「DEIMOS」さんのページ

新と旧の違いに焦点を当ててみると、「新」の方は、「医者とは何か、という問題に懊悩し続けた主人公が、わからないなりにも一定の結論を出して自分の人生に結論を出す」過程を描く作品と言える。

実際、医者漫画といっても、新作の方で描かれるのは腎臓移植のトピックだけ。連載当初はどんどん新しい展開を用意して固定客をゲットしたらダラダラと話を引き伸ばして単行本の発行部数を稼ぐというのは漫画家・出版社の常套手段、という見方もできるが、人生の岐路に立った医者が悩む姿を丁寧に描いた、ともいえる。

恋愛の方でも、赤城さんが凡庸な人生に落ち着いたり、付き合っていた彼女とは別れてしまったりと、「リアリティのある結末」は「人生なんてそんなもんだよ」と言っているようで寂しい限りだが。

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[投稿:2011-04-17 01:12:36] [修正:2011-04-17 01:12:36]