「boo」さんのページ
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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

7点 月のパルス
オカルトを代表とする小道具の使い方がすごく上手い。くらもちふさこの隠れた秀作。
主人公が運命の男(女)に出会う物語、というと少女漫画の一つの典型例かもしれない。
月のパルスもそういう話なんだけど、そこはくらもちふさこですよ。一筋縄ではいかないかなり癖のある作品に仕上がっている。
父親に殴られた衝撃が原因か、16歳の高校生宇太郎は異世界や人に憑いているものが見えるようになってしまう。あることで同年代の女の子、紀は宇太郎と知り合い、恋をするが、宇太郎は彼女は頭の上に黒い憑き物を見ていた。
紀には月子という友人がいる。しかし紀が恋をした男の子はいつも月子を好きになってしまうのだ。だから彼女は月子と宇太郎を近付かせないと決意していたが、彼はしばしば異界の奥や夢の中で月子の姿をそれと知らずに見るようになり…。
最初の方をちょっと読めば嫌でも分かってしまう。ああ、宇太郎は月子に出会うんだなと。
主人公が運命の人と出会う、こういう物語ではほぼ100%その恋の障害となる人が現れる。ほとんどの作品でそういう存在というのは本命の2人を盛り上げる刺身のツマでしかないのだが、くらもちふさこは刺身のツマ、紀をも主人公格に持ってきてしまう。
視点の変更、紀の気持ちが哀しくて切ない。シンプルな話なのに一味違う。
これだけでも十分おもしろくはあるのだけど、それだけでは終わらないのがくらもちふさこ。
2回読むとまた違うものが見えてくる。鍵となるのはおばあちゃん。ただ呆けていたと思っていた言動、そしてミスリード、これはただ運命の出会いといえるのか?
以下ちょっとネタバレなので未読の方は見ないほうがいいかも。
ちょっと違う点から考えてみる。
題名である月のパルス。単純に月子の波動が宇太郎を捉える話としてもいい。また紀(きの)はのり(糊)とも読める。なのでのりが月とうた(パルス)の間に挟まる障害物でありくっつける存在であることを示唆しているという穿った見方も出来る。
2度見た後だとまた変わってくる。魔法のあめ、前世…月ちゃんは憑きちゃんなのだ。憑きの波動?それが運命?
正直震えた。下手なホラーよりよっぽど怖いよ
単純な物語に二重三重と意味を持たせるくらもちふさこには感服するしかない。もはや私にとっては怪作と言えるほどだけど、人によって色んな見方が出来ると思う。
読者によって異なる受け取り方が出来る漫画、多分そういう作品はすごくいいものだ。
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[投稿:2011-10-15 00:55:11] [修正:2011-10-15 00:55:11]
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