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ほのぼのしながら楽しく読めました。宇仁田先生の優しい絵とほんわかした温かい物語(途中までは)がとてもマッチしていて良かったですね。

1部は育児もの。育児ものにはパパトールドミーや赤僕など名作も多いものの、うさぎドロップ独特の切り口も多くておもしろかった。りんは可愛かったし、ダイキチはかっこよかった。
2部になってかなり色が変わったのには戸惑った人も多いはず。りんの思春期特有の面倒くさい人間関係やぐだぐだな恋愛についての悩みを描こうとしているのかな?、でも迷走してるよなーと思っていたら最終巻を読んでなるほどだったでござる。

評価は分かれるであろう最終巻。倒錯的な恋愛自体は現実的にも少なくないし私も嫌いではないから置いといても、その過程の説得力が足りなさすぎた。これでは結局ダイキチが光源氏になっちゃっただけな気がする。
2部をまるまる使ってりんの気持ちはしっかり描写されていたのでどうしてそうなったかというのは十分理解できた。問題はダイキチの方だよね。どう考えても娘としか思っていなかったようなのに時間がいきなり飛んで受け入れて終了ってのはないよ。もしこの普通ならありえないであろう気持ちの変化の過程が説得力を持って描けてたら、私の中でうさぎドロップは名作(怪作か?)になっていたかもしれないと思うとかなり残念。

個人的には2部が惜しいなと思うものの最終巻が気に入れば楽しめるでしょう。1部は誰が読んでもOKです。
宇仁田先生他の作品に普通のホームドラマを描いた作品もあるようなのでそっちも読んでみようかな。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-07-30 15:07:06] [修正:2011-07-30 15:22:41]