「DEIMOS」さんのページ

総レビュー数: 126レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年01月14日

8点 頭文字D

誰が何と言おうと面白い!公道バトルを題材にした超有名作品。

天然ボケの天才・藤原拓海が公道バトルに目覚めていき、超絶テクと勝利を呼び込む強運によりハチロクという時代遅れのマシンで次々と強敵を倒していく、という王道中の王道のストーリー。
そして、高橋兄弟など、個性的なキャラクター。記憶に残るキレたセリフ。
よくネタ切れしないなぁ、と思えるほどの公道ならではの奇想天外なバトルの決着方法。

これらは一見、馬鹿げている。低俗なものに見える。
だからこそ本作品の評価を下げしめる人は多いだろう。
しかし、車を知らない人でも楽しめ、そして車を好きになってしまうほどの影響力を持った本作を正当に評価すれば、こういった「馬鹿さ」を真正面から描いたことは評価できる。
若さゆえ尖りたくなる心意気、それは万人の実体験として存在するシンパシーに相違ない。

42巻現在において、プロレーサーを倒すなど、強さがインフレし続けているので、今後どう終着させていくのかは不安ながらも興味深い。プロ転向というのはありきたりだが、それはそれでアリだ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-24 20:37:55] [修正:2011-04-24 20:37:55] [このレビューのURL]

水泳・恋愛・バイク・負けず嫌い・破天荒という相関しないキーワードで構築されたキャラを全面に押し出しただけの漫画。

結局、作者は何を描きたかったんだろう。読者は何を楽しめばいいんだろう。
たしかに破天荒な学生像は面白みがあるが、ストーリーはとっちらかっているし、訴えるメッセージはない。キャラは暑苦しいほどに負けず嫌いなのに、水泳勝負では全く燃えない展開。間を外してきている割には笑えない。集団になじめない主人公が成長して、恋愛を成就し、水泳で勝利を掴み、、、というありふれたカタルシスも提供しない。バイク好きとしては、バイクでの暴走は何か屈折した愛の表現だと思われてしまう。

このもやもやとした感覚、がこの漫画の読後感だ。
「青春の過ち」を懐古できるようになればもう少し楽しめるか?

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-04-24 19:38:20] [修正:2011-04-24 19:38:20] [このレビューのURL]

新と旧の違いに焦点を当ててみると、「新」の方は、「医者とは何か、という問題に懊悩し続けた主人公が、わからないなりにも一定の結論を出して自分の人生に結論を出す」過程を描く作品と言える。

実際、医者漫画といっても、新作の方で描かれるのは腎臓移植のトピックだけ。連載当初はどんどん新しい展開を用意して固定客をゲットしたらダラダラと話を引き伸ばして単行本の発行部数を稼ぐというのは漫画家・出版社の常套手段、という見方もできるが、人生の岐路に立った医者が悩む姿を丁寧に描いた、ともいえる。

恋愛の方でも、赤城さんが凡庸な人生に落ち着いたり、付き合っていた彼女とは別れてしまったりと、「リアリティのある結末」は「人生なんてそんなもんだよ」と言っているようで寂しい限りだが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-17 01:12:36] [修正:2011-04-17 01:12:36] [このレビューのURL]

6点 餓狼伝

格闘技のエンターテイメント性を強烈に先鋭化し、抽出・風刺した作品。

原作の餓狼伝チックな話は冒頭だけで、トーナメント云々の前後から主人公は加速度的に影を薄めていく。それなのに表紙や扉絵では執拗に文七を描くという作者の拘り(笑。だが、トーナメントに主人公が入っていないという意味不明かつ誰が勝ち上がるかが本当にわからない描き方は極めて異様で面白い。そして、それをバックで支えるのは、巽や松尾という強烈なキャラクター。リアリティとフィクションの絶妙なコンパウンドとコントラスト。

そうした方法で、「格闘技ファンが見たいもの」をこれでもかと真正面から描出し、凝縮した漫画と言えるだろう。人は鍛えるとどこまで行き着くのか、人間の肉体が破壊される時はどのような現象が生じるのか、平場で戦うと最も強いのはどの競技種目か、丸腰の格闘家と武装した戦闘のプロが戦うとどうなるか、etc。。。。。
そういった意味では、トーナメントが終わった時点で、上記の目的を達成してこの漫画は終了した様な気もするので、休載云々は気にしないでおこう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-04-17 00:51:31] [修正:2011-04-17 00:51:31] [このレビューのURL]

7点 アカギ

言わずと知れた、賭博の天才・アカギを描いた麻雀漫画。

この漫画の魅力は、「天才の描き方」にある。死を恐れない。攻守の時流を把握する。相手の意図を先読みする。保身を考えない。欲望を持たない。リビドーに惑わされない。そういった天才の資質をことごとく描き、アカギは名言を放ち続ける。

新井秀樹のシュガー・リンが「動」の天才を描いているとすれば、この漫画で描かれるのは、「静」の鬼才。

「アカギのようにありたい」ただひたすらにそう思えるだけで、この漫画は殿堂入りだ。ただし、「天」における「アカギの死」というクライマックスが既に明らかになっている以上、鷲津戦の今後にあまり期待はしていない。

鷲津戦の冗長さには確かにうんざりするが、未だイカサマを描かずに正当麻雀ルールの範囲内で描いている点は評価できる。(「天」のようにイカサマを描いてしまえば、何でもあり感が出て白けてしまうため。)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-17 00:29:33] [修正:2011-04-17 00:29:33] [このレビューのURL]