「DEIMOS」さんのページ

作者の思い入れに偏重したアニメーター漫画。

はい、私はアニオタです。(アニメーターではありません。)

この漫画は、つまるところ、以下のような作者の(アニメーター時代の?)思い入れに集約される。
?自分が思うように描けない無力感
?アニメ業界の滅茶苦茶さ(労働環境、業界構造など)への失望とアニメ(作画)への憧憬(動かしたい願望)とのジレンマ
?「働く女性」の困難(恋愛至上主義への懐疑)

これらはあまりにリアルすぎる。
リアルすぎて、笑えない。感動できない。もはや漫画ではなくエッセイだ。
アニオタ(もっといえば、作画オタ)だからこそ、日本産業の一部を構成する業種として、サステナブルなジャパニメーションの今後を本気で考えてしまうのは私だけか?

登場人物が嫌な奴ばかりだし、視点が原画マンに固定されている点で漫画作品としては物足りない。アニメという創作物に対し、スタッフ(脚本・演者・制作含む)がぶつかりあい、わかりあう、その結果として、偉大なアニメを作り上げる、という「夏子の酒」的クリエーター漫画、もしくは、バクマンよろしく暴露漫画にしてしまえば、さらに面白い漫画となりえただろう。

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[投稿:2010-02-14 22:20:52] [修正:2010-02-14 22:20:52]