理由ではなく
単純に一話読むと、即次の話が読みたくなる強烈な引きの強さがこの漫画にはあるんです。

正直、全体を通して見ると段々とまとまりの無さを感じるようにはなってきました。
しかし、そんなことは瑣末な問題
瞬間、瞬間の面白さは今も健在であり
連載が再開すれば結局夢中になってしまいます。

全体的なまとまりや完成度も作品を評価する上で重要なファクターではありますが
この漫画に限っては、それらを全て度外視出来るくらい一話一話の面白さが突き抜けています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-20 13:04:46] [修正:2012-11-08 15:26:11] [このレビューのURL]

少年時代の郷愁と共に、徐々に輪郭を帯びていく事件の真相。
子供の頃の何てことない些細なやり取りが、
因果となって現代の悪意に結びついていく、という構成に何とも胸が踊ります。

一つの大きな謎に決着がつく12巻まではミステリーとしても凄く楽しめた本作ですが
よく言われているように、結末は描写足らずな感が拭えません。
さらに後半のバーチャルアトラクションの万能さにも興醒めしてしまいます。
「死人が現実世界の人間に思念を送る」、など
もうSF通り越してファンタジーの世界でしょう。

とはいえ、過去、現在、その後の世界へと続いていく物語は
一大スペクタクルと言うにふさわしい、スケール感があります。
後半、失速したとは言え読んで損をする漫画では無いんじゃないでしょうか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-11-05 16:41:37] [修正:2012-11-05 18:24:11] [このレビューのURL]

ヒトラーはユダヤ人だったという俗説を元に
ヒトラー出生の文書を巡り奔走する日本人青年の奮闘と、
アドルフの名を持つ2人の少年の宿命を描いた物語。

ナチスに忠誠を誓いつつも
幼馴染の親友、そして意中の女性がユダヤ人であるという
事実に苦悩するカウフマンの悲哀は、
同作者の「火の鳥」に匹敵する人間ドラマを感じさせます。

一方で日本人青年の峠草平のキャラクターにはあまり魅力が感じられず
文書を巡り東奔西走する導入部は少し退屈に感じてしまいました。
またエピローグ的にあっさりと語られるイスラエルでの一節も味気なく
著者の他の名作に比べると、本作はいささか物足りない印象があります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-10-20 19:49:18] [修正:2012-11-04 18:17:10] [このレビューのURL]