「boo」さんのページ
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「闇夜に遊ぶな子供たち」の続きも読みたいけど、出ても同人になりそういうのは実に残念な話。
ホラーMがなくなったのはやっぱり痛い。
10点、9点…個人的なバイブル、名作。
8点、7点…お気に入りの作品。
6点、5点…十分楽しめた作品。
4点以下…うーんって感じの作品。わりと適当。

7点 なりひらばし電器商店
40年後の日本を舞台にした岩岡ヒサエの新作。3R法が施行される徹底的にが無駄が排除された世の中で、東京の大学に通うために上京した初音。大学でのスタートは見事にコケるものの、ちょっと変人な彼女にはまた上をゆく変人な友達ができ、電器商店を経営するばあちゃんやその従業員とともに新しい生活を始めてゆく。
未来とはいってもあくまで40年後の近未来ゆえかあんまり現実離れしたガジェットは出てこない。3Dの映像機器なんかはあったりするけれども、これだって確かに数十年すれば普及してもおかしくないような家電だよなあ。
それよりも今と変わってしまったのは制度の方で…。3R法に代表される“作り過ぎず、再利用し、再資源化する”社会は少々窮屈だ。カメラが至る所に設置されて不法投棄を監視しているし、ゴミの処理費用は企業だけでなく一般人も自己負担しなければならない。作りたてのコロッケを提供するためとはいえ時間のたったものを大量に廃棄すれば私服警官に捕まり、紙できたチラシを配っても逮捕されかねない。
そんな変わってしまったとはいえ現代と地続きの未来で描かれるなりひらばし。そもそも未来の下町というのがアンバランスで楽しいのだけれども。エコが徹底した未来でもその中で懸命に生きる人々から感じられるのは、やっぱり無駄なくしては生きてはいけないってこと。温かくもさりげなく私たちの価値観に疑問を突きつけてくる岩岡ヒサエやっぱりSFの素晴らしい描き手だよなあ。面白い!
もちろん岩岡ヒサエの真骨頂ともいえる生き生きしたキャラクターは本当に魅力的。3Dを超えるほど迫力抜群でとことん食えないばあちゃんや、ちょっと変な初音を取り巻くさらに変人な友人、そして癖ありまくりな電器商店の店員たち。時に過剰なほどのデフォルメで描かれる彼らの表情は豊かすぎる笑。
きっと土星マンションのように主人公を通してたくさんの人がつながっていくことになるんだろう。ただ土星マンションと決定的に異なるのは、初音がどうやら意識的に人とつながっていこうと考えているようということで。リングの掃除という仕事を通して様々な人々と出会っていったミツとはまた違った、初音の物語を楽しみに追っていきたいと思います。
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[投稿:2012-12-09 01:18:36] [修正:2012-12-09 01:18:36]
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