「boo」さんのページ
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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

9点 預言者ピッピ
2巻が読めた喜びをかみ締めて。
イムリと並んで私が今一番楽しみにしているSFコミックがこの預言者ピッピ。名作となりえそうなSFを現在進行形で読めるというのはまた他のジャンルと違った喜びがある。何でだろうね、とにかく“今”読めることにわくわくする。
ピッピは世界中のコンピューターから情報が集められる地震予測ロボット。その予知はほぼ100%の可能性で的中し、多くの人を地震の被害から救っていた。
ピッピの親友であり、弟のような存在でもあるタミオは彼自身も知らない不治の難病で近い未来死ぬ運命にあった。しかし予想もしえない事故でタミオは亡くなってしまう。その時、ピッピの頭脳に変化が起こった。
地震から世界を、人類の未来を預言するロボットに…。ピッピの語る信じがたい預言は世界に何をもたらす?もしくはそれさえも預言の範疇なのだろうか?
サイバーパンクやハードSFももちろん大好きだけれども、シンプルな設定から色んな方向に深化していく物語を楽しむのもSFの醍醐味の一つだ。完全なる未来予知は何を生むのか、当初のテーマに収まりきれないものを現在この作品は獲得しているように思う。
預言者ピッピにこれぞSF!という程の装飾はない。そのガジェットだって既視感ありありのものなのに唯一無二の物語に仕上がっているわけで、オリジナリティがあるのは道具ではなくてその使用法の方だろう。
預言者ピッピはSFの厳選された素材を存分に堪能させてくれる。読みやすく、そして何より味わい深い。
正直2巻が刊行される時、猿の惑星:創世記と似たような展開になるんじゃないかと一抹の不安を感じていた。実際には全くの杞憂に過ぎなかったということで、私の浅はかな不安を軽々と飛び越してくれた。話はさらに混迷を深め、どこに帰結するのかさっぱり予想も出来ない。オカルティックな要素さえ完全にSFの範疇に収めてくれるという確信はあっても不安はない。ただただわくわくしている。
そう、結局SFに一番求めているものってわくわくなんだなと預言者ピッピを読むと本当に思う。科学に、それが生み出すものと未来に、未来に生きる人間に惹きつけられて物語から目を離すことは出来ない。
自分で考えて行動できる人間でいたい。そんな望みさえ幻想だとしたら…本当に怖いと思いませんか?
もし自分であったらどんなことを考え、行動するのか。いや、そもそも考えることが、行動することができるのか。これはやっぱり“今”読むべきSFだと思う。いつ出るとも知れない3巻に期待して、この希代のSFとは気長に付き合っていくつもりです。
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[投稿:2011-11-13 20:17:51] [修正:2011-11-13 20:17:51]
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