「DEIMOS」さんのページ

総レビュー数: 82レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年02月28日

4点 忠臣蔵

忠臣蔵を愚直に劇画化した作品。

意外にも、忠臣蔵の漫画は少ない。真面目に忠臣蔵を描いた漫画は、本作品が初めてかもしれない。そういった意味で、本作は資料として一定の価値があるが、遊び心や意外性がなく、愚直に忠臣蔵を漫画に焼きなおした、という印象。
それならばいっそのこと、映像作品でよいではないか、そう思えてします。
女や金に負ける人間のリアルさを描くあたりは、個人的には好きですが、内面に到達する「群像劇」の域には達していないかなぁと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-28 23:08:17] [修正:2010-02-28 23:08:17] [このレビューのURL]

作者の思い入れに偏重したアニメーター漫画。

はい、私はアニオタです。(アニメーターではありません。)

この漫画は、つまるところ、以下のような作者の(アニメーター時代の?)思い入れに集約される。
?自分が思うように描けない無力感
?アニメ業界の滅茶苦茶さ(労働環境、業界構造など)への失望とアニメ(作画)への憧憬(動かしたい願望)とのジレンマ
?「働く女性」の困難(恋愛至上主義への懐疑)

これらはあまりにリアルすぎる。
リアルすぎて、笑えない。感動できない。もはや漫画ではなくエッセイだ。
アニオタ(もっといえば、作画オタ)だからこそ、日本産業の一部を構成する業種として、サステナブルなジャパニメーションの今後を本気で考えてしまうのは私だけか?

登場人物が嫌な奴ばかりだし、視点が原画マンに固定されている点で漫画作品としては物足りない。アニメという創作物に対し、スタッフ(脚本・演者・制作含む)がぶつかりあい、わかりあう、その結果として、偉大なアニメを作り上げる、という「夏子の酒」的クリエーター漫画、もしくは、バクマンよろしく暴露漫画にしてしまえば、さらに面白い漫画となりえただろう。

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[投稿:2010-02-14 22:20:52] [修正:2010-02-14 22:20:52] [このレビューのURL]

タイトル名を大きく下回る素朴な漫画。

タイトルからは、「どこにでもいるような一匹の犬が、空前絶後の地球の危機を救う一大冒険浪漫譚」を想像していたのだが、
守る=見つめる、という誤解で、その内実はお涙頂戴のハートウォーミングストーリーという罠。

ハートウォーミング度合としても、ありきたりで佳作の域を出ないし、ラストの救いの無さは今どきガロ系を彷彿とさせる。
そもそも、動物を使うこと自体、反則技感が強い。

予想を反対に裏切られたため、この評価どまり。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-14 21:57:23] [修正:2010-02-14 21:59:51] [このレビューのURL]

空気を読む漫画。

ああ、そんな感覚あったな。。。

もし、こんなだったら面白いな。。。

日常の中に潜む、ちょっとしたユーモア見つけてみませんか?



・・・・

こういった漫画を万人が描けてコミュニケーションできたら楽しい世界がはじまるかもしれない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-09 01:55:23] [修正:2010-02-09 01:55:23] [このレビューのURL]

6点 モテキ

読み捨てられる面白さ、それこそが漫画の本質!?

この漫画は面白い。しかし、その面白さは、常に単行本を手元においていたい面白さではない。つまり、キャラクターへの愛着はゼロ!ストーリーへの執着もゼロ!深みなし!意味なし!得るものなし!

だが、それでもやはり面白い!

なぜだ?なぜなんだ!?


おそらくその解は、主人公の存在自体が世の草食系男子に対する強烈な皮肉となっているからであろう。一言でいえば、自虐あるあるネタ。

この時代性。このどうしようもない僕たち。そして、あのどうしようもない女性達。
そういった社会の一面を切り抜いた風刺性・同時代性こそ、この漫画の特長であろう。

おまけ漫画の作者の遊び心は、本作品が性別を超えた時代性の描出であることを物語る。そうして私は、ちょっぴり鬱になる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-02-09 01:44:34] [修正:2010-02-09 01:44:34] [このレビューのURL]

漫画という媒体の持つ風刺性を強烈に活かした介護漫画。

まず、この漫画の描く介護現場はリアルだ。私は介護研修を受け、食事・入浴介助や排泄処理なども手伝ったことがあるが、この漫画の描写は実にリアルである。また、各巻毎に介護の中でも扱うテーマを変えてきており、飽きずに読み続けられる。

今更言うまでもないが、このリアルな介護現場で起きている問題は相当深刻である。超高齢化社会に突入する日本を救えるのは、百太郎や仁のような「大志を抱いた救世主」なのかもしれない!!とこの漫画は訴えるのだが、同時に、この漫画は、その期待に対する一抹の不安を投げかけている。
それは畢竟、制度でしか、国を変えることはできない、人を救うことが出来ない、という強烈なアンチテーゼである。
この漫画の述べるところは、末端現場のヒーローと役所や政治家が傀儡する制度改革の両方が必要だよね、っていう止揚に落ち着くのかもしれない。。

オムニバス形式で主人公不在のストーリー構成では、何か読者をワクワクさせるような求心力に欠ける気もする。百太郎や仁が、もっと大暴れしてくれれば、この漫画の評価は今以上になる。「ただのリアル」を超えてこそ、漫画のリアリズムは体現されるのかもしれない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-01 02:21:03] [修正:2010-02-01 02:21:03] [このレビューのURL]

7点 RIN

世界チャンピオンになってからの天才ボクサーの行動原理を描いた「Sugar」の続編。

天才が軌道に乗るまでの軌跡を描いたのがシュガーであるならば、その続編の本作では、余裕で世界をとった天才ボクサーが、人並みの恋愛もできないことの葛藤を描いている。

天才は孤高である。
一人ぼっちの神聖なる存在。

そこにマスゴミと愚民が支持する立石というボクサーを対峙させる。女性に振られてボロボロの精神状態になっても、宗教じみたマスゴミの洗脳を軽々と砕く天才。天才はやはり天才。

ひねた爽快感。

この漫画の面白さはそこに集約される。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-26 22:29:33] [修正:2009-12-26 22:29:33] [このレビューのURL]

「The・天才」を描いたボクシング漫画。

天才への憧憬、一途な夢、誰しも持つであろうその感情を、いつ我々は失ってしまったのだろう。往々にして、それは、目の前に現れた「真の天才」に打ちのめされた時である。
そういった「天才」像を新井英樹が一癖も二癖もある表現で、面白おかしく描いている。

ボクシングの描画はむしろわかりにくい。攻撃なのか、防御なのか、スピード感をもって読むには記号性に欠く。
ただ、すさまじい速度をもって動いていることだけは確実に伝わる。

この「ひっかかりと圧倒的な感じ」こそ新井英樹の持分ではないか。
何か分からないが凄い。
気分悪いけど、続きが気になる。

したっけ、唯一残念なのは、挫折→再起の流れで突如として終る作品のたたみ方。
一貫した作品としてみると、ボクシング要素でもう少し魅せて欲しかった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-26 22:17:52] [修正:2009-12-26 22:17:52] [このレビューのURL]

酒造り、を題材にしたクリエイター漫画。

作り酒屋の娘、夏子が、亡き兄の思いを受け継いで、日本一の吟醸酒造りに挑む作品。
全巻とおして描かれるのは、ただ、それだけである。プロットとしてはそれ以上でもそれ以下でもない。
ただ、その過程で紡がれる困難と解決、人間同士のぶつかり合いを丁寧に描く姿勢にはただ感服するばかりである。

また、この話における酒造りとは、畢竟、エンターテイメントのプロデュースである。コンテンツ製作とのアナロジーでは、蔵元=プロデューサーだし、杜氏=ディレクター、醸造職人=スタッフ、農家=原作者であるといえよう。酒という娯楽作品にかける情熱は、往々にして、利潤追求とは反した行動原理を導く。現実的農薬農法と理想的有機農法の対立は、ポスト資本主義社会の環境調和指向型社会の到来を彷彿とさせる。もはや、夏子の酒は、ものづくりに携わる全ての人間に通じる普遍性をもっているのである。

そして、その熱い魂に共感した読者は、
自然と酒屋で酒選びをしてしまうことだろう。

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[投稿:2009-11-01 19:44:49] [修正:2009-12-24 02:05:44] [このレビューのURL]

神がかった少年を描いた物語「キーチ!」の続編。

キーチ青年は、前作から明確な成長を遂げ、神がかった存在感を獲得している。この成長に対する爽快感は、ドラゴンボール・ピッコロ大魔王編後の悟空の成長にも近いものを感じる。この平伏したくなるような爽快感は、「真っ当に生きた」御姿への畏怖と尊敬であることは自明であろう。

聖書のオマージュともいうべきこの?ノンジャンル?漫画は、私が生きる糧の一つとなっている。

政治や宗教や財力とは違う絶対的権力。
誰かに用意された既製パッケージ思想の妄信(=思考停止)への警鐘。
個人と対等な神。
個人の内面が大事などとエゴを唱えるセカイ系への反駁。

我々は、個々人の中のそれぞれの「真っ当な姿」を理想モデルとして、生きていくしかないんだ、という一つの訓示は、この腐りきった世の中で折れそうになった心が安易に低きに流れるのを阻止してくれる。
その個々人の「真っ当な姿(=キーチ)」は、多重な経験で紡がれる複合物でしかありえない。

生き方の模範を提示してくれた、この偉大なる書に感謝!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-11-29 04:48:02] [修正:2009-11-29 04:55:57] [このレビューのURL]

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