「とろっち」さんのページ

難しいテーマですが、不器用でドライながらも、ほのかに温かくて優しい物語です。
そういう空気を醸し出しているのはダイキチの漢っぷり。格好いいです。

第1部はダイキチ視点での子育て奮闘記、
第2部は主にりんの視点で、高校生としての等身大の思い、悩みが描かれています。

第1部の続きをもっと見てみたかったのが正直な感想です。
が、反対意見や批判が多く出ることが予測できたにもかかわらず、
敢えて新しいステップへと進んだ作者と関係者の決断には、ただただ敬意を表したいです。

第1部が面白すぎただけに、好きだった人は慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、
第2部だって捨てたものではないです。
と思っていたら、第2部もどんどん面白くなってきました。
作者が本当に描きたかったのは、もしかしたらこっちだったのかも。
年月が過ぎてもテーマは同じ。単純な恋愛ものにはしてほしくないです。

家族を持つとはどういうことか。親子とは。2人の生活は。将来は。
ダイキチは、りんは、どういう答えを出すのか。そもそも答えなんてあるのか。
温かく見守っていきたい作品です。

作者がこの作品のゴールをどこに設定しているかにもよりますが、
いつ第3部に飛ぶかわからないので、そういう意味でも目が離せない作品です。

とりあえず購読に当たって致命的な欠点があります。高い!
1冊979円(税込)はいくらなんでもやりすぎでしょ。
知らずに3冊まとめてレジに持っていったとき(2937円)は、
レジのお姉さんの打ち間違いかと本気で思いました。
確かにすごくいい紙とか使ってるんですけどね。1巻から愛蔵版みたいにしなくてもいいのに。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-07 21:44:23] [修正:2010-03-10 22:17:21]