「まれら」さんのページ

総レビュー数: 112レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年02月12日

作者初の青年誌連載と言うことで、他の作品と比べると随分露出度が高い。(と言っても、今時は中学生でも喜ばない程度だが。)
あるいは制作側の意向であって作者の本意ではないのではないかと思ったのだが、後書きを見ると結構楽しんで描いているようである。
内容は良くも悪くも相変わらずで、超マイルドな味わいの割には本格的なSF仕立てになっており、考証も細かい。この路線でもっと読んでみたいと感じた。

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[投稿:2008-01-07 01:06:58] [修正:2008-01-07 01:06:58] [このレビューのURL]

6点 異界録

阿鬼と五行先生を主人公にした民話的作品と、独立した志怪小説的な作品が交互に並べられているため、あまり牧歌的にも陰惨にもなり過ぎず、心地よいバランスを保っている。以下各話寸評。
「犬土」軽い蘊蓄作品だが、アンチクライマックスの結末が却って深い余韻を残す。異世界の導入には程よいジャブになっている。(6点)
「異界録」表題作だけあって本格的な怪異談。虚実の境界をわざと曖昧にした導入から瞬く間に異世界へと話が移り変わり、まるで山海経の世界を思わせる幻想的な作品。(7点)
「妖鯉」阿鬼たちも登場するが狂言回しに止まっており、何か昔話を聞くような味わい。(5点)
「幽山秘記」性善説・性悪説や輪廻を題材にした面白い話だが、あまりにテーマが深く、その上登場人物がビッグネーム過ぎて、消化不良に陥っている感がある。長編で読みたい。(7点)
「鬼城」阿鬼と先生の出会いのエピソード。見鬼としてのデビューがいきなり殷墟という大物ぶりを発揮する阿鬼が見事。(6点)
「小人怪」寓話のような味わいだが、グロテスクにして滑稽な小人たちに妙な味がある。ストーリーとしては一番面白いかも知れない。(7点)
「魔婦」阿鬼のモテモテシリーズその1。春蘭が可愛い。(6点)
「三呆誤計」他作と打って変わったようなコメディ作品。道術ネタのドタバタギャグというのも類を見ない。(5点)
「花仙境」阿鬼のモテモテシリーズその2。(みょうがネタを引っ張っているし、本当にシリーズとの認識かも知れない。)公英が可愛い。(6点)
「毛家の怪」比較的軽い話が続いた後に来る怪談。時代設定も他と異なるようで、かなり異質な印象を受ける。(6点)
「連理樹」仏教的な題材が取り上げられるのは珍しい。ラストはやはり突き放したようなアンチクライマックス。(6点)

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[投稿:2008-01-07 01:06:01] [修正:2008-01-07 01:06:01] [このレビューのURL]

少女漫画とフィギュアスケートという、何となく絢爛な要素を組み合わせたまでは通常の感覚だが、そこに「ある要素」を投入することで俄然コミカルな話になった。技術論も入ってはいるが、あまりスポーツ漫画という印象はなく、スポーツを切り口にしたメルヘンという味わい。

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[投稿:2007-12-31 02:50:08] [修正:2007-12-31 02:50:08] [このレビューのURL]

ベイスターズ選手をモチーフとはしているものの、かなり高度にデフォルメされている。しかも繰り出されるギャグのほとんどがデフォルメ部分から発しているため、現実のエピソードのパロディにはなっておらず、ベイスターズファン以外でも問題なく楽しめる内容になっている。ちなみに野球をしているシーンすら少ないため、野球の知識がなくても構わない。
ベイスターズ選手を描いた野球漫画なのに、ベイスターズの知識も野球の知識も不要で、それでいて面白いという不思議な作品。

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[投稿:2007-12-24 00:56:18] [修正:2007-12-24 00:56:18] [このレビューのURL]

マニアックかつシュールなギャグ作品に、シリアスなSFが加味され、不思議な世界を形成している。
ギャグパートはSF・特撮・映画・時事などのネタが満載で、よほどの知識がないとパロディ元がわからない。わからなくても十分面白いが、恐らく作者の意図はもっとマニアックな笑いにあるのだろうという気がする。シリアスパートは打って変わって極上のハードSFになっており、ちょっとトラウマになりそうな重苦しさを持つ。
作品の中心はあくまでギャグなのだが、2つの話題が離れず融合せず適度の距離感を保って進行することで、話に深みが出ているように思う。
中断や再構成などで一貫性に欠ける傾向にあるが、ハイセンスな佳作。

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[投稿:2007-12-24 00:53:44] [修正:2007-12-24 00:53:44] [このレビューのURL]

ギャグマンガの体裁ゆえ強烈にデフォルメされてはいるものの、群雄各々の人物像がしっかり捉えられている。大名と朝廷の関係や臣下同士の確執など、かなり高度な歴史シミュレーションをギャグで描ききる手法は見事。笑いながら読み終わると、何故か大作歴史映画を見たような不思議な読後感が得られる。
著名な大名もさることながら、松永弾正や細川藤孝といったかなり通向きの武将の登場も嬉しいところ。果ては疋田文五郎や教如など、ギャグ漫画に登場するのは初めてなのではないだろうか。
資料的価値はともかく、歴史嫌いにも日本史入門編として薦められるレベルかと思う。

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[投稿:2007-12-20 23:35:48] [修正:2007-12-20 23:35:48] [このレビューのURL]

感動的な話や教訓的な話を期待して読むと肩すかしを食うが、軽い近未来SFとして気楽に読めば十分面白い。珍妙な宿泊客や月面観光など、ギャグに見えながらも意外と考証が行き届いており、作者の懐の深さや余裕が窺われる。
小松左京氏のジュブナイル「空中都市008」と、どことなくイメージがダブる。

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[投稿:2007-12-20 23:34:06] [修正:2007-12-20 23:34:06] [このレビューのURL]

竹本泉の原点ともいうべき作品だが、ほとんど作風は完成されている。絵柄はきわめて柔らかなタッチのかわいらしい絵で、最近の萌え系とは異なり万人受けしそうな感じである。その一方、ストーリーはしっかりと練り込まれたSFであり、そのアンバランスさが味わい深い。
基本は学園ラブコメのような設定ではあるが、あまり深い人物描写はなく、どこかずれた変なシチュエーションを穏やかに楽しむ構成。氏の作品全般について言える事ながら全くといって良いほど毒がないので、刺激を求める向きにはお薦めできない。
「チャチャ=モチャノチャ=ヌートの1」「きぴきゃぴ」など、ぶっ飛んだ言語感覚が作品世界を彩っている。

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[投稿:2007-12-20 01:13:09] [修正:2007-12-20 01:13:09] [このレビューのURL]

キーキー叫びまくる謎の生物(?)を描いた4コマ漫画だが、ストーリーもなく主義主張もなく、極めてワンパターンな「あるあるネタ」が繰り返される。落書き寸前の強烈なタッチと「キー」「キシー」という心の叫びは何か癖になりそうで、決して嫌いではない。
好き嫌いが極端に分かれそうで、あまり他人には薦められないが。

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[投稿:2007-12-20 01:12:17] [修正:2007-12-20 01:12:17] [このレビューのURL]

6点 TOUGH

本作の存在意義は、現実の格闘技の世界のイメージとリアルタイムでリンクしながら、灘神影流という架空の流派をシミュレートしている(ように感じさせる)点であろう。前作の「高校鉄拳伝」ではまだしもスポ根めいた展開があったが、本作のドラマ部分は試合の煽りに過ぎず、どこかで見たようなファイターとキー坊との仮想試合が延々と繰り広げられる。
リアリズムの追求はそのまま地味さに繋がってしまうし、かといって派手な技の多用は非現実的になり過ぎるため、随分とさじ加減が難しそうではある。(とは言っても、鬼龍とのタッグ以降は随分と非現実化しているが。)
作者の格闘技への傾倒ぶりが窺える力作だが、格闘技ファン以外が読んで面白いと感じるとは思えない。

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[投稿:2007-12-19 01:25:32] [修正:2007-12-19 01:25:32] [このレビューのURL]