「とろっち」さんのページ

総レビュー数: 300レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年10月09日

「その頃わたしはなんにも知らなくて 思えば しあわせだった」
「もう、子供の時のわたし達には会えないわ!!」
「333ノ テッペンカラ トビウツレ」
「ボクハ イマモ キミヲ アイシテ イマス」
「人間デス。」
「わたしは 三角に なった」 「わたしは マルに なった」
「これは……子どもの終わる音よ!!」
「ワタシハ イマモ アナタガ スキデス」
「そして あとに アイだけが 残った」

この作品について多くは語りません。と言うより語れません。
いや喋ることはいっぱいありすぎるのですが、まともなレビューにはなりそうもないです。
それほどまでに違う次元で構築された作品。
読んでみて下さい。 考えてみて下さい。 感じてみて下さい。
物語とはまた別の狂気を演出する扉絵も含め、とにかく「凄い」作品であることは間違いないです。
あとは読む人がどこまで受け入れるかだけ。

「これが、わたしの生まれてきた目的だったのだ!!」
わたしは真悟。 真実を、悟るもの。 真の愛を、悟るもの。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-06-30 20:56:51] [修正:2010-06-30 21:05:39] [このレビューのURL]

何だか変ちくりんな話。どこまでシリアスなのか掴みづらいです。
「金髪少女+妖怪+ゴスロリ+チェーンソー」の設定を考えるのみで見切り発車してしまい、
ストーリーは後付けなのでは、なんて思えてしまう作品。

基本は1話完結のオムニバス形式。
すごく変なところから話が始まり、変なところで終わったりします。
急にそういう状況に陥ったことを表現しているのかもしれませんが、
画力不足なのか表現力不足なのか、いま一つ上手く伝わってこないのが正直な感想。
といっても言うほど悪い作品でもないですけどね。面白い話も結構ありますし。

あまりにも展開が遅すぎるのが難点。とりあえず本筋を早く進めましょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-30 20:50:57] [修正:2010-06-30 20:50:57] [このレビューのURL]

グリム童話を諸星流に大胆アレンジした短編集。
戦戦慄慄のサスペンス、練りに練ったミステリー、設定を実に上手くアレンジした現代劇、等々。
有名どころの話を題材にしながら、この人の手にかかると全く別の話に見事に生まれ変わります。

グリム童話の本領である不条理さ、残虐さ、不気味さ。
そういったものが作者の手によってさらに強められ、あるいは捻じ曲げられ、消化されて、
作者独特の世界観として再構築されています。
諸星作品とグリム童話との相性がよほど良いんでしょうね。
先の展開が全く予測できないストーリー、読者を引きずり込むような構成力の凄さも健在です。
元ネタの都合上、話の面白さにかなりばらつきがあるので総合的にはこの点数ですが、
赤ずきん、ラプンツェル、Gの日記は特に良かったです。

作者のグリム童話アレンジ集は、他にも姉妹版に当たる「スノウホワイト」があります。
個人的には全体的にこっちの方がちょっと面白かったかなと思いますが、
気になる方はどちらも手に取ってお気に入りを探してみてください。
特にラプンツェルは「スノウホワイト」でも全くの別アレンジとして収録されているので、
読み比べてみるのもまたご一興かと。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-06-23 20:12:37] [修正:2010-06-23 20:12:37] [このレビューのURL]

結ばれた恋、重なる想い。 片道の恋、届かぬ想い。
キスに込められた、それぞれの想い。
キスに彩られた、それぞれの想い。

1つの時系列を、3組それぞれの視点で異なった角度から3回描いた、3通りのストーリー。
同じ場面でも、自分がどの視点に立っているかで、印象が全く違います。
何度も同じ場面を見させられるのではなく、違った角度からそれぞれの心情を深く味わう感覚。
登場人物の気持ちが交錯する濃厚な心理描写と、淡白なようで鮮やかな情景描写が、何とも秀逸。

1回読むよりも2回目の方が、2回目よりも3回目の方が、ずっと心に届く作品です。
その時のBGMはもちろん「Je te veux」と「Tempest」。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-06-23 20:01:33] [修正:2010-06-23 20:01:33] [このレビューのURL]

8点 地雷震

凍てつくようなその眼光が見つめる先は、歪んだ世界と心の闇。

登場人物は皆とにかく眼に力があります。眼に力があるから作品全体に力強さがあり、
ひいては作品としてのリアリティをも感じさせます。
驚異的な画力と圧倒的な雰囲気とで「魅せる」作品。
そんな本領が発揮されるのは8巻ぐらいから。初期作品だけに、それまでは我慢。

主人公の冷徹な表情の奥深くに潜む、押し付けがましくない優しさが好きです。

ちなみに、自分は当時「幽☆遊☆白書」でこの作品を知りました。そんな人も多いのでは。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-06-20 23:35:04] [修正:2010-06-21 00:03:27] [このレビューのURL]

特筆すべき内容なんて無いです。
2組のカップルと、それを取り巻く人々の日常生活を描いた、ただそれだけの話。
でも、読むと恋愛がしたくなる。 この表現、実に絶妙です。
ゆるくて柔らかくて何より楽しい、そんな雰囲気、クセになります。 どっぷり浸ってみませんか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-20 23:27:37] [修正:2010-06-20 23:30:45] [このレビューのURL]

River's Edge

「あたし達は何かを隠すためにお喋りをしてた」
「ずっと  何かを言わないですますために」
何かを隠すために人を傷つけ
何かを隠すために人を求める

完璧に1ミリの狂いもなく真っ直ぐ生きている人なんていない
みんな多かれ少なかれ必ずどこかズレている

誰がおかしいわけでもない  誰が悪いわけでもない
みんな少しずつズレているだけ

そのズレが偶発的に絡まり合って大きくなったとき、事件は起こる
でもそれは特別なことではない
現実なんてただそんなものなのだ

もう二度と交わることがないかもしれない直線
でも確かに彼らは出逢った
あの河のほとりで
河口にほど近く、広くゆっくりよどみ、臭い、 でも確かに海の匂いがする、あの河のほとりで

River's Edge
 

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-06-09 21:12:25] [修正:2010-06-09 21:14:41] [このレビューのURL]

旨いもん喰ってるときが何より幸せ。
そんな方々へ贈るハートフル……もとい、満腹ストーリー。

フィクションとのことですが、エッセイとも思えてしまうぐらいにリアリティがあって完成度が高いです。
巷の食マンガを席巻している、味を言葉で表そうとする例のこねくり回した表現も、この作品では不要。
表現はとにかくストレート。

「魚介の旨味が!! うまいっしょ!? うまいっしょ!?」
「(うなぎが)あんまり甘くなくって もーとにかくふんわりでおーいしーいーー!!」
「なんじゃこの上ハラミ!! 脂のうまみと肉汁がかむとジュワーッと!!」

読んでいて腹が何度も鳴りました。すごく旨そう。楽しそう。

食事の楽しさっていうのは食べる楽しさだけでなく、誰かと時間を共有し、喜びを分かち合う楽しさも
とても重要だと思います。
この作品では何よりそれが大切にされていて、とても良い感じ。
会話が楽しい。雰囲気が楽しい。だから食事が楽しい。
タイトルとは裏腹に、食事に対する愛がたっぷり感じられる作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-06-09 21:01:52] [修正:2010-06-09 21:01:52] [このレビューのURL]

民主主義はもういらない あなたのための全体主義

国民クイズは、国政にあなたの意見を反映させる唯一の手段。
優勝者の望みは国策となり、日本国政府がその威信をかけて叶えさせる。
どんな願いでも構わない。だって勝者は絶対だから。

国民クイズの司会を務めるK井K一は、国民を熱狂させ、支持率98%を誇る、言わば国民的スター。
輝かしいポジションにある彼だが、実はクイズの敗者であり、強制無償労働で司会をさせられていた。
司会をしていないときは拘束着を付けさせられ、独房に収容される日々。
そんな彼の本心は、彼にしかわからない。

この作品がマンネリ化に陥りそうな感じになってきたとき、話が大きく動く。
反国民クイズ体制派が他国と共謀し、革命を企てる。
K井K一の別れた妻、そして残された娘を巻き込んで……。
日本は、国民は、どこに向かって動いていくのか。どこに向かえばいいのか。

とにかく単純明快な作品です。でも扱っているテーマははもの凄く深いです。
ぶっ飛んだ設定。妙なテンション。パワフルで、ストレートで、強烈なメッセージ性。名言たっぷり。
当時(あくまでも90年代初頭)の日本や世界情勢を皮肉った、でも現在にも通用する展開。
打ち切りになってしまったらしく、後半がドタバタで駆け足だったのが残念。
名作になり得ただけに何とももったいないです。
それも含め、人によって評価が大きく分かれるかもしれませんね。
個人的にはこんな時世だからこそ読みたい作品だと思います。 怪作。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-06-07 21:00:21] [修正:2010-06-07 21:33:00] [このレビューのURL]

妖怪版めぞん一刻。
何を言っているのかわからないかもしれないので、もう1回言いますと、
妖怪版のめぞん一刻(を目指したであろう作品)です。
つまり、美人で優しい管理人とボロアパート、管理人につられて入居した冴えない主人公、
そして妖怪のような迷惑住人たち。というか本当に妖怪の住人たち。

まあそんな感じのドタバタラブコメなのですが、本家と違って登場人物、
特に管理人に魅力が感じられず、肝心のラブコメ部分もやけに薄っぺらく感じます。
みんな表情が乏しいんですよね。
掲載雑誌の影響かもしれませんが、途中からラブコメというよりも
単なるエロ漫画としての様相を呈していき、最後にはバトル漫画になるという展開。
雑誌掲載時、途中まではそれなりに楽しく読めたのですが……。
描き様によってはもっと面白い作品になったと思うんですけどね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-07 20:51:58] [修正:2010-06-07 20:52:49] [このレビューのURL]