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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

7点 いつもポケットにショパン
「天然コケッコー」などで知られるくらもちふさこのピアノ漫画。くらもち先生の出世作です。
幼馴染の麻子と季晋(きしんちゃん)。彼らは同じピアノ教室に通い、いつも一緒に遊ぶ仲良しだった。しかしきしんちゃんはピアノ留学のために中学校からドイツに行くことに。その2ヵ月後、麻子が新聞の中にドイツで事故があったという記事を見つける。きしんちゃんのお母さんは死亡し、きしんちゃんは失明の恐れありということだった。その後きしんちゃんの消息はつかめず麻子は高校生となるが…。
天コケでくらもち作品に触れた私にとってはこの作品は相当意外でした。それだけ今と作風が違いすぎます。天コケ以降のくらもち作品はリアルさを追及している印象ですが、いつもポケットにショパンは話といい絵柄といい少女漫画色が強いです。また、30年ほど前の作品なのでしょうがないことですが古さを感じる場面がちらほら。悪い女が不良に金を払ってヒロインを怪我させようとするなんて実際見たのはこれが初かもw
ストーリーは本編以外に脱線しがちで全体的に弛緩しているように感じましたが要所要所で非常に印象的なシーンがいくつかあります。実際に読んで欲しいのでネタバレは避けますが、退屈な話も多いんだけど爆発力は半端じゃないという感じ。ラストも良いですけど、愛子の麻子に対する愛情をたった一言で表した場面は個人的漫画史に残る名シーンです。くらもちふさこすげぇーよ。
演奏シーンは迫力があり、ドラマ性の高い演出で盛り上げます。麻子のきしんちゃんや愛子に対する気持ちがびんびんに表現されていて鳥肌ものです。まさにありえないほど劇的。
スポーツ漫画とかだとトラウマとかその競技以外の話を持ち込むことが純度を損なうとかで嫌う人もいますがピアノ漫画はまた別ですね。感情表現に直でつながるので見応えがありますし、カタルシスがものすごいです。
これ以降くらもち作品はどんどん絵も話もソリッドになっていきます。しかし初期の作品ではあるもののいつもポケットにショパンは未だに1番人気で、少女漫画好きの中ではこの作品の評判は非常に高いそうです。とはいえくらもち先生は「最初と最後だけ良くて、中盤がどかっとだめ」という風に仰っておりあまり気に入っていないというのも分かるような気がします。私はリアル志向の現在の作風の方が好みですが、違った味わいのあるこの頃の作品も良いです。
欠点は多いもののそれを補う爆発力と魅力がこの作品にはあります。私が一つピアノもので選ぶとしたらこれです。おすすめ。
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[投稿:2011-08-16 01:56:03] [修正:2011-08-18 00:49:53]
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