「勾玉」さんのページ

総レビュー数: 160レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月21日

途中からバトルに移行した漫画だけあって、全体を通して見るとまとまりがない
他の作品の影響を受けたのか、作者の価値観が変わったのか分からないが
初期の作風はヒューマンストーリーなのに
その後は妖怪退治の漫画になり、終盤にはえぐい話も描くようになる
…と言った具合にどんどん作風が変わっていく。

しかし、この作風の変化が個人的には良い方向に働いてて
暗黒武術会辺りから、敵対相手の思想や、人間性にも焦点が当たるようになり
勧善懲悪のバトル物に留まらない作品へと昇華していったのが面白い。

また、作風同様、画風も相当変化しており
トーンを多用し丁寧に描かれていた初期に比べると
後期はバトル漫画になったこともあり荒々しい描写や、手抜きとも思えるような簡素な絵も目立つ。
だが一方で、キャラの表情は徐々に洗練されていき
特に仙水編は、冨樫義博の作品の中でも、一番絵に迫力がある。
・捨て石にされた天沼を倒し、静かな怒りを感じさせる蔵馬の表情
・魔封環を使う覚悟を決めたコエンマの表情
・裏男の中で、涙し次元刀を発現させる桑原の表情
など、どれもセリフ無しでキャラクターの感情がダイレクトに伝わってくる凄味のある画に感じた。

上に挙げたように、作風、画風共に変遷の激しい作品だが
中盤以降は、「レベルE」「ハンターハンター」を思わせる捻りと黒さが加わり
凡庸なバトル漫画で終わらない、独特の魅力が備わった漫画になったと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-01-30 21:04:06] [修正:2012-01-30 21:20:29] [このレビューのURL]

「よつばと」もそうだけど、この作者は喜怒哀楽のデフォルメ表現が凄く上手い。
驚いて目を丸くしてる顔や、怒って目を逆立ててるキャラの表情を見ているだけで笑えてくる。

一カ月ごとの内容が一話ずつ描かれており、変な引き延ばしもなく
登場人物が卒業する3年生の3月に、ちゃんと終わりを迎えたのも清々しい。

連載終了から10年が経ったが、キャラの掛け合いが生む笑いはまだまだ色褪せず
今読んでも充分面白いし笑える。4コマ形式では未だに一番好きな漫画。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-01-27 18:07:29] [修正:2012-01-27 18:49:47] [このレビューのURL]

6点 長い道

自堕落な夫と、おっとりマイペースな妻のお話
設定も好きだし、キャラクターも好きなんだけど
50話以上ある話数の中には、突飛な展開や、奇抜な話も多く
そういうのは、いまいち面白く無かった。

せっかくキャラクターがいいんだから
この夫婦の心情の変化や、平凡な日常を
もっと掘り下げて描いてほしかったなあ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-30 18:02:35] [修正:2012-01-25 18:21:25] [このレビューのURL]

この作者の作品の中では一番好きな漫画。
繊細な画風と個性豊かなキャラクター
超人的な特技の数々に夢中になりました。

でも、終わり方というか最終巻が微妙。
ジャンプ掲載時の最終話である146話までなら良い
打ち切り終了だし、時間が飛ぶのも許せる。
でもコミックスで描き足された最終話が酷い。

作中のキャラ同士が結ばれるところまで描いているが
そこは読者に想像させる余地として、残しておいてほしかった。
それに、結ばれたキャラ同士はいいが、はぶられたキャラの方は不憫。

他にも女装した六条は気持ち悪いし
作中で早々にインフレから脱落したライザーが
プロになり努力云々語る姿は滑稽に見える。

ジャンプ連載時は、かなり好きな漫画だったが
最終巻の内容が合わなかったので1点減点して、この点数。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-01-24 15:53:50] [修正:2012-01-24 21:59:23] [このレビューのURL]

試合に臨む前に対策を練り、ひたすら練習を繰り返す
そんな地味になりがちな工程も
この漫画では、ギャグなども交えテンポよく話が進むので
飽きずに読み続けられます。

そしてひとたび試合が始まれば苦戦に次ぐ苦戦の連続。
練習に励む主人公たちの姿を知っているだけに、
強敵を相手に奮闘し、勝利した時の感動はひとしおです。

宮田戦が破断となり、近年はamazonレビューなどでも著しく評判の悪い本作ですが
アジアチャンプ達との試合や、国内防衛戦も自分にはまだまだ充分面白いと言える出来でした。

ただそんな自分も、板垣君だけはどんどん嫌いになってきてます…。
木村と青木に対する態度や、胸に秘めている一歩を超えようとする野心など
この若干腹黒なキャラクター性がどうにも苦手。
何度も再読した漫画だし、少し前なら10点を付けていたと思いますが
板垣君の話に割く話数が増えて来たことが、自分にとって減点材料になってしまいました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-01-15 22:22:07] [修正:2012-01-24 16:28:28] [このレビューのURL]

戦争あり、極貧時代ありと、作者の波乱万丈な人生が描かれるが
一つ一つのエピソードが短く
また、作者の淡々とした人柄もあり、
内容に反して淡白な印象を受ける。

そのため、物語として読むにはちょっと退屈だが
漫画自体は読み易く
当時の状況や、作者の人となりが良く分かるので
自伝としては優れていると思う。

作者、水木しげるに興味がある人になら充分おすすめ出来る漫画。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-01-23 21:02:01] [修正:2012-01-23 21:19:09] [このレビューのURL]

とにかく、観てて痛々しい描写が多いのがキツい
尻の穴に銃口突っ込んで発砲し、死体がマンションの上層から、血便垂れながら
回転して落っこちていくところなんか、漫画なのにガクガク震えてしまった。

こういうエログロだらけの漫画は正直好きじゃないんだけど
恐い物見たさな感覚で、どんどん読んでしまうw。

これだけの抗争を繰り広げながら、結末には何のメッセージ性も感じ無かったが
逆にそのおかげで、単純に暴力を楽しむための娯楽作に仕上がってると思った。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-01-17 16:02:21] [修正:2012-01-17 16:02:21] [このレビューのURL]

武蔵の強さだけでなく、精神的な弱さや脆さといった部分にも焦点を当て
他の井上作品のキャラクター同様、武蔵がとても人間的で魅力的な人物に描かれている。

反面、小次郎に関しては聾者という設定にしてしまったことが、とても残念だった。
聴こえない、喋れないキャラクターをどう描いていくかという、作者の挑戦には興味があるし
今の小次郎も決して酷いキャラクターとまでは思わない。
しかし、もし喋れていたら、もし聾唖者ではなかったら
他の井上作品や武蔵のようにもっと人間性に溢れ、
感情移入の出来るキャラクターになっていたのではないだろうかと、つい考えてしまう。

小次郎にも多くの巻数を割き、クローズアップして描いてはいるが
巌流島の決闘で、「武蔵、小次郎、どちらにも負けてほしくない」とは思えそうにない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-22 20:23:37] [修正:2012-01-15 22:26:38] [このレビューのURL]