「とろっち」さんのページ

総レビュー数: 300レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年10月09日

ちょっと旅行に行ったり学校でイベントがあったりすると周りで殺人が起こるという不幸な星の下に
生まれた高校生が、ジッチャンの名にかけて犯人を指名し、指名された人がもれなく自白するお話。

推理小説を漫画というジャンルで描き、さらには犯人当てを読者参加企画にするという手法は
当時あまりにも斬新で、数多のフォロワー作品を生み出し、その功績は計り知れません。
有名作だけに批判の声もあり、中でも特に多いのが「こいつら殺人事件に遭遇しすぎ」というもの。
それは超長期連載だけに仕方ないとは思うんですけどね。
事件に巡り会うのも名探偵の証とはよく言ったものですけど、あれだけ目の前で何十人も殺されても、
金田一はもちろん、美幸まで精神障害やPTSDに悩まされることなく平然としているのは凄いですが。

むしろそんなことより他にツッコミどころが満載のこの作品。

金田一は公式に捜査協力を依頼されたわけでもなく、単に警部や警視と個人的に仲が良いだけの
民間人なのですが、捜査に関する情報(もちろん個人情報含む)が事細やかに入ってきます。
これって警察の重大な守秘義務違反じゃないのかなと思うのですが。 本来は懲役刑の対象です。

また、覆面や包帯を顔面に巻いた人物が頻繁に登場するのも気になります。
最初は叙述トリックが使えない漫画ゆえの苦肉の策かなと思って読んでいましたが、あまりにも多すぎ。
しかもこの人たち、結構活発に活動したりして、颯爽と現れてホテルなどに泊まったりもします。
明らかに怪しいです。 殺人に関係なくいろんな意味で。 ホテル側も身分等を確かめずに泊めてたり。

でも一番納得いかないのが、金田一が勝手に捜査し始めて容疑者たちが邪魔くさがったとき、
「この少年は名探偵・金田一耕助の孫なんだよ」「な、なんですとー!?」
いやいや孫だからって関係ないでしょ。 金田一耕助本人が来てそのリアクションならわかりますが。
普通なら「ふーん、お爺ちゃん有名だね。 で?」ってなるレベルの話かと。

確かに探偵ものとしては話が破綻している部分もあるかと思います。
派手な展開を好むことで有名な現在の原作者になってからは、人を殺すためにトリックを
考えるというよりは、トリックを見せたいがために人を殺すようにしか見えなくなってきました。
犯罪芸術家とか怪盗紳士とか訳の分からん者が出てくるようにもなり(コナンに対抗したのか?)、
現実的な感覚とはかけ離れてちょっとカオス気味にもなってきます。

ただ、再読に適していない推理漫画というジャンルながら、特に初期の話は何度読んでも楽しめます。
これはストーリー部分の構成がよく練り込まれていて秀逸ということでしょう。
質が低下してしまった最近では、私なんかは真剣にトリックを推理するというよりも、楽しみ方としては
秀逸なミステリー…ではなく、何人も人を殺すほどドロドロの人間ドラマ、あるいはいつ誰が死ぬのか
(いつものメンバー以外ですが)わからないサスペンス、として読んでいます。
感覚としては年配の人が水戸黄門やら暴れん坊将軍やらを楽しむ感覚に近いのかもしれません。
いつも同じような展開になる、言わばパターンが決まっている作品(悪く言えばマンネリ)ですが、
そのマンネリが楽しめる作品。
一度好きになってしまえば、いつまででも読み続けていられそうです。

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[投稿:2011-11-10 00:24:23] [修正:2011-11-10 00:27:02] [このレビューのURL]

若い女性の主人公が、男性優位・経験重視の伝統的な陶芸の世界に飛び込み、
経験や苦労を重ねながらも成長していく様を本格的に描いた作品。

古来から焼物大国として栄え、大陸の文化を吸収し独自の文化に昇華させてきた歴史を有する日本。
そんな土への郷愁、窯元の師弟制度、アマとプロの違いと厳しさ、新人や無名陶芸家の辛苦や困窮、
例えば1個300円の湯呑み茶碗を売ることがどれだけ難しいか。
その辺りが綿密な取材に基づく膨大な量の薀蓄とともにしっかりと描かれています。

同じ食べ物でも発泡スチロールの器で食べるのと陶器の器で食べるのとでは感じが全く違いますし、
陶器のジョッキで飲むビールはグラスとはまた違った旨さがあります。
旨い食事と見事な器は切っても切り離せない、言わば「表と裏」の対等な関係。
この作品は萩が舞台なので主に萩焼について触れていますが、備前焼、丹波焼、無名異焼など
代表的な陶器ももちろん登場。 各地の土によってこんなにも性質が違うものなのかと勉強になります。

ただ、私なんてこれを読むまでは陶器と磁器の具体的な違いすらよくわからないど素人だったので、
もうちょっとわかりやすく描いてくれれば良かったかなと思ってしまいました。
不満というほどでもないですが、説明も注釈もあるもののどうも全体的にわかりづらい気がします。
まあ現在の親切丁寧な作りの業界漫画ならもっとわかりやすい構成になっているのでしょうが、
この当時としてはこんなものでしょうか。

あと惜しむらくは展開がちょっと(時々かなり)安っぽいところ。
そもそもこの作品は、萩近辺在住で焼物に没頭していた原作者がある日「夏子の酒」を読んで感動し、
自分でもこんな話を作ってみたいと思ったのがきっかけとのことですが、ジャンルこそ違えど、
やっぱり夏子の酒の二番煎じという評は自分の中で覆せなかったですね。
美咲が独立するまでは話がかなり練り込まれていて面白かったんですが、そこからは料理漫画のように
勝負や対決なんかも多くなり、突拍子もない展開などもたまに出てくるようになってきます。
もっと深い部分まで切り込んで描けたのではないかとも思えますが、陶芸ビギナー層を取り込むために
浅く分かりやすい話に特化したのか、全体的に話の厚みが足りない印象を受けます。
より一層深くて良い作品になり得ただけに非常に惜しい感じ。

とまあ色々書きましたが、少なくとも本作を読んで焼物の世界に興味を持てたのは間違いないです。
これまで食事のときには皿の上のもの(=料理)のみを注目してきましたが、これからは皿自体にも
目を移して楽しむことができるようになったかな、と。
奥が深いなどという言葉では表しきれないほどの伝統を誇る陶芸の世界なだけに、この漫画だけで
語り尽くすのは当然ながら不可能なんですが、入門編としては申し分ない作品だと思います。
萩にも実際に行きたくなりましたね。
ちなみに続編は美咲が青磁を追い求めて世界各地を駆け巡ったりする話。 あんまり萩は出てきません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-05 01:25:18] [修正:2011-11-05 01:51:48] [このレビューのURL]

声が出なくなるほど極度のあがり症。 やりたいことが見つからない。 自己主張ができない。
周囲に対して、友人に対して、自分自身に対して、どうしても一歩が踏み出せない。 前に進めない。
そんなもの凄く後ろ向きな主人公が強引な勧誘と不運な巡り合わせとで演劇に出会う話。

漫画をちょっとでも読み慣れた人なら、第一話を読んでその後のあらすじが何となく頭に浮かぶはず。
そしてその思い浮かんだ展開は恐らくながらあながち間違いではないはず。
そのぐらいに特段の捻りや意外性に欠けるような作品。
他の方のレビューにもあるように、数多くの漫画の中からこれを選ぶ必然性にも魅力にも乏しいです。
せっかく張った伏線を思いっきり無視したりするし、主人公は見ていてイライラするしで、
作者にとって初の連載ということもあってか最初の方は特に読みにくかったですね。

ただし、つまらないかと言えばそんなことはなく、特段の期待もせずに読んでみたら
思いのほか面白かった作品という印象です。
何だかんだでキャラの造形が上手くて皆それぞれ個性をはっきりと読み取ることができ、
作者がしっかりと話を作るというよりは各キャラが勝手に動いて話が出来ていくという感じ。
至極オーソドックスな展開なのに気が付けばどんどん話に引き込まれていきます。

成長物語かどうかはさて置き、「やってて良かったって思える」ものに出会えた彼女は実に幸せ。
ジャンルや主人公の性格などは違いますが、「宙のまにまに」なんかに近い空気を感じます。
自分はずっと運動部でしたけどこういうのを読むと文科系の部活が楽しそうに見えて仕方がないです。
綺麗にまとまりすぎていて、現役の学生の人が読んで共感を得られるかは正直わからないですが、
かつて学生だった人がノスタルジーに浸る作品としてはなかなか良いのでは。

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[投稿:2011-10-25 01:16:30] [修正:2011-10-25 01:16:30] [このレビューのURL]

フィクションを交えた島本和彦の自伝的作品。

当然ながら私はこの時代に青春を謳歌していた訳ではないですが、出てくる漫画は概ね読んでますし、
社会風俗的なことも知識としてなら知っていますので(当時のアニメとかの話は全くわかりませんが)、
舞台背景は読んでいて理解できるという程度。
特に感慨深さや懐かしさを感じるということもないですし。

なのであくまで漫画作品として贔屓目なしに読むと、序盤はその熱さと濃さが上手く作用して
引き付けられるように読んでしまいますが、慣れてくるにつれて徐々に冷めてきてしまいます。
主人公が暴走と空回りばかりで全然前に進まないのが自分の中で冷めた大きな理由ですね。
作者は「青春とはそういうものだ」というスタンスで恐らく描いているのでしょうが、その辺りが
個人的にちょっと相容れないのかな。
これは自伝的作品だからまだ良いものの、本来ならこれだけ進展に乏しいと話がダレてしまいます。

あと、「吼えろペン」の前日談的な話なので仕方ないものの、他の登場人物(庵野秀明とか)が
実名なのに対し、主人公が焔 燃(ホノオ モユル)なのもちょっと違和感を感じてしまいました。
ってよく考えたら「まんが道」もそうでしたね。 失礼しました。

まあそんな感じで、現時点では「吼えろペン」ほどの熱さや魅力は自分の中で感じませんでした。
トンコさんとの距離感も訳わかんないですし。 なので現状はこの点数。
ただ、これから起こるであろうと予想できる話の展開如何によっては、これまでの作者の作品を
凌駕するほどの爆発力をも秘めていると思います。
今はまだ炎が燻っている状態。 そういう意味で「アオイホノオ」なのでしょうか。
そう考えるとなかなか深いタイトルですね。

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[投稿:2011-10-18 01:29:08] [修正:2011-10-18 01:34:44] [このレビューのURL]

江戸の町にて起こる数々の奇妙な事件を「理屈」で解決しようとする「当て屋」の椿と、
基本的に事件に巻き込まれる形で話に絡む絵師・鳳仙を中心とした、探偵物語のような話。

ヤングアニマル掲載だけあって出てくる女性はみんな艶があり肉感的で、エロもグロも多い作品です。
が、江戸時代(吉原周辺)の日常が丁寧に描かれていて、(性風俗ではなく本来の意味での)風俗的に
とても興味深い作品にもなっています。

他の方のレビューにもありますが、個人的にはこの作品はミステリーとは言い難いと思います。
少なくともミステリーとして考えるととてもじゃないですが楽しめないと思います。
基本的に怪奇事件ですし、その原因も物の怪の類の超常現象が主ですので。
江戸を舞台に巻き起こる超常現象に挑むサスペンス、ぐらいの気持ちで読むのがちょうど良いかと。

使い古されていそうなジャンルでありながら斬新な雰囲気で、最初の頃は面白かったですよ。
ただ最近は若干ネタ切れでしょうか、話の質が低下してきているように感じます。
せっかく吉原が舞台の春画絵師という設定がありながら、それはあまり話の根幹には絡んでこなくなり、
エロ場面のためにのみ使われる設定になってしまっていますし。
リアルに江戸を描いている分、どうしても事件のパターンが限定されてしまうのは仕方ないところかも
しれないですが、何とかマンネリ感を打破してほしいと思います。

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[投稿:2011-09-27 01:11:30] [修正:2011-09-27 01:12:26] [このレビューのURL]

何だかものすごいメディアミックスぶりらしいですが、原作ライトノベル、アニメ等すべて未読、未見。
ということで他メディアとの比較論はできないです。 漫画版のみ。

舞台は19世紀のイギリス。 産業革命によって経済と科学技術が発達し、神話が駆逐されていった頃。
主人公は妖精が見える少女・リディア(頭の中がお花畑というわけではなく、本当らしい)。
亡き祖母の仕事を受け継ぎ「妖精博士」として開業するも、周りの人に理解されない日々でしたが、
妖精国伯爵の末裔だと名乗る人物から依頼を受けたことで物語が大きく動き出します。

漫画版は原作にかなり忠実に描かれているようです。
もともと漫画向けの設定なのかもしれないですが、作品の世界観、設定、人物等、とても丁寧で綺麗に
描かれていて、むしろ原作小説の表紙の絵柄よりこちらの方が世界観に合っていると思います。
なので漫画は小説を読んだ人向けの補完版ではなく、漫画版だけでも十分に作品世界を堪能でき、
漫画版自体が一つの良質な作品になっています。たぶん。

漫画版の1-2巻は原作小説の1巻「あいつは優雅な大悪党」を、漫画版の3-4巻は原作小説の2巻
「あまい罠には気をつけて」を描いています。
2巻ごとに内容がきっちりまとまっているので、読むなら2巻ごとのセットの方が良いです。
話としては1-2巻の方が面白かったですが、漫画としては3-4巻の方が上手く描けていると思います。
作画担当が漫画家としてレベルアップしたということかも。
内容では、最初の話で妖精博士(主人公)が伯爵に協力する理由がかなり弱く感じられ、
そこがかなり気になったものの、これは恐らく原作的な問題。

漫画としての難点は、上記のとおりかなり丁寧に描かれているので、進みが非常に遅いこと。
原作はまだ20巻以上あるのに。
完結とはなっているものの、恐らくはこの後のシリーズも漫画化されていくとは思いますが、
終わるのはいつのことになるやら。
ちなみに男性の自分が言うのもなんですが、この作品はよっぽど少女漫画に耐性のある人でないと
男性には向かないと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-16 01:03:40] [修正:2011-09-16 01:04:07] [このレビューのURL]

老眼鏡紳士におもてなしされる作品。

他の方のレビューにもあるとおり、ストーリー的には特筆すべきものはないです。
出てくるのも基本的にいい人ばかりで波乱なし。
リストランテの従業員はみんな老眼鏡紳士なので。途中までは誰が誰だかわかりづらかったのが難点。

人物の気持ちの描写がとても上手く丁寧なので、途中からは作品にスッと入っていけます。
他の老紳士からすると主人公なんて小娘ぐらいの年齢だと思いますが、誰も彼女を子供扱いせず
1人の女性として誠実に対応しているのがさすが紳士だなあという感じ。
雰囲気で酔わせてくれる作品。
読後感が非常に良く、眼鏡萌えでも紳士萌えでもない自分でも楽しく読めました。
続編の「GENTE」と合わせてどうぞ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-16 01:00:04] [修正:2011-09-16 01:00:04] [このレビューのURL]

6点 LOST MAN

ピッチ外での陰謀、裏取引などにもスポットを当てた新感覚のサッカー漫画。

主人公のマツモトはクラブこそルーマニア→ブラジル→イングランドとステップアップしていくものの、
もともと全てのポジションで超一流のプレーができる凄い人。
なので主人公の成長物語ではなく、代理人のサカザキがマツモトの能力を活かしたビジネスを
展開し、マツモトがその条件をクリアしていくストーリーとなっています。

現実のサッカー界でも代理人ビジネスが横行しているため、そういうところに着目したのは
新しい試みだと思いますが、如何せんサカザキの目論見が壮大すぎてしかも上手くいきすぎるため、
ピッチの外でのリアリティの無さがとても気になります。
ただしピッチの中での描写はさすがファンタジスタを描いた作者だけあって非常に秀逸で、
リアリティがあって本格的なサッカー漫画になっています。

サスペンス的な要素もあり、今後ストーリーの大局がどうなっていくかが大きな見どころだと思います。
が、そもそもこれ普通のサッカー漫画でも良かったんじゃないか、という気もします。
特にイングランド編になってサッカー描写やそれに伴う選手描写が面白くなってきただけに。
この話は今後どこに向かっていくのか。 落としどころが難しそう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-08 02:28:20] [修正:2011-09-08 02:28:20] [このレビューのURL]

周囲の評判がなかなか良かったので読んでみました。
何だか最近こういう設定の作品をよく目にするようになりましたね。
独身男性の主人公のところに女の子が転がり込んできて一緒に暮らすお話です。

久留里が「もふー」とか「はむー」とか言っちゃうので、まずはそういうのが苦手ではない人向け。
で、内容に関して言えば、話が進みそうでなかなか進まないです。
裏を返せば、このぬるま湯のような日常風景にこそこの作品の良さが込められているのでしょう。

この作品のポイントとなるのが、タイトルにもある「お弁当」。
簡単にパパッと素晴らしいものを作ってしまう一般の料理漫画とは違って、2人が頭を捻って工夫して、
時には豪華だったり、時には失敗したり、できた結果いかにも普通の弁当だったり。
基本は一話完結の話なので、当然ながらちゃんとその回のテーマ(食材)も盛り込まれています。

また、もう一つの特徴が「地理学」。 これがなかなか詳しく描かれていて結構面白いです。
研究の一環としてちょくちょく各地にフィールドワークに出かけ、研究がてらローカルな食材を楽しみ、
余った分を持ち帰って次の日の弁当のおかずにするなど、漫画としてもうまく連動しています。

弁当や日々の食事を介した家族の結びつきを描いた作品。
他の方のレビューにもあるように、無口で人見知りの激しい久留里がたどたどしいながらも
主人公に徐々に懐いていく様が微笑ましいです。 最近はちょっと懐きすぎですが。
個人的には大当たりではないものの外れでもなく、あったら何気なく読んでしまうような作品です。
こういうの好きな人はものすごく好きなんじゃないかなーという気がします。 悪い意味じゃなくて。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-08-30 01:00:59] [修正:2011-08-30 01:00:59] [このレビューのURL]

王道まっしぐらの海洋ロマンファンタジー。
ジンクスと呼ばれる特殊能力を駆使して行われる能力バトルを繰り広げながら、
非常に大きなスケール感、可能性を感じさせるような設定、少年漫画のような勢いのある作品。

ただし、読んでいて妙に既視感を覚えるのも事実です。 とてもベタな雰囲気。
何だか他の作品の良いところをツギハギして作られたような感もある作品にも思えます。
言ってみれば、「ONE PIECE」のような世界観で、「HUNTER×HUNTER」のような能力を駆使して、
「ジョジョ」のようなバトルを繰り広げる作品。 でも全体的な雰囲気はなぜか「GetBackers」っぽい。

ジンクスとは、「極限まで強く思い込むことで実現させる」意志の力。
各登場人物がそれぞれ思い悩んでいたこと、トラウマになっていたこと、勘違いで思い込んでいたこと、
そういう「信念」が確固たるものとなって能力発動に至るので、それぞれのキャラの個性や背景と
強い関連性があって能力に結びつくという設定はなかなか面白いと思います。
まあ要するに念能力みたいなもんですけどね。 上手く使えばかなり面白く描けそうな設定です。

だからこそ見せ方がとても勿体無いです。
能力発動に至る経緯をもっと丁寧に深く掘り下げて描いていれば、さらに面白くなっていたでしょうに。
あと敵のジンクス能力が強すぎ。 読んでいてちょっと引くぐらいに強すぎです。
ネーミングセンスは何とかならないのでしょうか。 むしろわざと外しているのだと思いたい。

ストーリー展開としては、足場を固めつつゆっくりと世界観を明らかにしていき、
やっと大きく話が動き出したて面白くなってきたかな、と思った矢先にいきなりラストへまっしぐら。
終盤はかなり駆け足で打ち切りのにおいすら漂う感じですが、話自体は上手くまとめてあって、
なかなか綺麗な終わり方。 この辺りで終わらせた方が良いと作者が判断したのかもしれません。

個人的にはもうちょっと続けてほしかったですね。
作品のスケール感が大きかっただけに、惜しいなーという感じ。
こういうこと書くのもなんですが、作風的に週刊少年マガジンあたりで連載していれば
それなりにヒット作になったのではないでしょうか。 やっぱり惜しい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-08-25 01:28:08] [修正:2011-08-25 01:28:08] [このレビューのURL]

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