「boo」さんのページ
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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

6点 消えたタワーの影のなかで
「マウス」で著名なアート・スピーゲルマンが描く9.11。
スピーゲルマンは9.11の時、世界貿易センタービルの近くにいたそうだ。
「マウス」で見せた人を動物として描く手法、寓意に満ちた物語、そして付録にもなっている黎明期のコミックストリップから引用した多彩な絵柄、これらの様々な技法が駆使されて、彼の見た当時のニューヨークとその後のアメリカの姿が描かれる。
最初はマウスのように客観性を突き詰める作品なのかと思っていた。もしかすると最初はそのつもりだったのかもしれない。しかしページが進むごとに筆者の心の傷と“置き換え”に代表されるような政府(特にブッシュ)への怒りが内からほとばしってきて、読んでいてどうにもくらくらした。
それでも最低限の客観性が保たれていたのはやはり上で挙げた技法ゆえだろうか。明らかに本物ではないものを使って事件を描くことで、真実が捻じ曲げられることは防がれる。
正直に言うと私には9.11についてはニュースで知っている以上の知識はあまりなくて、でもだからこそ読んで良かった。スピーゲルマンがアメリカ国民を代表しているとは思わない。しかし少なくとも一人の生の声を聞き、日本メディアの画一的な視点以外から9.11を見ることも出来た。
そして事件を体験した人の万分の一かそれ以下であろうとも、これは本当に起こったことなのだという実感があった。
今さら…と思われる人もいるかもしれないけれど、読むのに遅すぎる時はないと思う。上で述べたことに少しでも価値があると感じた人はぜひ。
ただ厚い紙でフルカラーとはいえ値段があれなので、お金に余裕がない人は図書館など覗いてみるといいかもしれない。この作品を出した出版社は素晴らしいと思うが、40ページで4000円はちょっとなぁ…。
点数をつけれる作品ではないので仮に6点で。
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[投稿:2011-11-18 00:22:06] [修正:2011-11-18 00:22:06]
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