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総レビュー数: 258レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月29日

3点 OZ

少女漫画では珍しい本格っぽいSF。

樹なつみのキャラクターはショタっぽいなぁ、とは多分大概の人が思うこと。今作の主人公の片割れなんて22歳なのにこんな幼くしちゃってるんだからもはや狙ってんのか癖なのかよく分からない。

OZとはそんなショタっぽい凄腕軍人含むドロシー改め天才科学者少女フィリシア一行が、戦争で荒廃した世界を舞台に、天国のような場所だという科学都市“OZ”を目指すお話。要はオズの魔法使いをモチーフにしたSFなのだ。

樹なつみが描いたSFというと、このOZと獣王星の二つが挙げられる。
そもそも私は樹なつみのSFが好きではなくて、というのも結局OZにしろ獣王星にしろこの人は科学を否定することしかしないから。行き過ぎた科学を、人間に扱えないものと否定して、樹なつみは原始へと回帰することを、もしくは停滞することを選択する。
でもそこで思考を止めてしまったらSFを描く意味はあるのかな?と私などは思ってしまうわけで。

別にある面で科学を否定するのは構わない。そもそも1970年代以降のSF作品では未来が無条件に明るく信奉されることはなくなった。私達は未来が必ずしも明るいものではないと気付いてしまったから。
それでも私が見たいのはどんな奇妙に感じられても、やはり未来に生きる人間の姿を描き出す作品であり、その未来とは私達が生きる“今”との繋がりを感じさせてくれるものであって欲しい。ある意味では未来を予知する作品であって欲しい。何よりセンス・オブ・ワンダーをいっぱいに感じたい。
そういった点で私はOZを読んで心苦しくはあっても、その先に何かを感じることは出来ない。先を否定してしまったのだから当たり前のことではある。

そんな文句はとりあえずこれくらいにして…。

この作品のテーマで描かれるテーマは概ね二つ。
一つは管理社会への警鐘?だろうか。これに関してはその管理者をただのわがままなガキにした時点で失敗は目に見えている。アラン・ムーアの傑作「V フォー・ヴェンデッタ」やエンキ・ビラルの作品などと比べると、やはり冷戦を直で経験していない日本の漫画はこのテーマには弱いのかなと感じざるを得ない。

もう一つはアンドロイドと人間の違い。
心を求めるブリキ男とヒューマノイドを重ねるアイデアはおもしろい。いや、これは本当に巧い。
巧いとは思ったが、テーマの広さ、深さ共に「電気羊はアンドロイドの夢を見るか」の劣化コピーの印象をぬぐえない。そもそも最後に全否定してぶっ壊してしまったら元も子もない気もするわけで。

そして最後はいきなり「夏への扉」で終了。
普段しないようにしているのに、ついつい色んな作品と比べてしまったのは、この“既視感”ゆえ。

既視感があるというのは、別にテーマが被っているとかいう問題じゃない。
例えば「寄生獣」のテーマだって別に目新しいものではなかったけれど、あの作品はテーマの描き方というのがまず素晴らしく独創的で(だってミギーですよ)、かつまとめ方が職人技的にすごく上手かった。
一方OZを見てもテーマにしろ描き方にしろ既存の作品のデッドコピーか薄まったものにしか感じられなかったってことで。

結局何が気に入らなかったのかというと、SFをがっつりやりますよ、という期待感を与える要素はいっぱいあるのに中身は可もなく不可もないジュブナイルの域に留まってしまったこと。
私が肩透かしを食らって勝手に文句言ってるだけかもしれない。でもこれは明らかにそういう中身を期待させようとはしてると思うんだけどな。

SFを期待せずに、ジュブナイルとして見ると決して悪い作品ではないかと。でもそうしてみると後付け後付けで話が進行していくのは多少うっとうしく感じられるから困る。だって実は、実は、で進むんだもん…。

否定的なことばっかり書いてきたけれど、逆にSFをあまり読まない人だと気にならないかも、なんて言葉で白々しく締めてみる。

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[投稿:2011-12-06 21:57:39] [修正:2011-12-06 22:10:20] [このレビューのURL]

カイジシリーズで一番ひどいと言っても過言ではないと思います。
ただ好意的に解釈すれば実験的な意欲作とも考えられます。上手い方向にはいってないですが、今後の肥やしにしてくれることを願うばかりです。

以下余談です。零も再開したものの、最近の福本先生は調子悪いのかな。ゴルフ勝負で特別ルールを教えずに相手をハメた辺りに福本作品の根底に流れる公平性が失われてきたように思います。そこらへんは和也編でもちょいちょい見られるので心配ですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-08-07 21:43:48] [修正:2011-08-07 21:43:48] [このレビューのURL]

とりあえず最終回がとんでもなかったということでレビューを書き直しときます。

この漫画の特徴としては土塚さんが原作ということで恐らく熱血じゃなくて暑苦しくない楽しい剣道を描きたかったんじゃないかなと思ってる。
実際人気が出たことからも分かるように、序盤から中盤は土塚さんの魅力的なキャラクターとギャグがあぐりの萌え絵とうまく化学反応しておもしろかった。
問題は後半のバニッシュ学園編。
いきなり意味の分からない芸能人やヒーローの話をやりだしての迷走はひどかった。
今まで育ててきたであろうキャラをほぼぶん投げてのなぜか新たな芸能人?を新たに掘り下げまくった挙句最後の戦いは主人公は置いてけぼりのある意味神展開。
そりゃ読者も置いてけぼりになるわけで。
最終回が俺たちの戦いはこれからだエンドという土塚さん投げた?それとも打ち切り?って疑われる時点で漫画としては失敗としか言えない。

結局何が言いたいかというと、土塚さんは早くマテパ本編を書くべき。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-10-13 21:50:32] [修正:2011-07-01 00:50:34] [このレビューのURL]

3点 FAIRY TAIL

画風についてはべつに気にはならないけど、
単純におもしろくない。
この作者は魔法を何の考えもなしに出しすぎ。
魔法は制限なさすぎてバトルが安直になりがち
だからベルセルクにしろドロヘドロにしろ
工夫してんのに、どうしようもないっす。
毎回の感動?ストーリーもギャグもひたすらしらけます。
ハッピーはかわいいので一点プラスします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-05-16 00:18:28] [修正:2009-05-16 00:18:28] [このレビューのURL]

少女漫画ではけっこう好きだった人なんだけど、
この作品はちょっと痛い。

まず何で音楽を絡めてきたのかなあというのが疑問。
どう考えても作者はパンクというジャンルをただの
ファッションアイコンか何かのように考えているのが
見て取れる。革ジャン着て、破れた服に安全ピンつけていれば
それがパンク。そんなわけない。多分テーマと
なっているシドとナンシーについてもピストルズの音楽が
好きとかいうわけじゃなく、なんとなくかっこいい
エピソードだったから持ってきたのだろう。

内容も自分がこの作者に期待してたものとは違ったし、
パラダイス・キスあたりからの方向性はどうも気に入らない。
現代らしいけど、どっちかというと携帯小説みたいな
現代らしさで安っぽい感じがする。

ハロルド作石はほんとにロックが好きなんだなあというのが
作品から伝わってくるし、三浦じゅんのアイデン&ティティ
はロックは何かといくことを突き詰めていったすばらしい
漫画だと思う。音楽ってそんな軽々しく扱っていい
ものじゃあないのでは。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-07-01 16:30:04] [修正:2008-07-01 16:30:04] [このレビューのURL]

3点 DEAR BOYS

とても長々とやってるバスケ漫画。スラムダンク以降バスケ漫画が少なく、とても楽しみにしていたのだが裏切られた。

作者の絵柄が少女マンガっぽいのはまあ仕方ない。しかし、ひたすらに汗臭い雰囲気を排除してきたのには唖然とさせられた。かなり恋愛に比重が置かれているのもこの漫画に引いてしまった原因の一つ。しかも試合もそんなにおもしろくない。同じ相手と何回も試合していてテンポが悪いことこの上ないし。これを見るくらいなら、あひるの空を見たほうがいいだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-07-14 11:39:59] [修正:2007-07-14 11:39:59] [このレビューのURL]