「まれら」さんのページ

総レビュー数: 112レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年02月12日

5点 QUOJUZ

ラブコメ漫画と呼ぶには妙に業が深い気がする。「花園…」でもそうだったが、何か“不健康なお色気”といった感じで、あまり好きな漫画だと宣言しづらい雰囲気がある。
登場人物がそれぞれ極端にカリカチュアライズされているのだが、根底の観察眼がしっかりしているために、かえって嫌味なほど人間性が露出するリアルなキャラになっている。設定等は作者の他の作品と比較すると月並みではあるが、その分人物描写を中心に置いたため、ハイテンションのコントを見ているようで独特の可笑しさがある。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-28 01:44:41] [修正:2008-01-28 01:44:41] [このレビューのURL]

読み切り時はまだましだったが、通常の連載になると俄然質が落ちた。設定や構成が極端に不得手な感じがする。さらに青年誌レベルのお色気漫画にしては妙にシチュエーションがマニアックで、作者の特殊な趣味を反映しているのではと勘ぐってしまう。(その分ずばりストライクゾーンの方もあるだろうと思わせる雰囲気もある。)
ただ、嫌悪感を抱くような類の絵柄ではないし、内容の無さが幸いしてさらりと読むことができる点は一応評価できる。
持っておくほどの価値はないが、存在を否定するほど嫌でもない、そんなスカスカの存在。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-26 17:30:15] [修正:2008-01-26 17:30:15] [このレビューのURL]

子供たちを中心に、幼稚園や家庭の出来事をギャグにしている。
こう書くとまるで普通のほのぼの漫画のようだが、とにかくマニアックで非常識なギャグ満載の問題作。様々な変態ネタ・オタクネタのオンパレードで、作者の博学さとマニアックさが同時に炸裂している。クレヨン画風の表紙に釣られて知らずに買った人は驚きだろう。
コミックスに収録される用語辞典が、無意味に重箱の隅を突いていて味わい深い。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-23 21:12:53] [修正:2008-01-23 21:12:53] [このレビューのURL]

子供を題材にしたギャグの筈が、ヒットと共に徐々に子供向け漫画になって行った。力量のある作者ではあるし、これはこれで面白いのだが、初期の頃の大人目線のオチや意味のない下品さも好きだった。
本作の登場と前後して子供題材の漫画が乱発されたが、そのほとんどが子供さえ出せばほのぼのして貰えると勘違いしたような駄作であり、本作のようにしっかりした構成と毒と失わない作風は貴重だと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-17 01:14:45] [修正:2008-01-17 01:14:45] [このレビューのURL]

新聞四コマのような普遍性をあえて捨て、続けて読まなければ理解できない深くて狭い世界を綴っている。よくある四コマだと思って適当な部分だけをつまみ食いしても、あまり面白くないだろう。四コマのくせに「順を追って」「続けて」読まなければ味が出てこない面倒な作品。
その代償としてキャラクターの確立は大成功で、小ネタの積み重ねで時代や人物像を浮き彫りにしていく手法はなかなか見事である。郷愁にゆるいギャグを織り交ぜやがて感動へもっていく構成が、最初から意図されたものかどうか不明だが、間延びしながらもなんとかフィナーレまで描き切っている。
怠惰で無意味な大学生活を経験した覚えがある者にとっては、じわりと記憶が蘇るような作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-15 21:05:02] [修正:2008-01-15 21:05:02] [このレビューのURL]

藤子作品だからといって教訓や風刺を期待してはいけない。ひたすら喪黒の独善ぶりを描く話であり、ブラックユーモアを一層推し進めた形でピカレスクものに近い。
まんが道やハットリくんの著名度のせいでかすんでしまっているが、本作や変奇郎・魔太郎などの作品群も強烈な印象を残す名作である。世間が思う以上にブラックな要素の強い作者だと思うが、自身の子供向けの作品やF氏の呪縛でブラックな作品にスポットが当たらないことは残念に感じる。
随分前にアニメ化されており、大平透氏の怪演が印象的だった。今読み直してみると喪黒の台詞で大平氏の声が蘇ってしまう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-14 17:09:20] [修正:2008-01-14 17:09:20] [このレビューのURL]

一言で言えば野球ギャグなのだが、現実の試合にとどまらず、テレビ・スポーツ新聞・野球漫画などもごっちゃにしてパロディにされていく。野球の知識はほぼ不要で、むしろ往年の選手のキャラクターを知っていたほうが笑える。(ただ、土井や高田、広岡あたりのネタが今の読者にどこまで伝わるか疑問ではある。)
鋭いパロディの連発で選手を茶化していくのだが、不思議と嫌悪感はない。おそらく根底にスポーツや報道に対する思い入れが感じられるからだろう。
コマ内にごちゃごちゃ書きもまれている作者のツッコミなどが妙におかしい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-13 20:14:51] [修正:2008-01-13 20:14:51] [このレビューのURL]

ヤクザネタであり、ややくどい画風と相まって少し敬遠する向きもあるかと思う。
ただ内容は面白い。一言で言えばバカで下品でくだらない作品だが、ここまで徹底すれば文句ない。「頭からドリルが生える」だの「地底人と兄弟」だのといったギャグの設定になぜヤクザが必要かということからして可笑しい。組長やサブがギャグの中心ではあるが、黒田の醒めたツッコミぶりも見逃せない。
各話の間に挿入されるページのイラスト風ギャグが時々ツボにはまり、「ニョロ−レロ−ゲルロ」では死にそうになった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-12 10:35:19] [修正:2008-01-12 10:35:19] [このレビューのURL]

8点 壁男

[ネタバレあり]

表題作は「壁男」だが、雑多な作を詰め合わせた短編集になっている。前半部は表題作を中心とする現代社会もの、後半部(第二部)は幻想SFが収録されている。傾向も時期もバラバラで、統一的な評価はできない。以下各話寸評。
「壁男」現代社会を舞台とするホラー的作品だが、宗教や伝奇などの背景を持たずに展開する作風が却って異質。隣接するのに見えないという実に地味な恐怖をうまく描いているが、描写は漫画ならではのもののように感じる。何故映画化(未見)されたのかわからないが、あまり目立つ作品にはならないように思う。(6点)
「ブラック・マジック・ウーマン」随分古い作品で、コミカルなホラーという不思議な世界。(5点)
「鰯の埋葬」会社(組織)の持つ狂気は、繰り返し描かれるテーマ。本作では宗教を絡めてやや猟奇的に描写されている。(6点)
「会社の幽霊」これも組織の狂気ぶりを描くシリーズ。(5点)
「夢の木の下で」モボクが登場する話の一つであり、「遠い国から」のシリーズの原点となるエピソード。幻想的なストーリーの最後で一縷の希望を示して終わっており、第四信で壁越えが成功したことが暗示されている表現に繋がっていく。(7点)
「遠い国から第一信」既評(8点)
「遠い国から追伸カオカオ様が通る」前作の続きとして位置づけられており、旅情と虚無に溢れる展開が引き継がれる。ただ前作から15年以上の制作間隔があり、絵柄やストーリーは随分異なっている。カオカオ様の意味が最後まで語られないところが不安感を煽る。(7点)
「第三信ナルム山紀行」ナルム馬の解説のシュールさが凄い。(6点)
「第四信荒れ地にて」連作の最終作になると共に、主人公の旅の終着点になるのだろう。モボクや壁の現在が語られるが、「夢の木の下で」で示された希望とは裏腹に、絶望や虚無で終わっている。荘厳なラストは圧巻。(8点)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-12 10:34:11] [修正:2008-01-12 10:34:11] [このレビューのURL]

HPのシュールなイラストに惹かれて読んでみた。緩い萌え系の漫画を予想していたのだが、終始一貫して特有の暗さがあり、何か特異な印象を受けた。癒しや萌えと言うには少し陰がありすぎるし、ギャグというほど笑うようなものでもなく、今一つ位置づけを図りかねる感じがする。あえて言えば昔話の印象かも知れない。
ただキャラクターは完成されており、グッズやイラストには向いているだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-01-12 03:16:27] [修正:2008-01-12 03:16:27] [このレビューのURL]