「DEIMOS」さんのページ

総レビュー数: 126レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年01月14日

8点 度胸星

未知なる火星へ人生を賭けた日本人達の軌跡を描いたSFヒューマンドラマ。

一言でいえば、濃縮されたシンプルな「宇宙兄弟」。月面飛行を夢見て宇宙飛行士を目指す兄弟を描いたのが「宇宙兄弟」であり、目下大変な人気を獲得しているが、それよりも遥か以前に同系列の題材で同様のモチーフに焦点を当てている漫画があったとは、、、一種の衝撃。

登場人物はより少なく、ストーリーはよりシンプルであるが、候補生各々が自らの夢を抱いて、選抜試験や厳しい訓練を経て火星へと至る全体構成は酷似。超ひも理論などを交え、よりハードSFに近い部分もあるが、それはあくまで「未知なる火星」のエッセンスに過ぎないと思えば、この作品の本質は、主人公(度胸というより我慢強さを特徴とし、見た目はドカベンの山田太郎そのもの)とその周りの個性的な候補生達のヒューマンドラマとして見るべきだろう。

この作者の絵柄は妙な力がある。それはモブキャラの目を丸めるリアクションに象徴されるわけだが。力強さはあるのに暑苦しくない不思議な心地よさを感じられる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-25 01:10:06] [修正:2013-02-25 01:11:59] [このレビューのURL]

8点 頭文字D

誰が何と言おうと面白い!公道バトルを題材にした超有名作品。

天然ボケの天才・藤原拓海が公道バトルに目覚めていき、超絶テクと勝利を呼び込む強運によりハチロクという時代遅れのマシンで次々と強敵を倒していく、という王道中の王道のストーリー。
そして、高橋兄弟など、個性的なキャラクター。記憶に残るキレたセリフ。
よくネタ切れしないなぁ、と思えるほどの公道ならではの奇想天外なバトルの決着方法。

これらは一見、馬鹿げている。低俗なものに見える。
だからこそ本作品の評価を下げしめる人は多いだろう。
しかし、車を知らない人でも楽しめ、そして車を好きになってしまうほどの影響力を持った本作を正当に評価すれば、こういった「馬鹿さ」を真正面から描いたことは評価できる。
若さゆえ尖りたくなる心意気、それは万人の実体験として存在するシンパシーに相違ない。

42巻現在において、プロレーサーを倒すなど、強さがインフレし続けているので、今後どう終着させていくのかは不安ながらも興味深い。プロ転向というのはありきたりだが、それはそれでアリだ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-24 20:37:55] [修正:2011-04-24 20:37:55] [このレビューのURL]

8点 SUGAR

「The・天才」を描いたボクシング漫画。

天才への憧憬、一途な夢、誰しも持つであろうその感情を、いつ我々は失ってしまったのだろう。往々にして、それは、目の前に現れた「真の天才」に打ちのめされた時である。
そういった「天才」像を新井英樹が一癖も二癖もある表現で、面白おかしく描いている。

ボクシングの描画はむしろわかりにくい。攻撃なのか、防御なのか、スピード感をもって読むには記号性に欠く。
ただ、すさまじい速度をもって動いていることだけは確実に伝わる。

この「ひっかかりと圧倒的な感じ」こそ新井英樹の持分ではないか。
何か分からないが凄い。
気分悪いけど、続きが気になる。

したっけ、唯一残念なのは、挫折→再起の流れで突如として終る作品のたたみ方。
一貫した作品としてみると、ボクシング要素でもう少し魅せて欲しかった。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-12-26 22:17:52] [修正:2009-12-26 22:17:52] [このレビューのURL]

面白いのだが、その「面白さ」が普遍的なものではなく、理解が得難いのが問題だ。

まず、ありがちな批判として、
・リアリティがない
・ストーリーにのめりこめない
のようなものがある。

確かに、やたらに文字が多いこの漫画にその指摘は的確かもしれない。
しかし、このマンガの本質というか前提は、
「バクロマンガ(=バクマン?)」
なのであり、完全なメタマンガなのである。
つまり、ワンピースおもしれー、とかナルトさいこー
とか言う次元で楽しむマンガではないということが重要。
(※ワンピースやナルトを否定するものではない。)

こんな奴いたら面白いな、とか、ジャンプシステムを自社のシステムでも活かせないだろうか、とか、漫画の多様性すげー、とか、そういう新鮮さがここにはある。ある意味では、スター不在の現在の漫画界に対するアンチテーゼともとれなくもない。

我々漫画読みは面白い漫画を求め、分析し、語り明かすのをライフワークとする(時として自分でも描いてみてプロとの距離感を測る)のだが、この漫画はそういった会話のスパイスとなりうる。

この漫画の面白さは、そういう類の面白さなのだ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-08-29 23:09:48] [修正:2009-08-29 23:09:48] [このレビューのURL]

釣り漫画の常識を覆した、「釣れない」というリアル。
怠惰と妄想に満ちた日々に「釣り」が絶妙に絡まる。
ボヘー力といえばそれまでだが、怠惰の中に垣間見える熱い情熱に共感して止まない。
これは名作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-06-15 01:04:45] [修正:2008-06-15 01:04:45] [このレビューのURL]

8点 レベルE

冨樫の実力が最大限に発揮されたメタ漫画。

絶妙の間の外し方こそが彼の本分であり、ありきたりな怪奇ものを独自の世界設定力でここまで面白くアレンジしてしまうのだから凄い。

そして、私が今回これを読んだのは三回目だが、年をとればとるほど面白く感じるような気がする。
また、短編でも面白い漫画が描けるということを再認識させてくれた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-27 05:23:00] [修正:2008-02-27 05:23:00] [このレビューのURL]

各巻末尾にプロの方の解説があるので、ここでの解説は控えます。

ただ、そこの言葉で最も共感できたのが、「ギャグなのかシリアスなのかわからない」という部分。

大笑いするかどうかは、読者自身の判断に委ねられます。

今、教育の現場で起きていることは、そこまで「リアルさ」を失ったものになっているのでしょうか。。。

テンションだけで書かれたマンガが多い昨今、このマンガは、読者の人気取りとは無縁の立場で、「緻密な計算」の元に描かれていると思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-02-11 11:02:46] [修正:2008-02-11 11:02:46] [このレビューのURL]

どんなベテラン作者かと思ったら、これがデビュー作とは。。。

確かな画力に裏打ちされた緻密な描写とリアルな設定によって、類まれなる「説得力」をもって見る者を魅了する。

しかし、この遅筆は。。。。芸術家としては一流なのだろうけど、漫画家としては。。。

また、キャラ造形においては、多かれ少なかれ、パトレイバー(ゆうきまさみ)の影響を受けていると思われる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-13 05:30:25] [修正:2007-07-13 05:30:25] [このレビューのURL]

長期連載における福本の成長が見て取れます。後にアカギ・カイジを描く実力をつけていくその変遷を楽しめます。

あまり意識してる人はいないけど、この作品からのスピンオフでアカギは生まれています。

本人もあとがきで書いていますが、東西戦決勝以降は冗長になってきており、コレの直前時期が福本マンガのピークであるという考え方もあります。ややもするとイカサマだらけに陥りがちなトリック合戦を、正攻法とのバランスを調整して、上手く魅せていたのもこの頃の特徴ではないかと。

いずれにせよ、きちんと完結したという点において、福本マンガの中でも高評価を与えられる作品だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-08 03:58:30] [修正:2007-07-08 03:58:30] [このレビューのURL]

8点 銀と金

[ネタバレあり]

経験と情報量で必勝を突き進む銀さんの痛快娯楽漫画
としての側面と
知力と勘のみで限界ギリギリの闘いを強いられる森田のバトル漫画
としての側面
が描かれているのかな。

どちらの側面も面白く、整合性とれてない設定は多々あれど、テンションで読める面白さは凄い。

社会に対して、色々と考えさせられることも多い。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-02-25 20:22:23] [修正:2007-02-25 20:22:23] [このレビューのURL]

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